MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのレビュー・感想・評価
全227件中、1~20件目を表示
毎日同じことの繰り返し
タイムループというネタに新規性はないが、社畜な環境のオフィスの一室でそれを展開するというアイディアには新規性がある。時間を繰り返している時の気持ちと、来る日も来る日も同じような仕事の繰り返しでうんざりする気持ちは似ているのかもしれない。
同僚にタイムループを気づかせるために、あの手この手を駆使していく過程がこの映画の面白さになっているのだが、その手法がきわめて日本の会社的なのがいい。日本企業的なコミュニケーションのあり方を学ぶ教材としても良く出来ている気がする。
タイムループを抜ける鍵は上司の果たせなかった夢。その夢を社員一丸となってかなえようとするのだが、その過程で主人公が仕事をすることの意味や自分の人生について振り返っていく構成がしっかりしていて、等身大の人間の物語としても秀逸。
仕事の悩みを描く作品は多々あれど、こういう形式で描かれるとまた新鮮な感覚がある。
ほとんど、オフィスの一室で展開するため、予算も結構抑えめで作れているのではないか。アイディアの勝利だ。
「繰り返し作業の多い職場」×タイムループ、意外になかった掛け合わせが奏功
劇中の台詞でもタイトルが紹介されるように、「恋はデジャブ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、あるいは「ハッピー・デス・デイ」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」「アバウト・タイム 愛おしい時間について」など、タイムループを扱った映画は多々あれど、もともと繰り返し作業の多いオフィスを舞台に、会社員たちがタイムループの状況に陥るというアイデアは、ありそうでなかったように思う(少なくともメジャーな作品では。マイナー作でもご存じの方がいたら教えてほしい)。
大手からの下請け仕事が多そうな小さい広告代理店の制作部というチョイスも、繰り返しになりがちな事務仕事と、クリエイティブな作業が混在する職場という点で秀逸だ。マキタスポーツが演じる永久部長の現実(=中間管理職)と諦めていた夢(漫画家としてデビューすること)に分かりやすくリンクしているし、現実にも、本当に好きなことを趣味にとどめたり、なりたかった職業をあきらめたりして、仕事は生活費を稼ぐためと割り切って日々生きている人は多いはず。主人公の吉川朱海(円井わん)が、元請けの大手代理店からの駄目出しにより何度もやり直しを強いられる理不尽さ、週末まで泊まり込みを余儀なくされるブラックな労働環境も、ループから抜けられない悲哀に拍車をかけている。
9割方がオフィス一部屋で進行するほぼワンシチュエーションで、低予算は明らかだが、竹林亮監督と夏生さえりによる共同脚本がよく練られていて、チープさは感じられないし、最後まで飽きずに楽しく鑑賞できる。キャストはやや地味目かもしれないが、なかなかの掘り出し物、おすすめです。
タイムループものが増えマンネリ感が出てきたものの、本作では「その上を行く面白さ」がある。
本作は、「カメラを止めるな!」のように、「アイデア勝負の低予算映画」です。
しかも、タイムループものは国内外で増えてきて、ややマンネリ感もある中での挑戦です。
本作では、タイムループものの名作「ハッピー・デス・デイ」などを登場人物が知っているという自然な設定であるため、「さらに上を目指そうとする試み」につながっています。
アイデア勝負である「広告代理店のクリエイターたち」が舞台となっているため、通常のやり取りも面白く、想像の上を行く物語を構築していました。
永久部長役のマキタスポーツ以外は知らない俳優陣でしたが(あ、エンドロールで「しゅまはるみ」が出ていたことに気付きました)、内容勝負の作品なので気になりませんでした。
配給が「パルコ」というのも、良い意味で「パルコ」ならではのエッジの効いた独自性を感じました。
