劇場公開日 2023年2月10日

「あくまでも「家族」「愛」がテーマ」エゴイスト ペンたさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あくまでも「家族」「愛」がテーマ

2023年3月4日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

「ゲイ」や「同性愛」を全面的に推しているかと言われたらそうでもなく、映画の後半は「家族」や「愛」にフォーカスが当てられているように感じた。

前半こそ映倫の年齢区分に当てはまるような肌色のシーンが多め。主演の鈴木亮平は当事者と思わせるほどの演技力に感嘆。宮沢氷魚も役に自然と溶け込んでおり、違和感なく観ることができた。

どことなく、韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』にも似ているようにも思えた。
地方から上京し自由に暮らす浩輔と、母を支える龍太には経済的に格差があった。また、龍太が浩輔に「会わない」と言い放った後のシーンでは、深夜の仕事に就く龍太の姿と、突然出ていかれ困惑する浩輔に、寒暖色の差があった。都会のきらびやかな感じと、実家や田舎特有の暗さや静けさなど、こういった「差」をまざまざと見せつけることで、経済的価値感や恋愛的な感情をよりリアルに引き立てている。

愛の形は人それぞれ。まさにこれに尽きると思う。
相手を求めること、見返りを求めず人に尽くすこと…
これを単に愛と表現しても良いのだろうか。

色々と考えさせられた作品であった。

ペンた