配信開始日 2022年8月26日

「76歳のダーク・ヒーロー」サマリタン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.576歳のダーク・ヒーロー

2022年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

劇場公開は無いようで、prime videoによる配信作品。

76歳になったスタローンのクライム・サスペンスな最新アクション作品。白髭が伸び、髪も薄くなり、風貌は確かに老人の仲間入りだが、「これが76歳…!」と思えるよな、体を張ったハードなアクションが後半は続く。

全盛期に比べて、確かにアクションのスケール小さくなったとは言え、そこはスタローン。これまで数多くのヒーローを演じ、夢を与えてきたスターである。今回もダーク・ヒーローとして、最後はちゃんと子供に夢を能えてくれるラスト・シーンを、用意してくれたいた。

失業者が続出し、ギャングが暗躍する荒廃した街・グラニット・シティーを舞台に、且つて、善のサマリタンと悪のネメシスが対立し、発電所での死闘の末に両者ともに死んだと思われていた。その25年後、貧困な生活でギャングの道に踏み出そうとする少年・サムの元に、ゴミ収集の仕事をする一人の老人・ジョーが現れ、超人的な力で、サムを悪の道から助け出す。サムは、ジョーがセマリタンの再来ではないかと思い、慕い始める。

一方、ギャングのボスは、自分こそがネメシスであると宣言し、挑発された暴徒によって、街を襲わせ、街は制御不能となって、いよいよ荒廃していく。そして、サムを助け出したジョーを、サマリタンと知り、自分にとっての目障りな存在と考え、サムを誘拐してジョーを誘い出汁、命を奪おうとした。そこで、ジョーとギャングが対峙する中で、ジョーの本性が、明らかになり、ラストの激しいバトル・シーンへと展開していく。

1970年代後半から同じ時期に2大アクション・スターとして活躍したシュワちゃんも、いまだ健在。しかし本作で、改めて体を鍛え直し、自分自身がハードなアクションをこなし、エンターテイメント性の高いアクション作品を創り上げた、スタローンの熱意に敬服する。彼自身、常に「ハートのあるアクション映画が好きだ」と言っているように、本作は、アクションだけでなく、その骨格には、少年・サムの純粋な心の視線を通した祈りや願いが描かれているのだと思う。

bunmei21