ミセス・ハリス、パリへ行くのレビュー・感想・評価
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最愛の伴侶を失った掃除婦がたった一つ見つけた生き甲斐は眩いばかりのディオールのドレス!! お人好しな中年女性が国を跨いでファッション業界に愛のお節介...
戦争で夫を亡くした中年女性がディオールのドレスという目標を見つけて大奮闘するハートフルコメディー。
持ち前のお人好しで周囲を魅了し他人の恋路を後押ししつつ自分はほろ苦い失恋…まさに女はつらいよな人情喜劇で、出てくるキャラクターがみんな良い人ばかりで心がほっこりすること間違いなし...
近年こういう作風は本当に減ったけど、古びれない普遍的な面白さを持ってる気がする。
言うなれば『男はつらいよ』シリーズの寅さんの女性版みたいな感じです。
苦労して貯めたお金を食べるためではなく上を向いて生きるために費やす主人公の様はまさにコンゴのサプールのようで、豊かなお金の使い方と正しい年の取り方此処に在り!
ときめきに年齢の限界は無い
私にとって2022年下半期ベスト10入り確定です!
戦後、夫の帰りを待ちながら、掃除の仕事で生計を立てるミセス・ハリス
ひょんなことからディオールのドレスに出会い、まさに一目ぼれ。
ディオールのドレスが欲しい!と資金計画を立てて、いざパリへ…
行けるのか?!とハラハラさせる。
パリへ行った後もディオールの従業員に相手にされない?!など
一筋縄ではいかないストーリー展開で最後まで楽しめた。
最近、おしゃれとか趣味活とか勉強など様々なことに対して、
自分の年齢的に勝手に「そろそろ」と線引きをすることが多かったけど、
ハリスさんの姿を見ていたら、いやいや!!まだまだ、思い立ったが吉日どころか、
胸がときめいたら吉日でしょ!!
それにおしゃれに対しての気持ちも変わった。
ハリスさんは胸がときめくからディオールのドレスが欲しい
フランスのブルジョワジーたちはディオールを着て、他人からよく見られたいからドレスを着たい
ハリスさんはこれを着て他人から羨ましがられるとかそんなこと一切気にしてない。
好きだから、ときめくから着る!!これに尽きていた。
私はオフィスワークだし、おしゃれしても仕事の効率上がらないし、
恋愛的な出会いも求めてないからって身なりに無頓着なんだけど、
自分の気持ちのためにおしゃれするっていいなぁって感じた。
で、次の日に仕事に着けていったのが、カードキャプターさくらのコラボネックレスというオチです。
(ふとした時に自分のネックレスが目に入るんだけど、
たしかに気分上がった(笑)
公開館少ないのもったいないな…って思う映画!
冒険家にしてシンデレラ
一目惚れしたディオールのドレスを求めてパリに行くミセス・ハリス。ドレスはお宝(マクガフィン)で、目的地パリは未知の地という構図は、ちょっとしたアドベンチャー映画になっている。
ロンドンでもパリでも上流階級からの差別・偏見を受け落ち込むも、親切心と不屈な精神力という武器で乗り越えていく。出会った人々はその姿に魅了され、いつしか彼女の味方に。「こんな上手い話ありえんわ」と切り捨てるのは簡単だけど、冒険家でありながらシンデレラでもあるハリスさんの前では、それすら詮無い事に思えてくる。
ディオール自体は高級ブランドでも、そこで働くのはセレブでも貴族でもない一般の人間。そこに生じる歪みや階級の是非を、原作より強めているあたりが現代らしい。
ハリスさん役のレスリー・マンヴィルが実にチャーミング。
クリスチャン・ディオールにあこがれた素敵な高齢女性の大大大冒険旅行。
主人公のハリスさんは家政婦さん。戦争で亭主をなくし、失意の中、仕事先の家で、クリスチャン・ディオールのドレスに一目惚れする。高価なドレスを手に入れるため、戦後間もないパリに旅立つハリスさんの大冒険。公共機関での労働者の争議やモンマルトルの丘やセーヌ川のほとりから見えるオルセー美術館、70年たっても変わらぬパリの街を散策できる。当時のパリのファッション・ショーを見ることができたり、見ていて幸せな気持ちになれる。時には、働く女性の権利問題でたたかうことになる等、映画スタンドアップ(North Country)を想起させるシーンもある。すべてがうまくいくわけではなく、いろんな問題がふりかかるけど、それをのりこえていくヒロインに惜しみない拍手を捧げたくなる。
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