「新規でこのニューワールドに来てくれたブレイブなあなたへ」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
新規でこのニューワールドに来てくれたブレイブなあなたへ
マジかあんた!前提知識全くなしでこの4作目のキャプテンアメリカを観に来てくれたってのか…。
そんな勇気ある人がいるなんて…。
だが待ってくれ。まずは俺の率直な感想だ。
普通に面白かった。普通に面白かったことにほっとした。
ここ数年のMCUは興行成績も落ちてきていて評判もかんばしくなかったから。
最近のだと『マーベルズ』も『シンチー』も『エターナルズ』も個人的にはそれなりに面白かったと思うけど。どうしても、マーベルのシリーズを知っている人には色々増え過ぎだしなかなかアベンジャーズ結成しないし、知らない人にはそもそもキャラの関係や設定分からないだろという初心者置いてけぼりぶりがすごいので。うかつに人にすすめることも出来ない。
という中で今作はシリーズをある程度知っている人にはそれなりに楽しめると思う。
ファルコンってそう言えばこんな感じだったかと。
超人血清を打ってないのが劇中で示されたがそれすら忘れてたわ。
バッキーが「血清を打っても全てを救えるわけじゃない」「お前は皆の目標になれる」と言ってくれる場面はシリーズを観ている人には熱い。けれどバッキーが110歳と説明されてもピンとこない人には「あのヒゲ誰」状態だろうなと。
ラストの病室の後輩へ「レスポンシビリティ」と言っていて字幕では「重圧」となっていたところも。「そうだよね。盾を受け継いだレスポンシビリティ、責任、重圧を感じながらファルコンは頑張ってくれてるよね」とシリーズを観ている人ほど思えるんだけど。
今作では大統領に「アベンジャーズを再度結成せよ」とだけ言われてその中身がどうなるかは結局示されなかったんだけど、キャプテン、というか新生アベンジャーズの中心ははなんとなくこのファルコンで行くんじゃないかという感じはした。
これ結構素直に面白かったんだけど、その面白かった要因の一つが、ファルコンが空を飛ぶキャラということもあって、空を飛ぶアクションが多いこと。
空飛べるのは本当に結構大きくて、空中戦が描ける。
例えば、今回であれば、日本の戦闘機との対決というか、日本の軍への攻撃を止めるみたいな役割をファルコンが果たすんだけれども、海の上での空中戦はやっぱりなかなか見応えがあった。
赤いハルクと最終的には戦うんだけれども、赤いハルクがすごいジャンプ力で迫ってくるのを、飛びながら逃げるというところもすごいシーンとして見応えがあった。
最後は赤いハルクに対して説得で何とかするという展開。多分、このファルコンの良さというのはそこなんだろうけど。
その説得要素は、中盤の戦いでもちょっとあり。戦い後に説得に入るというシーンがあって。
迫ってきたヒゲの敵さんに対して説得するというシーンがあって、暴力だけでは無く、心にも訴えかける、説得、言葉でも訴えかけるというところが、今後このキャラの重要なポイントになってくるのかなというところは、ちょっと新鮮ではあった。
エンドロール後でキャプテンアメリカは帰ってくると言うメッセージが流れたし、次のアベンジャーズの中心はやっぱりこのファルコンでいくと言う算段が多分ついたんだろうなという感じはした。
本当はブラックパンサーで行きたかっただろうなと思いつつ、キャラ的にも似てる雰囲気はあるからファルコンでいいだろう。
でも本当ますます新規置いてけぼりだよなあ。
だって30本はある映画だけは追ってる自分でも今作のカギであるでっかいアダマンチウムを見て「ああ最近のマーベル映画のどれかに出てきたんだよなあ」と思って終演後にネットで調べて「そうだエターナルズでした」と思い出したぐらいで。
ある程度追ってる人ですらこんな感じだからな。全くマーベル知らない人からしたら「30本の映画を追っててもある程度なの?」と思うだろ。
最近は平気でディズニープラスのドラマシリーズのストーリーも絡めてくるんだぜ?すごいだろ!30本以上映画を観てる自分ですら「申し訳ないが自分はドラマまで追えてないんだ!」と思いながら自分のブレイブを振り絞って映画館に足を運んでるんだよ。
だからもし全くド新規で今作から観てくれた人はこの「新規に優しくなさ過ぎるニューワールド」に入ってきてくれた「ブレイブ」に誇りを持って欲しい。こんだけ前提知識が必要なものに飛び込んでくれたブレイブ、その勇気を俺はたたえるよ。それこそマジなブレイブニューワールドだろ。ありがとう。