劇場公開日 2022年9月2日

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「設定の面白さだけがウリか」地下室のヘンな穴 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5設定の面白さだけがウリか

2022年9月21日
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鑑賞方法:映画館

地下室にある穴をくぐると、半日時が進み体が3日若返るという設定が面白い。世にも奇妙な物語や藤子・F・不二雄の短編に出てきそう。しかも地下の穴をくぐったのに2階の上から降りてくるという空間の歪みまであるなんて(ここはあまりストーリーに関係はないけど)。
でも、話の展開としては微妙だった。社長の電子ペニスのくだりが、若さを追い求める人間の醜さを描くための要素だとしてもあまり必要性を感じない。いや、それなりに面白かった部分ともいえるのだけど。で、肝心の夫婦の問題。若返ろうと穴をくぐり続ける妻と、若返りには無頓着な夫。彼らがどのような感情を抱き、どのような揉め事が起こったのか。このあたりが全部ダイジェストのようにさらっと流されてしまった。そんな描き方ある?結末はある程度予想ができるものだったが、それでも、えー?これで終わるの?と感じてしまった。上映時間が短いのだから、登場する人たちの心の揺れをもう少し丁寧に描いてもよかったんじゃないか。
電子ペニスが開発されるくらいの技術力がある設定なのに、近未来の話ではなく、現代の話なんだな。いろいろと妙な映画だった。

kenshuchu