「ヴィラン大集結のヴィラン不在映画」サンダーボルツ* てらゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴィラン大集結のヴィラン不在映画
過去作のキャラクターが集結する作品ではありますが、実質エレーナが主役の映画。
陰惨な過去を背負い、姉をも失った喪失感に苛まれた彼女が、同じ境遇の仲間と出会い、ヒーローとして再起する物語。
基本エレーナ視点で物語が進行するだけあって、エレーナの心の動きや描写は非常に丁寧で分かりやすく、彼女のキャラクターとしての魅力を一気に押し上げた作品になったと思います。
特に終盤アレクセイに涙ながらに感情をぶつける場面と、本編最後ヒーローに祭り上げられて満更でもない表情を浮かべるシーンが印象的です。
ナターシャのように、ついに彼女も陽のあたる場所に出てきたのだと感慨深くなりました。
エレーナに限らず、本作は各々のキャラクターの魅力がどんどん上がってくる傑作です。
一筋縄ではいかないヴァレンティーナの底知れ無さ
アントマン&ワスプを経て逞しさを発揮するゴースト
底抜けの明るさと能天気さを見せるアレクセイ
一足先に過去を乗り越え、皆を導く立場となるバッキー
全員ヴィランとも呼べる悪事を働いた人物ですが、共通するのはやはり根っからの悪人ではないということでしょう。
どれだけ地に堕ちようと、みんな社会のためになりたいと思っているし、誰かに必要とされたがっている。
今回特にぐっと来たのがジョン・ウォーカーが身を挺して市民を守ったシーンです。
道を誤り、政府にも家族にも見捨てられたウォーカーが、あのコスチュームを着て身を挺して人々を救った。
その瞬間彼はまさにキャプテン・アメリカだったと思います。
日陰者がヒーローとして再起する、そんな本作を象徴するシーンだったと思います。
上記既出キャラの輝きが凄かったので、新キャラのボブに関してはそこまで感情移入しなかったのですが、過去と向き合い乗り越える過程がしっかり描かれた彼もまた良いキャラクターだったと思います。
タスクマスターは、、、ビックリしました。。。
以上、サンダーボルツからニューアベンジャーズへと生まれ変わるまでの過程を描いた本作は、キャラクター愛と今後への期待を増幅させる傑作だったと思います。
サムはサムでアベンジャーズを再結成しているし、カマラはヤングアベンジャーズを集めている。
現在3つのアベンジャーズが同時進行しているようですが、これらがどう絡みどう合流していくか、今後の展開が非常に楽しみです。
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