「ヤシガニラーメンと玉子焼き」Dr.コトー診療所 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ヤシガニラーメンと玉子焼き
今作が公開される前にTVシリーズ全話を視聴しました。ちょっとしたにわかファンとなってしまい、まるで往年の大ファンと同じように楽しみでしょうがなかった。懐かしの島民たちの元気な姿に感動しながらも、時の流れには逆らえず、コトー先生をはじめとしてみんな老けてしまったなぁ~と感慨無量。時任三郎の老け方が顕著で、全く変わらないのが堺雅人、大森南朋、泉谷しげるくらいか。
予告編を見たときから、コトー先生(吉岡)と看護師彩佳(柴咲)は結婚してもうすぐ子どもが生まれそうという状況はわかっていたので驚きもなかったのですが、星野正一(小林薫)の妻・昌代(朝加真由美)が後遺症はあるものの元気そうでホッとしました。驚きだったのは、診療所の事務長・和田(筧利夫)が看護師・中依ミナ(蒼井優)と結婚して5人の子どもたちがいたこと。蒼井優はテレビ電話でのみの登場だったけど、このシーンが一番泣けましたよ~(笑)また、原剛利とマリコの関係はあやふやなまま・・・
TVシリーズで何度も登場した夜食のヤシガニラーメン。映画でもこれだけ露出させてるのでネットでこのカップ麺を買おうと思ったら、実は架空の食品とのこと。こだわりがありますね!そして、コトー先生愛用のわら草履はあきおじが作ったものなのかな~と想像したり、のぶおじが書いた絵ハガキの詩から察すると、彼は石碑を作った本人かもしれないとか、小物への愛もたっぷり。そして昌代が作った玉子焼きは『ホリック』(柴咲コウ、神木隆之介出演)のそれより美味しそうでした。対抗したんかな・・・
映画やテレビドラマでは医療ドラマが大流行してますが、昔は『赤ひげ』(1965)とか『白い巨塔』(1966)くらいしか知らなかったです。漫画で言えばもちろん『ブラックジャック』ですよね。そんなブラックジャックの流れを汲んだのがTVドラマの『ドクターX~外科医・大門未知子~』なんでしょうけど、このコトー診療所にしてもブラックジャックの診療所に似ているし、なんと言っても無免許医師であること!もちろん、無いのは運転免許なんですが・・・とにかく自転車のみ(映画では電動アシスト付き)で車は運転いたしません!「ん」ナンバーの車も存在いたしません!
そして、意外なことにコトー診療所の出演者が『ドクターX』にも登場してました。泉谷しげるは全く違う役柄でしたが、醜聞を暴く記者・津田寛治なんてほぼ同じ役での出演でした。もう津田寛治は醜聞ライターとして食っていけそうですよね。
僻地医療の限界をテーマとして命の大切さを訴えてくる劇場版でしたが、やはりファンムービーの域は出なかったかな~とも思う。クスクスと笑える部分はやっぱりTVドラマを見てなきゃ無理だし、感動できる部分もまた同じ。しかし、ドローンによる空撮で島の全体像もよくわかったし、壮大な草原や畑、天候によって様変わりする大海原の映像は素敵でした。
コトー先生の病気、助産院の西野の病気、彩佳の出産が重なる中、離島の診療所の統廃合問題、さらに東京の大病院の御曹司で島に研修にやってきた医者・織田判斗(高橋海人)が絡む。そんな折、志木那島に台風が接近・・・クライマックスでは混乱する診療所で「私はまだですか?」と訊ねるる女性、「トリアージを!」と手遅れの患者選別を主張するハント先生、「全員助けます」と言うコトー先生。救急医療の問題提起も感じられる展開は上手い。
TVシリーズで最も印象に残った台詞がが重雄(泉谷しげる)の「お前がいなきゃ、俺の人生に九九はなかった」という言葉。星野正一との信頼関係も小学校時代から続いていたものなんですね。今作でもちょっとだけ友情を感じました。最後はドキドキさせられましたが、柴咲コウの笑顔によって安堵しました。
共感ありがとうございます。
コメントも嬉しいです。
kossyさんは、テレビドラマを全てご覧になってから、この映画に臨まれたのですか?
私は本当にもどかしかったです。
最初からのファンをここまで大事にした劇場版も潔いですね。
次は「ミステリーと言う勿れ」?
これも一回も観ておりません。
また泥縄の一夜漬け・・・全く申し訳ない限りです。
TVerもハマったのは一つもなくて、ネトフリです。
「エルピス」には参りました。
9時間ぶっ続けで観て、翌日残りを観て、死にそうでした。
「離婚しようよ」もかなりだいぶん面白かったです。
真面目なところと、ちゃらんぽらんが同居してて、すみません、本当に。
映画館は疲れるのと動体視力が悪くて映画館だと見落としが多いのです。
経済的にも体力的にも時間的にも、今のなるべく早く配信で観る・・・
このやり方で行くことになると思います。
kossyさんはNO 1レビュアーとして、どうかみなさんを引っ張って下さいませ。
暑さ厳しい折ではありますが、日も短くなってきましたね。
秋も近いですね。
ご自愛くださいませ。
(長文失礼しました)
共感ありがとうございます。
全員助けますという言葉は理想論ですが、コトー先生の信念を感じました。
理想を目指せば、理想に到達しなくても、限りなく理想に近づくことはできると思いました。
また、全員助けますは、決して諦めませんという意味だと思いました。
その人のとって命は一つだけ。だから、現状がどんなに厳しくても、
真摯に一つ一つの命に向き合っていく。という意味だと思いました。
吉岡秀隆がコトー先生を演じると、説得力があります。
優しさの中に強い思念を秘めたコトー先生役は、吉岡秀隆が最適役です。
では、また共感作で。
-以上-