劇場公開日 2023年2月10日

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「社会派ドキュメンタリー」エゴイスト mさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0社会派ドキュメンタリー

mさん
2023年2月12日
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泣ける

知的

難しい

予備知識を入れずに見に行ったら思いっきりぶん殴られた。
社会派ドキュメンタリー映画のような本作。LGBTQのみならず貧困や母子家庭、ヤングケアラーといった社会的弱者が現代日本で生きていくことの難しさを突きつけられる。この映画を見てあなたは何を感じるのか、またあなたに何ができるのかと問いかけられているような気がした。
主人公は自分を責めるがではどうすればよかったのか。個人でできることは限られる。あの母子にとって主人公に出会ったことはむしろ救いだったはず。弱者を切り捨てない世の中にするためにメッセージを受け取った一人でも多くの観客が意識を持つ必要がある。自分に課せられた荷に帰路の足取りは重くなったがそれでも見てよかったと思える映画。
前半のゲイカップルの生々しいインティマシーシーンもこの映画に説得力を持たせる。そしてとにかく役者の演技が見事。冒頭でも述べたようにまさにドキュメンタリー映画のような違和感のない演技には脱帽した。
エゴなのか愛なのかそんなことはどうでもいい。人が寄り添って生きていくことを誰も咎めることはできない。最後の母の言葉とそれに応える主人公に涙がとめどなく溢れた。

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