とにかく見てみないことには本作の面白さは分からないと思うので、気になったら見てみてください。「新しさ」を感じることができ後悔はしない「タイムループ型のコメディ映画」だと思います。
よく練られたタイムループGroove
タイムループもの、『リバー、流れないでよ』とはまた違った面白さでした。
タイムループを認識させるための「ハト🐦」の手影絵による記憶の呼び覚まし方は
実にうまく効いていました。
また、上申で部長に気づかせるために徐々にタイムループを認識させていったり、
タイムループの認識のさせ方が、予言(風に・・・ですが)だったり、
みんながタイムループに気づいていくところが面白かったですね。
タイムループを「認識している人」が少しずつ行動を変えることで、
全く同じ展開にさせず少しずつ変化しているのが実に心地良く、
ミニマルミュージック的なGrooveを感じました。
この前半がコミカルでクスッと笑える展開な一方で、
後半はヒューマンドラマへ舵をきられていて、グッときました。
部長の夢(漫画家になる)を叶えるために、部長が描きかけの漫画をみんなで仕上げるという
そのチームワークだったり、チームワークの中に吉川を軸にコンフリクトが起きたり
漫画自体も実に人生を考える深い内容だったりと
飽きさせない脚本で最後まで一気に鑑賞することができました。
鑑賞後感がとても良く、お正月に観るのに最適な作品でした。
今年も多くの面白い映画作品に出会えますように。
覆水盆に返らず。今の一瞬しか分からないんだよ。
14歳の栞の演出家とは思えない。
この会社はブラック企業。残業は何時間?
このストーリーの登場人物達のタイムループが、アイロニーな話ならOKなんだけどね。
まじに、タイムループなんて、ク〇デタラメな脚本しか書けないのか?
高齢者の観る映画じゃない。
若い鑑賞者に言いたいね。時間は覆水盆に返らずだよ。そうさ、いつまでも若いと思ったら大間違い。タイムループなんかせずに、いつの間にか、ジジイ、ババアになってるぞ。
出来るなら、自分の好きな事やろう。その為に仕事すりゃいいじゃ。
この映画の
ストーリーの仕事は、ブリシットジョブそのもの。愛のないAIでも出来んじゃない?
タイトルなし(ネタバレ)
社畜サラリーマンの繰り返される日々と、タイムループによる繰り返しの日々が、二重構造になっていて面白い。タイムループから抜け出す過程で、社畜思考からの解放へ向かう展開は見事だった。ユーモアも品があって良い。
最悪な未来は回避できる?
鳩が窓に激突したのを合図に最悪な一週間が始まり、それを何度も繰り返すストーリー。
下っ端の2人は現状を変えずにみんなにタイムループの事を伝えようとするが、上の役職になるにつれて、仕事をより良い形で成功させようとする者や、タイムループがあるならと下の者に仕事を教え始める者まで。
タイムループの回数を重ねるうちに、家に帰れるようになり、みんなの身なりが整い始めるのも、仕事の効率化が目に見えて分かり面白かった。
吉川さんが憧れの会社に入るために退社を検討していた場面では辞めずにここにいてほしい(泣)って思っていたから、最後にはみんなと一緒に仕事をし続けることになって本当に良かった!
最初にタイムループに気づいていた事務員の人が、何度も話しかけても誰も聞こうとしなかったのは見ていてちょっと切なかったです。
最後にはタイムループから抜け出すためという理由以外にも、部長の漫画を完成させたい、後悔を晴らしてあげたいという気持ちをみんなから感じて少し涙が出そうになりました。
この映画はぜひ!見るべきです!面白かった!!
キャラもテンポも良い
タイムリープものとしては低予算ながらもまとまっていてコメディティス...
社内で起きる1週間のループ
ループに気づくために上申して後悔がないようにみんなで漫画を完成させる話
上司の夢を叶えヘッドハンティングは断りみんなの力を借りつつ自分の道をゆくEND
ループを信じさせるため試行錯誤する姿が面白い作品。後輩には彼女できそうだけど主人公はどうなるのやら…
繰り返しじゃない日々が始まる
タイトルなし(ネタバレ)
よくあるタイムループの映画かと思ってたけど
そんなことなくてとにかく面白かった!
