MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのレビュー・感想・評価
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毎日同じことの繰り返し
タイムループというネタに新規性はないが、社畜な環境のオフィスの一室でそれを展開するというアイディアには新規性がある。時間を繰り返している時の気持ちと、来る日も来る日も同じような仕事の繰り返しでうんざりする気持ちは似ているのかもしれない。
同僚にタイムループを気づかせるために、あの手この手を駆使していく過程がこの映画の面白さになっているのだが、その手法がきわめて日本の会社的なのがいい。日本企業的なコミュニケーションのあり方を学ぶ教材としても良く出来ている気がする。
タイムループを抜ける鍵は上司の果たせなかった夢。その夢を社員一丸となってかなえようとするのだが、その過程で主人公が仕事をすることの意味や自分の人生について振り返っていく構成がしっかりしていて、等身大の人間の物語としても秀逸。
仕事の悩みを描く作品は多々あれど、こういう形式で描かれるとまた新鮮な感覚がある。
ほとんど、オフィスの一室で展開するため、予算も結構抑えめで作れているのではないか。アイディアの勝利だ。
「繰り返し作業の多い職場」×タイムループ、意外になかった掛け合わせが奏功
劇中の台詞でもタイトルが紹介されるように、「恋はデジャブ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、あるいは「ハッピー・デス・デイ」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」「アバウト・タイム 愛おしい時間について」など、タイムループを扱った映画は多々あれど、もともと繰り返し作業の多いオフィスを舞台に、会社員たちがタイムループの状況に陥るというアイデアは、ありそうでなかったように思う(少なくともメジャーな作品では。マイナー作でもご存じの方がいたら教えてほしい)。
大手からの下請け仕事が多そうな小さい広告代理店の制作部というチョイスも、繰り返しになりがちな事務仕事と、クリエイティブな作業が混在する職場という点で秀逸だ。マキタスポーツが演じる永久部長の現実(=中間管理職)と諦めていた夢(漫画家としてデビューすること)に分かりやすくリンクしているし、現実にも、本当に好きなことを趣味にとどめたり、なりたかった職業をあきらめたりして、仕事は生活費を稼ぐためと割り切って日々生きている人は多いはず。主人公の吉川朱海(円井わん)が、元請けの大手代理店からの駄目出しにより何度もやり直しを強いられる理不尽さ、週末まで泊まり込みを余儀なくされるブラックな労働環境も、ループから抜けられない悲哀に拍車をかけている。
9割方がオフィス一部屋で進行するほぼワンシチュエーションで、低予算は明らかだが、竹林亮監督と夏生さえりによる共同脚本がよく練られていて、チープさは感じられないし、最後まで飽きずに楽しく鑑賞できる。キャストはやや地味目かもしれないが、なかなかの掘り出し物、おすすめです。
タイムループものが増えマンネリ感が出てきたものの、本作では「その上を行く面白さ」がある。
本作は、「カメラを止めるな!」のように、「アイデア勝負の低予算映画」です。
しかも、タイムループものは国内外で増えてきて、ややマンネリ感もある中での挑戦です。
本作では、タイムループものの名作「ハッピー・デス・デイ」などを登場人物が知っているという自然な設定であるため、「さらに上を目指そうとする試み」につながっています。
アイデア勝負である「広告代理店のクリエイターたち」が舞台となっているため、通常のやり取りも面白く、想像の上を行く物語を構築していました。
永久部長役のマキタスポーツ以外は知らない俳優陣でしたが(あ、エンドロールで「しゅまはるみ」が出ていたことに気付きました)、内容勝負の作品なので気になりませんでした。
配給が「パルコ」というのも、良い意味で「パルコ」ならではのエッジの効いた独自性を感じました。
とにかく見てみないことには本作の面白さは分からないと思うので、気になったら見てみてください。「新しさ」を感じることができ後悔はしない「タイムループ型のコメディ映画」だと思います。
面白かったです
映画観ない勢の人に、オススメプレゼンする時の最初の切り札
「普段あまり映画は観ません勢」な人に対して、
タイムリープ系、時間ループ系、タイムトラベル系の作品で、
そこまでメジャーではない、有名でもない、隠れた名作的なオススメ作品ってありますか?
と尋ねられた際、
マウント取りに、一発ブチかましときますか風にプレゼンできる、
オススメ映画の最高峰かつ第一候補なのが、この作品。
まず何よりも一線級作品の主役をやるような俳優が、一人も出てこないこと。
今でこそマキタスポーツや円井わんは、名脇役として世間に認知された感はあるが、
「映画頑なに観ません勢」には、まだまだ通用するレベルの知られてない感は、保持している。
次に、タイムリープの繰り返し構造が分かりやすく、丁寧で、
上映時間が80分と短く、サクっと鑑賞できること。
その次は、会社内の出来事で、ブラック感のある社畜的舞台設定が、
日本人には共感を得られやすいこと。
さらに、中盤から話の本筋が別角度に、急展開して意外性があり、飽きにくいこと。
そして最後は、良い映画を観た時の余韻が、ハンパなくあること。
あとは個人的に、この手の演劇的なワンシチュエーション舞台設定が、
学生時代に演劇やってた自分の最も親しみがある作品傾向で、
プレゼンが熱量を持ってできること。
とにもかくにも、当たり映画運に恵まれ過ぎな、
マキタスポーツの代表作という括りなら、私ならコレを挙げます。
タイムループを終わらせるには!?
最近流行りのタイムリープ作品の佳作
面白い発想
微妙
大好きな
ブラック過ぎる日本企業がある意味「ホラー」
公開から2年以上経ってアマプラで視聴。
噂通りの快作。タイムループものの中編としては上位にランキングされるべき傑作。
本作の凄みは、働き方が一切改革されていない広告会社の現状を描いている処。
ループに気づく事で、抜け出すことより仕事が上達する事に悦ぶ中盤あたりの展開はある種ホラー。
徹夜して日常業務をギリギリ熟すブラックさから、未経験者が徹夜で漫画を完成させるという、日常以上のブラックさに発展する展開も恐ろしい。
事務のおばはんの指摘は無視し、年功序列を一段ずつ遡らないと上司を説得できないのも現実的過ぎて嗤えない。
ループものの天丼を活かす編集も巧いが、数秒のカットから次のカットの間に一週間経っていると想うと震える。
惜しむらくは、何故ループするのか、どうすれば抜け出せるの部分は、SF的な「お約束」として片付けられていて、工夫するつもりがない点。
皮肉と希望
キャラもテンポも良い
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