劇場公開日 2023年2月10日

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エゴイストのレビュー・感想・評価

全267件中、1~20件目を表示

4.5人と出会うことの豊かさ

2023年2月12日
iPhoneアプリから投稿

 一面の青いシーツと白い背中のビジュアルが印象的な本作。全く身構えていなかったというと嘘になる。けれども、実際に観てみると、セクシャルな話というよりも、大切な人と出会うことがもたらすもの、がじっくりと描かれている物語、という印象が強く残った。
 華やかなマスコミ業界で働く浩輔は、ファッショナブルな服を鎧にして淡々と生きてきた。そんな彼が駆け出しパーソナルトレーナーの龍太と出会い、強く惹かれていく。
 クールに仕事をこなし、夜はオネエ言葉で賑やかに仲間と過ごす。それなりに満たされていたはずが、龍太との出会いで、やり過ごしていた日常がみるみる彩られていく。大切な人に会って、共に過ごす喜び。見送る寂しさと、別れてからの余韻。一人のときは相手を想い、冷静さのみじんもなく心を浮き立たせる。しかし、そんな日々が、突然断ち切られてしまう。
 龍太を核として、龍太の母と浩輔が、心を通わせていくくだりに、しみじみと胸を打たれた。共通の大切な人を持つ同士が、ためらいながらも少しずつ距離を縮めていく。喪失は埋められないが、全くの他人だったはずのふたりの間に、恋人同士とはまた違う、陽だまりのようなあたたかさが生まれたのだ。
 日々のありふれた時間を、誰かとささやかに営む喜びに気づいていく浩輔。寄り付かずにいた故郷に、鎧なしで帰るという変化ももたらされる。やっとたどり着いた、父と息子の穏やかな時間も忘れ難い。
 浩輔は、龍太親子に金銭を交わすことを提案する。それが「エゴイスト」の由来なのかもしれない。けれどもそれは、関係を繋ぎ止めるためのものではなく、望むならば去ることもできるという、対等な関係を保証するものと思われた。家族であれば、金銭的な支えも特別なことではない。法的に家族となれない彼らの、悲痛な思いも垣間見えた。
 高価な贈りものといった特別な理由なしで、ごく当たり前に誰かと時を過ごせる豊かさ。新たな喪失が予感されるが、彼の心は、揺らぎながらもきっと穏やかだ。窓辺に繰り返し飾られる、小さな花束のように。

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cma

5.0お金を渡す主人公

2023年5月31日
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鑑賞方法:映画館

今年(2023年)屈指の邦画だと思う。そこにあると感じられるリアリティが全編に渡って息づいていて、主題にとってそのリアルさは絶対に欠かせないものだった。そこに「この程度の描写でいいだろう」というような妥協がない。鈴木亮平がこれまでも素晴らしい芝居を披露してきたが、本作は今までのどの作品よりも素晴らしいパフォーマンスだった。驚くべき達成だ。
主人公は、対人関係の維持のためにお金を渡す。宮沢氷魚演じる龍太との関係を作る時も、龍太の母と関係を作る時も。人は金で買えるなどと思っているわけではないだろうが、お金を挟まないと人との関係を進めることができないとどこかで感じてるのかもしれない。そのアンビバレントな感情が僕にはとても共感できた。この映画は、性愛とお金をきれいごとで切り離していなかった。
性愛描写のリアルさもこれまで見てきた映画を超えていた。役者はだれもが素晴らしかった。感動した。

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杉本穂高

3.5確かにそれぞれがジコチュー

2025年6月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

遠慮してそうで
それぞれがしたいようにしてる
ということなのかな
NHKあさイチに宮沢氷魚くんが出演していてこの映画で賞をもらった話をきいて鑑賞
前半は性描写が多くいつまで続くのかとうんざりして後半はこの話の結末がどうなるのか、いつになったらお話が終わるのかと時計をチラ見
最後の阿川佐和子さんのひとことで、この母もエゴイスト
それにしても、鈴木亮平さんお見事でした

