「サンダーボルツ*のままでええやん!」サンダーボルツ* おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
サンダーボルツ*のままでええやん!
このGW中の一番の楽しみとして期待していた本作。もちろんIMAXで鑑賞してきました。手放しで絶賛することはできませんが、MCUフェーズ5の締めくくりとして十分におもしろかったです。
ストーリーは、もはやアベンジャーズに頼ることができなくなった今、それに代わるスーパーヒーローを生み出すべく秘密裏に非人道的実験を行っていたCIA長官ヴァレンティーナは、議会の追及を逃れるために証拠隠滅を図ろうと、エレーナを研究所に向かわせるが、そこにジョン・ウォーカー、ゴースト、タスクマスター、さらには謎の男ボブが現れ、自分たちをも抹殺しようとするヴァレンティーナの企みに気づいたエレーナたちは協力して窮地を乗り切り、さらにはセントリー計画の存在とその被験者がボブであることに気づき、アレクセイやバッキーを加えてチーム「サンダーボルツ*」を結成し、絶大な力を手に入れたセントリーことボブと対峙するというもの。
マーベル作品は大好きですが、鑑賞し始めたのはこの10年ぐらいなので、それ以前の作品はほとんど未鑑賞。そのため、かつて○○だったとか言われてもピンとこず、本作のメインキャラの面々もエレーナとレッド・ガーディアンしか知りません。そんな状態での鑑賞でしたが、マーベル作品にしては過去作との絡みはそこまで複雑ではなく、かつて世界を守ったアベンジャーズはもういないという設定だけを理解しておけば、問題ないと思います。
メインストーリーも、謎の男ボブをめぐる展開でわかりやすいです。その中で、自分の居場所を探すかのように淡々と仕事をこなしてきた、かつての悪役やならず者たちが、利害の一致から即席チームを組んで、過去と向き合っていく姿を描くというのが、単純で清々しいです。開幕からエレーナのアクションで魅せるとともに彼女の虚無感や後悔を伝え、本作の根底に流れるテーマを感じさせます。
アクションシーンはもちろん見応え十分で、先に観た「カウントダウン」とつい比較してしまいますが、やはり格が違うと言わざるを得ません。圧倒的な迫力と没入感はさすがマーベルで、つくづくIMAXで観てよかったと思わせてくれます。ただ、桁違いのパワーと容赦ない能力を誇るセントリーに対してどう戦うのかと期待していたのですが、そのあたりはちょっと迫力不足で、終盤にかけての失速を感じてしまいました。
とはいえ、正式に「アベンジャーズ」とお墨付きをいただいた彼らですが、世間はまだまだ懐疑的なのがリアルでよかったです。実際、私もまだ受け入れ難く、花がない感じでしっくりきません。世間の評価は、ここから実力で勝ち取っていくしかないでしょうね。そもそもの知識がなくて申し訳ないのですが、「アベンジャーズ」と名付ける権利は誰が持っているのでしょう。普通に「サンダーボルツ*」でええやんと思ってしまいました。このあと、”元祖”とか”本家”とかで争うのではないかと、ばがばかしい疑問がわいてきました。
ポストクレジットは、いつものように次作への橋渡しです。次作は「ファンタスティック4」へと続くわけですが、どのような展開になるのでしょうか。今から楽しみで待ち遠しいです。
主演はフローレンス・ピューで、悲しみを背負いながらもボブに寄り添うエレーナを好演しています。脇を固めるのは、デビッド・ハーバー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、オルガ・キュリレンコ、ハナ・ジョン=カーメン、ジュリア・ルイス=ドレイファス、ジェラルディン・ビスワナサンら。
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