「魂の翻訳」カムイのうた Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
魂の翻訳
文字を持たないアイヌ民族が神々の神話や英雄の伝説を歌にして口頭伝承してきたユーカラを日本語約した女性、知里幸恵をモデルにした話。
成績優秀で女子職業学校に通い始めた北里テル(知里幸恵)と家族達を中心に、当時のアイヌと和人の関係やユーカラ翻訳についてみせていくストーリーで、鎌田教授のモデルは金田一京助ですね。
奴隷のように扱われたり、墓泥棒をされたり、壮絶なイジメがあったり、当時はそれが当たり前とされていたアイヌに対する問題をみせるけれど、蔑んでみている人は今でも一定数いるし、世界をみたって人種差別はあちこちでありますからね…。
根拠無く人を蔑み迫害して悦に浸る人達は、それこそ自分が無知で無能であることを曝け出す恥ずかしいことだと気付いて欲しいけれど、そんなことにも考えが及ばないからたちが悪い。これは映画と直接は関係ないですね(汗)
そんな状況下アイヌ語研究者の兼田教授が女学校を出た才女でユーカラを歌える叔母のイヌイェマツのもとにやって来て、テルに感心感嘆する様はみていて無性に涙が…。
実話ベースではあるけれど、ドラマとしても温かさあり哀しさありととても面白かったし、ユーカラやアイヌ文化、そして当時の差別に興味を抱かせるとても素晴らしい作品だった。
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