そばかすのレビュー・感想・評価
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共感
普段の私だったら起伏のないストーリー、
いつも背が丸くて魅力に欠けるヒロインにうんざりしていたことだろう。
事実、妻は余り好感を持っていなかった。
私がこの映画を評価するのはヒロインへの共感以外にない。
私には性欲はあったので結婚はして家族を持ったが、
それ以外の点の生きづらさはヒロインに強くシンパシーを感じる。
北村匠海が歓迎会を断る気持ちも
別々に映画を見る気持ちも手に取るように理解できる。
私も妻に別々の映画を見ようと提案することがよくあるが、
妻は怪訝な様子で理解してくれない。
それがこの映画への評価の違いに表れている。
役者の中では前田敦子には驚いた。
雰囲気のある女優になったと思う。
三浦透子さんというだけで期待値は上がったけど、周りの評判が良くて...
三浦透子さんというだけで期待値は上がったけど、周りの評判が良くていく。シナリオも良かったけど、透子さんと前田敦子さんのナチュラルな演技がよかった。
シンデレラはサイコー。最後まで見たかった。
お父さんを巻き込んだ家族の物語になっていること、敦子さんの話も構造的によくできていた。細部の話もいい。
誰にでも元気を与えてくれる
なんとなく印象に残る脇役の多かった印象の三浦透子さんが、ずっと主演で中心にいるとその表情の豊かさに、今更驚くばかりです 8年前「私たちのハァハァ」という女子高生4人が北九州から東京を目指すロードムービーがあって、その1人が三浦さんでしたが、8年経ってこんな立派になられたことに嬉しさを感じます 本作のタバコのポスターも、また仕事の休憩中にタバコを吸うシーンも、適度な「やさぐれ感」がある一方で、子どものような表情をみせる場面もあって、そして最後の歌も、彼女あっての作品となりました 自分の思いとか、考えていることが否定され続けていても、ちょっとでも理解してくれる存在があると、それまでの鬱積が消えて目の前が大きく開けていく 押しつぶされそうになるしんどさにあっても、少しの理解者があれば頑張れるのかもしれない 父親にとっての娘のかけてくれる優しい言葉もまたそうなのでしょう 子どもの時から観ていた田島令子さんも安定した存在感でした 前田敦子さんも適度な「やさぐれ感」の役が多いように思いますが、ますます安定されていますね(3月5日 ジストシネマ和歌山 にて鑑賞)
年の初めだったら初笑い!?
2022年の最後にふさわしいクスッと笑える作品でした。婚活、恋愛、多様性
普通とは違う価値観で描かれたシンデレラの
デジタル紙芝居、とても面白かったです。
母親に連れられて当日にいきなりお見合いだと知った三浦透子さんの演技も良かったです。
議員の選挙に出馬して演説の真っ最中に
横から娘さんの飛び入り参加!?
男性よりも女性の方が強く描かれていました。
三浦透子さんの妹役の伊藤万理華さんは
サマーフィルムにのっての映画を観てから
他作品でも見たいと思っていたので
それも合わせてファンタスティックでした。
三浦透子
が、実際に共感性の無い人にしか見えなくて、自分にはドキュメンタリーになってしまいました。なので映画は悪くないです
キャスティングに文句言うつもりは全くないですが、例えば清原果耶とかの儚げ女優さんだったらもっとジレンマを感じられたかもしれないのです。まあ、ジレンマ感じないでくださいと云うのもあるのかな?