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きなこ

4.5誰もがエゴイスト

2025年6月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

エゴイスト=自分勝手

相手がいて自分勝手になれる
相手に対して自分勝手だと思われたことが
受け手側の自分勝手な見方では、エゴイストにならないのだろう

最後の場面
妙子 「帰らないで。」
浩輔 「はい。」

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mmnioh

4.0愛とエゴ

2025年5月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

斬新

みた直後よりも、時間が経って愛を感じる
ドキュメントのような俳優に近いカメラ、
背景や説明が少量なところにリアリティも感じて。

前半の宮沢氷魚の挑戦
後半の鈴木亮平の微妙な表情
阿川佐和子のほっこり感

誰にでもおすすめではないけれど、じんわりとする映画

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meromero

5.0終始、愛に溢れていた!

2025年5月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

前半の性描写は、かなり生々しかったが、鈴木亮平も宮沢氷魚も、渾身の演技だった。

浩輔の龍太や龍太の母親に対しての援助は、エゴだったのか?「愛する人をサポートしたい」という純粋な愛が溢れていて、涙なしには見れない!

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うさぎ

4.5恋ではなく愛の物語

2025年5月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

鈴木亮平と宮沢氷魚の演技と、恋愛のドキドキ感を楽しもうと思って気軽に見始めたのだが、ずっしり重い愛の話だった。性愛だけの愛ではない。

二人の演技も素晴らしい。龍太の無邪気さと真摯さに、浩平が惹かれていく過程がとても自然。

母を亡くし、1人でツッパって派手に着飾って生きてきた浩平に、守るべき存在ができて、心が満たされ、変わってゆく過程にこちらの心も暖かくなった。
お金を介すことでのつながりも、とても丁寧に描かれていて。それぞれが後ろめたさを抱えつつも、打算だけでなく助けあい支えあっていることが伝わる描写だった。

そしてそれを失う悲しみまでもとてもリアルでヒリヒリした。喪失の悲しみは、それが深ければ深いほど、彼の人をそれだけ深く愛していたということだ。愛のひとつのかたちに他ならない。
忘れたくない、しがみつきたい、そんなきっかけからも新たな愛が生まれて癒やされることもあるんだな。

2人のラブシーンも、どれもリアルで幸せそうで微笑ましかっただけに、別れが切なくて仕方ない。もう一回見返して、あのなんとも可愛いらしいラブシーンが切なくて号泣するんだろうな、、

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sannemusa

3.5目に見えるお金を与え、支えている生き甲斐を貰う

2025年4月22日
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movie mamma

4.0なかなか良かった

2025年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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お喋りな啄木鳥

3.0観る側だけに受け取ってもらう

2025年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ずっと接写で役者を映してるのが印象的でした。
タイトルを回収するための主人公に気付きを与えるシーンがあるかと思いきや、観る手側だけに受け取ってもらうんですね。秀逸でした。

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ジンクス

3.5静かで美しい作品

2025年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

ドリアン・ロロブリジーダが出てることで知った。
すべての役者さんがぴったりはまってる感じ。
阿川佐和子さんがとてもよかった。

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UNEmi

3.5そんなにいいかな?役者は良いがね。

2025年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

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yco

4.0難しいテーマをよく演じた出演俳優陣

2025年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

難しい

CSで録画視聴。
結構、同性愛も絡むテーマで難しい。母を大切にしている浩輔と龍太。
鈴木亮平と宮沢氷魚の演技もよく演じた。見事。
色々考えさせられるテーマだが、好みが分かれる作品になりそう。
阿川佐和子の演技も好感。
出演俳優の演技が見事でおまけ。

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ナベウーロンティー

4.0愛とはどういうことか

2025年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

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enmasama

2.0どちらを伝えたいのか?

