「ヒーローの在り方」サンダーボルツ* TATOOTATさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーローの在り方
以前から待ち侘びていたサンダーボルツ*を観てきた
先ずの感想としては、久々にMCU映画に於いて映画館に足を運んで良かった!と心底思った。もう最高でした!
では、具体的にどういったところが良かったか
笑った点と我解釈とに分けて記していこう。
初めに笑った点から!
前髪白女が人体実験を行っていた基地めいたところで
エレーナ、ゴースト、副キャップ、セントリーが
閉じ込められ4人で背中合わせになりながら壁をよじ登るシーン。もうあと少し…というところでセントリーが
やばい、くしゃみ出そう。と言い、何とか忘れようと
キューカンバーを思い出す件。笑
キュウリは90%が水分と言われている程で
食べられる水と言ってもいい位に水々しいから
水→鼻水→くしゃみ、と連想して余計危ないだろ!と
思った。閑話キュー題。
それでも尚、抗えないくしゃみの反射現象に、しまいには全員でキューカンバーコール笑
もうやばい!となったところで副キャップが抜け駆けし
天高く、果てしなかった筈の足場に到達。
ゴーストは壁に、鎌なるものを引っ掛けて何とか耐空。
そのゴーストにぶら下がったエレーナがワイヤー式銃で
セントリーの足を巻き上げ一件落着…と、一息ついてか
溜まりに溜まったくしゃみをするセントリー。笑
ここは野暮ったい事だが、もっと盛大に吹いて欲しかった
それかもう一度キューカンバーを挟むかキューカ…位で
くしゃみをして欲しかった。笑
と、不要な想像が働いて余計に笑ってしまった。笑
この一連のシーンをフリにするかの如く、後に基地を出て皆の囮になり武装集団を引きつけたところで乱射されるが、何事もなかったかのようにむくむくと
立ち上がったかと思えば飛行する力をも見せつけた時
あの、背中合わせの時から使えとけよ!と心の中で
ツッコミを入れてしまった。笑
次にレッドガーディアンと娘エレーナの再会。
家で自堕落な生活を送っていたレッドのもとにエレーナが訪ねるシーンでは
娘が来たと分かった瞬間、いそいそと支度をし
少しでも清潔感を漂わせたい、が歯磨きなんてしてる時間はないと言わんばかりに洗剤とブラシで歯を擦る始末。笑
いやいやいや、と思いながらスギちゃんより遥か上を行くワイルドさに笑ってしまった。笑
そして終始、三枚目を担って場を乱してくれたレッドには大変笑わせてもらった。
と、まぁこんな感じで取るに足らないことを
書いてきた訳だが、挙げ出したら枚挙に暇が無いので
この辺にしておこう。では何故書いたのか。
私にとっては、もうこの時点で十分にヒーローと呼べるに相応しいからだ。笑わせてくれた。笑顔にしてくれた。人は笑うだけで幸せを噛み締められる生き物であって
身近にも、そんな人が居て、芸人という職業があって
バカみたいなことしてるけど、そのバカみたい、が
おかしくて、たまらなくて、笑ってしまうものなんだ。笑ってしまうと心がほぐれて楽しくなって
バカみたい、のおかげで悩んでたことが
バカみたいになって救われるんだ。こういったユーモアは勿論映画にはあった方が良いとは思うが現実には絶対的に必要であるなと改めて痛感した。
この流れで、我解釈をすると
サンダーボルツに於けるヴィランはセントリーの影
畢竟、もう一つの人格"虚無ヴォイド"
思えば、この"ヴォイド"は冒頭エレーナが任務にて
ビルから飛び降りる時(余談だが、これは実際、本当に
飛んだらしい。それ聞いて、より好きになった。
可愛いし格好いいしエロいし演技上手いしストイックって逆にフローレンスピュー貴女は何を持ち得ないのだ@#/&_!?¥$€%○+×÷|=)エレーナの口から出たものである。
更にセントリーがエレーナに触れたことでエレーナの闇
(ここでは"影"という事にしよう。)が描かれたのも
エレーナが最初である。この摩訶不思議な夢現を見て以降
エレーナは何処となくセントリーを気にかけるようになる
セントリーと副キャップが揉める度、割って入ったり
孤独に押し潰されないために逆に押し込めるの、と言ってアドバイスをしてくれたり、先ず我先に優しく
寄り添ってくれたエレーナ。
セントリーが金髪になりサイヤ人を彷彿とさせる
覚醒ばりに五条悟のような規格外の力でサンダーボルツ達を圧倒した後、その力を目の当たりにした前髪白女が
利用しようとした時彼は一度、話がしたい、と言った。
ヒーロー映画でありながら、持って余りある強大な力を
手にした敵に立ち向かう時、嘗てなら全員で力を合わせて
立ち向かっていた筈だ。その不文律を
今作、サンダーボルツ改めニューアベンジャーズでは
"話し合う"という解決策を以って覆してきた。
殺人マシーンとして
育てられ、散々利用され、人並み以上の"影"に
苛まれてきた筈の彼女が最終的には専売特許である暴力を行使して解決するのではなく、相手の目を見て話し合う。
こんなにも優しくて素敵で重宝されるべき
エレーナの想いとセントリーの想いが繋がり、やがて
ゴースト、副キャップ、レッド、バッキーへと伝播し
何となく表紙もそのように見える、あの感動的な、最早
伝説と言い換えても差し支えない"ハグ"へと
行き着いたのではないか。互いの優しさ、温かさに触れ
"虚無ヴォイド"が"愛"で埋まった瞬間!まさに
ニューアベンジャーズという名を冠すに相応しい
新しい"ヒーローの在り方"をまざまざと魅せられた。
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