ジェンダーについて考えさせられた。
ジェンダーについて深く考えさせられた。
三浦透子さんの演技が心地よく、ジェンダー問題に対する葛藤がこちらまで伝わった。
普通ってなんだ?て思わされるようなシーンが多く、マイノリティな主人公らの考え方は、時に他人に押付けてしまうような描写もあった。ただ、主人公らは日頃から窮屈な思いもしているので、それを否定されたシーン時の辛さは観客の私の胸を締め付けるような感覚に陥った。
理解しようという気持ちが強く、中々感動は出来なかった。
ただ、いい作品だったし、羊文学(歌うのは三浦透子さん)の主題歌も良く、本当に見てよかったと思う。
そばかす蘇畑佳純は素が素敵
「そばかす」玉田真也監督
三浦透子主演
刈谷日劇
恋愛感情が備わってない人、蘇畑佳純そばたかすみさん
人に対して疎外感があるものの人との付き合い方は良いと見えた。
自分を大事にすること
本当の自分のままで
人とつながることの大切さ
人との関係の中で気持ちを素直に出せて
大事な自分になっていく。
家庭の中で日常にある感情が交錯し合い皆んなある意味で素直でそのままだけど、芯にある自分を言葉にできるって大事だね。
そばたさんの周りの同級生2人がとても良かった。
多様性と言う言葉で
自分寄りの付き合いだけに埋没しないところが
これからの社会に希望が持てる映画だった。
感情は自由に持っていいものです
大昔から個人個人バラバラであったのだろうと薄々みんな分かっていたと思うのです
時代によって大人達が勝手に枠を作りそこへ当てはめていたのでしょうね
まだまだ人類は未熟で幻のような常識の中で生きていくには己を出すことがまだ危険な時なのかもしれないのかも
正義も曖昧だし大国が戦争もしている
その一方では何々ハラスメントと言っていったい何をどうしたら良いのかも模索中
個々の性格や癖や思考、思想などを分析してしまったら誰だって何かしらの病名がついてしまうのかもしれないな〜などとずいぶん前から思ったりしています
丸四角メガネの人が言ってました
人と関わることは大なり小なり人を傷付けてしまうことなのだと
本当のことをカミングアウトしたら親が悲しむかも知れない、「好き」と言われてそれを拒んだら相手を傷付けてしまうこともあるでしょう
人と関わるのはそれを踏まえて人と生きていくしかないのでしょうかね
あまり臆病にならずにもっと楽になってもいいんじゃないかと思います。
自分に正直でありたい。
映画を観ると、自分がいかに固定観念に囚われて生きているかを改めて思い知らされて、もはや気持ち良い。
初っ端の合コンのシーンで、好きかもと言われるシーンハッとさせられた。
自分の意思が希薄な私は、自分が相手をどう思うかに関わらず、好きかもと言われたら、一気に自己肯定感があがり、選ばれた、ということに舞い上がってしまうと思う。
自分の意思に関わらず、相手に選ばれることにしか自分の価値を見出せない、旧タイプのシンデレラと全く同じだった。
なので私は終始、苦しむことや悩むことも多いけど、自分の気持ちに正直なカスミが眩しかった。
もっと自分の気持ちを大切にしなければ、勝手な常識に囚われていると、自分に正直に生きている人を苦しめたり、理解できなくなってしまう可能性があることに気付かされた。
わたしは常に人の目が気になってしまうし、誰にでも好かれたいと思ってしまう。その意識より、自分の気持ちに比重を置きたい。
まずは映画を観終わった後の、たくさんの人で賑わう繁華街でひとり、気ままに歩いてみた。
自分が気持ちいいな、と思う方向にいきたい。
そんな、柔らかくて清々しい気持ちで歩く帰り道が心地よい映画。
ダイバーシティ
世の中の固定観念、風潮に生きづらさを感じてる方に見て欲しい作品です。肩の力を抜いて鑑賞できます。ダイバーシティなどの流行フレーズを叫ぶ人にも見ていただきたい。三浦透子さんの演技も自然体です。
恋愛感情を持たない女性の「なんでもない」1人の物語
恋愛感情を持たない人をアセクシュアルと言うらしい。そんなヒロインの何でもない物語。その「なんでもない」雰囲気が色々と考えさせてくれる作品。
30歳、独身。親は口うるさく、妹夫婦は騒がしそうだ。無理やりお見合いをして、良い人と出会うが…。メ~テレの映画レーベル、(not)HEROINE moviesの3作目は、欲しがらないヒロイン。いや、それが分からないヒロイン。もちろんそれが悪いとか良いとかの話をする訳では無い。ただ、適齢期とされる30歳に迫る転機は皮肉にも結婚や恋愛なのである。客観的に捉えながら何度もその感情を問い続けてきたカスミの感情をひらりひらりと観ていく。
玉田真也監督のトークセッション付きの試写会だった為、いくつかウラ話を聞くことができた。中でも興味深いのは、作品の7割がワンカットであることだ。舞台畑の人だからとも思っていたが、どうやら意図したモノらしい。そこで流れる空気感、家族や友人との関係で生まれるユーモアが感情を交錯させ、暗いトーンになりすぎないような工夫がされている。私はそこにある言葉を重く受け止めてしまったが、割と周りは受け入れたこともあってか笑いにも変わっていた。良し悪しではなく、それだけ普遍的で人間のユーモアが強いのである。そこがワンカットと相まって爆発していく。実に面白い反応の数々だ。