2025年2月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

原作を読んでないから何ともですが、
題名のエゴイストを伝えたいなら同性愛でなくても良いのですが、あえて同性愛の性的描写を入れているのはこちらを伝えたかったのか?分からない作品でした。
後味もあまり良くありませんでした。

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ひろひろ

4.0同性愛の特徴

2025年2月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

色んなLGBTの映画を観てきたけど、今回初めて気が付いた事がある。
ここ最近の社会情勢がそうさせているのだと思う。
同性愛ものの第1前提に権力勾配が働いているということ。
貧富、年齢、立場といったものの前提に関係が進んでいく。そして心身ともに交じ合えた時には同等の関係を築けた様な感覚に陥る。
ところが、ある瞬間から予定調和から外れた瞬間からボロボロと崩壊してゆく。
そこまでをどう描き、映し出してゆくかが映画の良し悪しを決めているのではないだろうか…。
その中でもこの映画はとてもよく描けているように思う。

同性愛の最期は大体悲しい‥。
そして、この映画の題名通り、とってもエゴイストである。
相手の気持ちを考えられないのだろうか…。

この映画も当たり前に悲しい。

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ウィリー

4.0浩輔は、龍太を愛し、沢山のものを与えて 龍太は、浩輔から与えられた...

aさん
2025年2月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

浩輔は、龍太を愛し、沢山のものを与えて
龍太は、浩輔から与えられた愛を頑張って返そうと一生懸命働いて その結果、龍太は過労により亡くなってしまう

愛する人のためにした行いが、結果相手を失うことになる
龍太が頑張って母を養っていた事を知っていた浩輔は、龍太の代わりに、母のそばに居る決断をする

龍太の母を支えることで、自分のせいで龍太を失ってしまったことへの罪滅ぼしをしている

龍太の母を支える自分の行動は、エゴではないかと思いながら
何が愛かわからなくなった浩輔にかけた龍太の母の言葉
「あなたに分からなくてもいいの。私たちが受け取ったものが愛だと思っているから」
この言葉は、浩輔が1番かけてほしい言葉だったと思う

龍太をこんなにも愛したこと、龍太の母を支えた事、
全て自分のエゴかもしれないという考えから救い出されたと思う

人のためを思った行動、それが例えエゴだと言われても
受け取り手が愛だと思えば、愛になる

愛とは多少自分を犠牲にしても相手の幸せを願うことだと思う

印象的な場面
病室で眉毛を描く
病室で浩輔を息子という龍太の母
自販機で水を買う際に小銭を落とし涙する
龍太の葬儀で浩輔が泣き崩れる
冷凍していた惣菜を1人で食べる

皆さん同じですかね?

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a

3.0新たな関係を築いていく、後半が良かった!!

2025年2月17日
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鑑賞方法:VOD

難しい

幸せ

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𝖒𝖚𝖓𝖆𝖈𝖞

3.5愛を注がれる宮沢氷魚

2025年2月16日
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くまっち

4.5エゴイストとは何?誰の事?

2025年2月16日
iPhoneアプリから投稿

エゴイストとは何?誰の事?って感じました。
主演の鈴木亮平の演技が上手い。
カメレオン俳優と言われるのも納得。
かなりゲイの世界を研究された模様。

人に何かしてあげたいというのはエゴ?
自分の気持ちを形にするのはエゴ?
だったら恋愛する人は皆んなエゴイストじゃない?

原作は読んでなくて疑問に思ったのは、どうして公的援助、生活保護を受けなかったのかなあっていうところ。そうすれば病院の費用も出るのに。龍太の家族のプライド?
でもそれで過労で死んでしまったら何の為の公的援助?

もう一つはセックスがアナルセックスと描写されている事。男女のセックスと同じでゲイもアナルセックスが普通だと思われてますが、ゲイの友人達に聞いてもアナルセックスはそれはメジャーではないとの事。異性間と同じで男性も穴に挿入というステレオタイプの考えで描いているのは制作側がよく理解していないから?

浩輔が自分の愛情を表しているのがエゴならば、生活保護も受けず、自分の子供を高校中退、過労死に追い込み、息子の彼氏の援助も拒否するが、最終的に受け入れ、最後はボケて?自分の息子という龍太の母が一番エゴイストの様にも感じられる。

様々な愛の形を見せてくれる映画だった。

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