力合わせてタイムループが終えれると思った時の
みんなのやり切った感とスローでかっこつけてるシーンは笑った
まだでしたけど…(笑)
低予算ながらもタイムループ物の佳作
小さな広告代理店で巻き起こるタイムループ。主人公の吉川朱海(あけみ)は、憧れの大手広告代理店である木本事務所からヘッドハンティングされており、自身の夢の為にもタイムループから抜け出さなければならない。そして、タイムループから抜け出す鍵は、上司である部長にかかっていた。
約80分の尺の殆どを、弱小広告代理店の社内のみで持たせていたのは素晴らしい。低予算ながら、工夫次第で如何様にも見せられる物語は作れるという好例だろう。
しかし、だからこそ脚本には更なる工夫やドラマも必要だったのではないかと思う部分も多々ある。予算の少ない作品こそ、脚本力がストレートに試されるのだと再認識した。
異変に気付いて吉川にタイムループの事実を伝えてくる遠藤と村田ペアとのやり取りは、我々観客への解説も兼ねており、段階を踏んで丁寧に伝えられる。そこから吉川→森山→平と、次第に社内で地位のある人間(部長にタイムループという荒唐無稽な事象を伝えても信用させられる人間)にタイムループを伝えて行くテンポが良く、ダレずに話が進んで行くのは気持ち良い。いよいよ部長にという時には、スライドによるプレゼンテーション方式で相手の思考を先読みして伝えるというのはコミカルで面白かった。
鳩が窓ガラスに激突する音が、タイムループを確認するキーポイントになるというアイデアも良い。鳩は可哀想だが。
吉川達は、オカルト好きな遠藤&村田ペアが持ってきた“月刊ムー”の記事を頼りに、部長のブレスレットにタイムループの原因があると判断し、中盤でその問題を見事解決する(仕事を終えたと言わんばかりに、皆で並び歩いてゴーグルを外す様をスローモーションで映すのはベタだが笑える)。しかし、ブレスレットは呪いの品でも何でもなく、娘からの手作りのプレゼントだと判明し、事態は振り出しに戻る。ここで遠藤が“月刊ムー”を破り捨てたのが個人的にはツボ。
ここで物語が第二段階に突入し、実は事務の聖子さんは誰よりも早くタイムループに気付いていた事が明かされる。そして、タイムループの原因は、漫画家を目指していた部長の未練が関係しているとして、描きかけの原稿が以降の物語のキーを握る。
漫画の内容は、「夢破れて失意の内に死にゆく老衰した主人公のもとに、人生をやり直すチャンスを与える不思議な狐が現れる。狐の呪いによって人生をやり直すチャンスを与えられた主人公は、憧れのミュージシャンになるべく人生を繰り返す」というもの。それは、漫画家への夢を諦め切れない部長の現実にも共通する。
原稿を完成させる事が、タイムループを脱する条件に違いないと判断した吉川達は、部長に隠れて業務中に下書きの原稿にペン入れや仕上げ処理を施してゆく。しかし、業務そっちのけで不慣れな漫画作業をする都合で、本来の業務は滞る。木本事務所からヘッドハンティングされている吉川は、自身のチャンスを棒に振る事は出来ないと、漫画制作ではなく自分の業務に専念しようとし、「上も目指さずにこんな弱小広告代理店で終わるつもりはない!」と、他のメンバーと衝突する。
そんな折、憧れの木本事務所に招かれ、事務所の打ち合わせ室で社内の雰囲気や、憧れの木本貴子に出会う。しかし、木本のワンマン経営っぷりや、部下を「あの子センス無いでしょ」と見下す姿勢に、吉川は憧れの世界の理想と現実の差を目の当たりにする。
再び事務所に戻った吉川は、皆と仲直りし、共に漫画制作に励む。やがて、部長に描きかけの原稿のラストを描いてくれるよう説得。見事原稿は完成し、吉川達はタイムループから脱出する。しかし、木本事務所からの案件を蔑ろにしていた吉川は、ヘッドハンティングの話を無かった事にしてくれと言われてしまう。すかさず部長が助け船を出し、それでも「まだ居てほしい」という部長の願いを聞き届け、吉川は残留を決意する。
ー脚本への不満点ー