主演は三浦透子さん。『ドライブ・マイ・カー』を始め、何かと飄々とした姿を連想するが、この作品では実に表情が多彩。喜怒哀楽が全面に出た、彼女の主観が覗く作品になっている。共演には前田敦子さんや伊藤万理華さん、佐藤玲さんに北村匠海さんといった豪華なメンツ。静岡のロケーションもあり、見応えと柔らかさが効いていた。
自身のあるべき姿のために立ち向かうことが全てではない。だが、受け入れてくれる人を待つことも悪くないのかもしれない。自分を保つためにすり減らしても良いことはないのだから。ダサい走り方でも、今を懸命に走ればきっと見えてくる。
AV女優のマエアツ
30歳の蘇畑佳純(そばた・かすみ)は、チェリストになる夢を諦めて実家にもどり、コールセンターで働きながら単調な毎日を過ごしていた。
妹は結婚して妊娠中、 父は鬱で休職中、バツ3の祖母は思ったことをなんでも口にし、母は、佳純に恋人がいないことを嘆きいていた。
恋愛したいと言う気持ちが湧かない佳純は、恋人が居なくても寂しくないし、十分幸せだが、周りは信じてくれなかった。
ある日、海辺で同級生の真帆と出会い、彼女のストレートな生き方に共感し、一緒に暮らそうとするが・・・というような話。
多様性の世の中だから、LGBTQや恋愛感情の湧かない人も居るだろう。そんな女性を演じた三浦透子が素晴らしかった。
伊藤万理華、坂井真紀、も良かったが、前田敦子が本作でもなかなかの女優ぶりを見せてくれた。
三浦透子と並ぶと前田敦子が可愛く見えるのは不思議だが、服のセンスも役に合ってて素敵だった。元AV女優役なら濡れ場も見たかったかな。
今年の映画初め
明日から仕事、年末も舞台追っかけて映画見てなかったので久々に映画館へ。三浦透子主演だし時間も合うんで見ようかなと選択。結果とても当たりな映画でした。三浦さん演じるソバハタさんがとても良い。ラストも派手さは無いけど気分が高揚する感じで、少し走り出したくなる映画でした。
2023-1
恋愛感情ってそんなに大事ですか?
22年公開の日本映画、12月に良作が続々と封切られて嬉しい悲鳴でした。ラーゲリ、ケイコ等々。
今作はもう見終わった途端に「ブラボー!」って叫びたくなった程に素晴らしかったです。
主人公のように恋愛感情が起こらない人のことを“無性愛者”とか“アセクシュアル”って呼ぶらしいですけど、それも少し違うような?そもそもそれって異常なことなんですかねぇ?
まっすぐに自分の人生を生きる主人公(そばたかすみ=そばかす)を三浦透子さんが演じていて、「ドライブ・マイ・カー」のときは寡黙でしたが今作では台詞も多く等身大の30歳をナチュラルに体現。
元AV女優役に前田敦子さん。最近のあっちゃん、驚くほどいい女優さんになりましたねー。作品選びも素晴らしいです。
主人公の家族に坂井真紀さん伊藤万理華さん三宅弘城さん。お見合い話をもってくるお母さんも結婚して妊娠している妹も良かったですが、ちょっと心の病で休職中のお父さん役の三宅さんがすごく良い味になっていました。
マイノリティを受け入れましょう、って上段に構えて言ってくるのではなく、あくまでもフラットにそして誠実に描いています。シンデレラのビデオ紙芝居、もっと見たかったな。
多様性の時代と言われていますが、そろそろ自分と違う価値観を「おかしい」「異常」と捉えるのをやめませんか?
映画ネタとして「宇宙戦争」をもってくるセンスもいいし、誰もが共感できるような爽やかさ軽やかさもまとっていて秀逸の一本になっています。
或三十路女の恋愛観の、いっときの心のスケッチ
異性に対する恋愛感情や性的な欲求を、全く持ち合わせていない或三十路女が、母親から強制的にお見合いさせられたり、元セクシー女優の女友達との交流、日常の保育士としての仕事ぶりを描いた作品です。
この映画のテーマは、「『女性は結婚して家庭を築くのが幸福である』という価値観を、主人公を通じて否定することによって、女性の真の幸せとは何か?」と、社会に問いかけをしている所にあるように思いました。
少子化が深刻な問題になり、社会保障制度の維持が危うくなりつつある現代の日本において、この映画は「害虫」のような立ち位置に有ると思わざるを得ませんが、結婚してもシングル・マザーになる女性(中には、経済苦に陥り自死する人もいます)が後を絶たない現状を考えると、「結婚の価値」について真剣に考えさせる、問題提起の作品のようにも思えました。
この主人公の女性の生き方に共感する方も多いと思いますが、ただし、なにぶん職業が保育士であり、このまま先、経済的な自立は難しいと思われ、この主人公も「将来は価値観を変えて婚活に一生懸命になるのでは?」という含みを、この作品は暗に持たせているような気もしました。
この作品を選び観た人の喜び
とてもいい作品でした。
登場人物それぞれに感情移入できて良かったです。
それぞれがそれぞれで良かった。
世の中がこれまでのしきたりや習わしよりも今を生きる個人の意思が尊重されるいい時代になったんだとつくづく感じました。
変えられない何かで苦しんでいる人も救われるヒントとして是非観て欲しい作品です。
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