「狸の飼い方」サンダーボルツ* 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
狸の飼い方
ここ最近出てきたバレンティーナの素性が明るみになり、その狸っぷりが今回のストーリーの軸になりつつ、最後はサンダーボルツwithボブがその狸を飼い慣らすという痛快なオチに。
ナターシャ亡き後、心の中の空白を埋めるためにイェレーナがひたすら仕事をこなす中、殺しても殺しても埋まらない空白。
思春期の女子高生の様に、ポンコツ空振り親父を毛嫌いしつつも、結局は親子。
街中でどんな格好をして居ようが、父親には正直に話し、その父親も正直に応える。
冷酷な暗殺者だった筈が、ナターシャ以上にその芯に秘める優しさが、最後の彼女の全力疾走に繋がる。
ニューヨークが惨状に包まれる中、かつては悪に手を染めた筈のアウトロー達が、最後は優しさと、相手を許す事で世界を変える。
憎しみの連鎖で世界がどんどん悪い方向にいく中、一つの答えとしても素晴らしいし、キャラが立っていて、何ならセンチネルも素晴らしく、綺麗に昇華される。
久しぶりにマーベル作品で味わうカタルシスは極上であり、激しくもあり、そして一番優しい。
その優しさで、最後は狸を飼い慣らすしたたかさもあり、痛快な終わり方で締め括る。
正義に縛られて中途半端な作品が続いた中、何かを犠牲にしても貫く強さを感じた。
なんだかんだでで、屋台骨として機能するバッキー。
今までは女房役だったものの、今度は大黒柱としてメンバーを支え、そして許す父親役となって大活躍。
シリーズ全てを懲りずに観続けた人にとってご褒美の様な作品に仕上がってるのも嬉しい。
尚、エンドロールで最後の来襲者のネタバレが既にあるので、使用楽曲でネタバレになるのは惜しい。
心に虚無を感じた人は共感できる素晴らしい作品。
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