劇場公開日 2023年3月31日

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「あの頃、夢中になった剣と魔法の冒険世界がそこに...  はぐれ者たちが試練を乗り越え仇敵を倒す,古式ゆかしい愛と勇気の冒険活劇映画!!」ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あの頃、夢中になった剣と魔法の冒険世界がそこに...  はぐれ者たちが試練を乗り越え仇敵を倒す,古式ゆかしい愛と勇気の冒険活劇映画!!

2023年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

 1970年代に端を発するアメリカのファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をモチーフとしたSFアドベンチャー大作。
 実物をプレイしたことはなくても80年代末~90年代初頭に花開いたその派生たる剣と魔法の冒険世界のボードゲームやゲームブック、TVゲームのRPGジャンルの薫陶を受けた世代にはこの上ないノスタルジーに浸れる作品であり、現実との地続きや複雑に絡み合った人間模様等の余計な現代的アレンジが加えられていないことが功を奏しています。
 加えて、剣戟や魔法演出は現代技術の粋が尽くされていますので、得作り的な古さは感じられず、普遍的な一致団結の物語は世代を問わず響くところではないでしょうか。
 特に少年期に『ウィザードリィ』や『ウルティマ』といったRPGに親しんだマイコン族の皆様、はたまた水野先生の絶望的な筆の遅さにヤキモキしつつも『ロードス島戦記』に魅せられた方々には間違いなく刺さるかと。
 昨今のSFファンタジー映画はキャスティングだったり登場マスコットの愛らしさだったり、いわば"媚び"が見え隠れするあたりに現代的アップデートを感じてモヤっとすることが個人的に間々あるのですが、本作は王道を王道のままの味でドンと出した潔さを感じます。
 何作も続篇が続いたりすると流石に変化球の無い真っ直ぐな中身に胃もたれしてしまうかもしれませんが、ともあれ、この雑味の無さこそ本作最大の魅力でしょう。

O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)