「シュールな笑いとシニカルな悲哀」地下室のヘンな穴 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
シュールな笑いとシニカルな悲哀
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地下室の穴を潜ると12時間進み(その間、世界からは消える?)、その代わり3日ぶん若返る。
『今』を犠牲にして『未来』を得る。その差異たったの2日半。
絶妙にビミョーな設定だと思う。
早々に興味を失うアランに対し、若さへの妄執から穴を潜り続けるマリー。
熟年夫婦らしく情熱的ではないものの、妻との夕食のために顧客の要望を断るなど、アランの静かな愛情とのギャップが哀しい。
また、別の方法で若さを保とうとするジェラールの話はコミカルに語られる。
浮気症のため、同情の余地がないところも主役夫婦との違いだろう。
彼の“モノ”を直すために穴を使わせる流れかと思いきや、そうはならず。。
終盤がダイジェストになってしまったため、完全に若返ったマリーに対するアランの想いなど、こちらで補完するしかない部分が多い点は賛否が分かれそう。
思考実験としてはおもしろいのだが、サンプルが一人だけというのが物足りなかったかな。
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