タイムループならではの、“前回取らなかった選択肢を見せる”事や、“前回の反省を活かして仕事の効率を上げる”という展開は非常に好みである。しかし、だからこそクライマックスの漫画制作は、皆がそれぞれの反省を活かした効率の良い仕事ぶりを発揮するというものでも良かったと思う。
特に、吉川の「成功したい!」という夢。そもそも、“上を目指す”という事は決して悪い事ではないはず。タイムループを利用し、今の自分に出来る最高の仕事を果たした上で、それでも「自分の居場所はココですから」と木本事務所からのヘッドハンティングを断ってみせた方が、ドラマとしてより強くなったと思う。何故なら、この物語は「自分の成功の為に、周囲を顧みて来なかった」吉川が、周囲の支えてくれている人々に目を向けられるようになり、「自分の本当の居場所を見つける」「どこで咲くかではなく、どう咲くかに気付く」物語でもあると思うからだ。
また、タイムリープの原因が結局部長にあったというのは、ちょっと違う気がする。タイムリープから脱出出来たのは、部長の「漫画家への夢」が先に進んだからなのか、吉川が「自分の居場所を見つけた」事によるものなのか、観客の判断に委ねるのがオシャレな落とし所だったと思う。
更に言えば、クライマックスの漫画制作は、もっと部長も密接に関わらせた方が盛り上がったと思う。自分の夢への執着心が、皆を時の牢獄に閉じ込めてしまったと自覚してこそ、漫画が完成した瞬間のカタルシスがより一層強くなったはずだ。
意図していなかったとはいえ、部長の夢の為に社員達は自身の仕事を放ってまで漫画制作に励んでくれた。その見返りが、窮地に立たされている吉川に助け舟を出すだけというのは、あまりにも弱い。おまけに、吉川について「出来ればもう少しウチに居てほしい」などと言う始末。
皆に手伝ってもらった(というか、映像を見る限りでは、半分以上は社員達の仕事)漫画が、賞を受賞したり連載の目処が立つというようなご都合主義的ハッピーエンドに陥らなかった点は評価したい。
ラストのちょっとした遠藤のタイムリープを利用した嫁探しのサプライズは、モヤモヤとした気持ちで観終わった後では蛇足に感じられた。こういったオマケは、作品の質が高ければこそ、観客に喜んでもらえる“遊び”になるのであって、脚本の練り込み不足が目立つ作品では意味を成さないからだ。
ーまとめー
題材の面白さ、登場人物達の置かれている状況、少ない予算でも成立させられる脚本と、良い素材は確実に揃っていたように思う。しかし、だからこそ活かし切れなかった部分が非常に惜しく感じられる。派手さ等の強引さで押し切れない低予算映画だからこそ、真に完成度の高い脚本が求められるのだと思った。
これはなかなか👍
円井わんが素晴らしい
リリスクとの出会いをくれた作品。
2022年、コロナ禍の中に公開された。
監督は竹林亮、脚本は竹林亮と夏生さえり。
Mondays、と「月曜日」が複数形で表さわれているように、月曜日が何回も何回もやってくるタイムループもの。
タイムループものといえば、なにを「やり直す」かがポイントだが、だいたいは、
・男女の出逢い
・死
と相場は決まっている。
本作は、「出逢い」も「死」もない。
唯一の犠牲は、月曜日の朝、必ず窓に激突するハトくらいか。
ほのぼのしたストーリーと言える。
もう少し、ドタバタがあっても良かったかな、くらいに平和な作品だった。
私はこの映画をきっかけに、lyrical schoolを知った。
エンディングに『LAST DANCE』が流れる。
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』における『The Future』、
『ロスト・ハイウェイ』における『I'm deranged』、
映画のラスト〜エンドロール、
◆余韻を残したり、
◆本編のトーンを完全に打ち消したり、
ラストの数分は映画のヤマ場の一つだと思う。
lyrical schoolの楽曲のグルーブ感が心地良く、
なんで今まで知らなかったんだ!
という反動で、私のPlay listは、リリスクで占められている。
感謝の気持ちを含みで、、、☆3.0(辛い?)
全227件中、1~20件目を表示