「良く分からないけど心地よい」ノベンバー 三毛猫泣太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
良く分からないけど心地よい
何度もうわーこの映画イヤって思ってもおかしくない瞬間は訪れたのに、なぜかものすごい好きなところで着地しました。冒頭の動く木の枝が牛を殺そうとしてる(ように見えた)シーンであー呪い系かー苦手だなーと思ったら、今度は火花バチバチして瓦解、ん?マッドドクター?とさっぱり分からないまま先に進み、分からないながらも出てくるキャラがみんな力強くて引き続き見てしまう。ハンス最初は控えめなハンサムくんに見えたけど、男爵の娘に惚れてから、明らかに笑顔が汚くなって、レイプさえも厭わない態度。こんなになってもリーナはまだハンスにぞっこん。でも全体変なことだらけだからこんなことは気になりません。村人たちは不潔で貪欲で狡猾、男爵と娘も不気味、誰にも感情移入できないまま、完全な第三者として見ていられるのは意外と楽でした。七転八倒紆余曲折の末、なぜか純愛映画として終わるのがもうコメディなのかなと思うほど。気が触れた人が作ったのかなと思うけど、でもこんなに見やすい白黒映画は初めてだから、きっと技術的にもレベルが高いのでしょう。
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