「サーカスにはワクワクします」あつい胸さわぎ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
サーカスにはワクワクします
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主人公が焦りから関係を急ごうとするのかと思っていたが、違った。
全体的にじっくり関係性を描いており、しかし行間を読ませる脚本の塩梅もあり、しつこくない。
そんな都合よく通りかかるか、というフィクションのお約束はあれど、リアリズムもしっかりしています。
命の危険より恋愛に対する絶望が前に出るあたりも、年齢や経験を考えると、より切実だった。
常盤貴子は久しぶりに観たが、カラッとしつつも娘を想い、悩む姿を好演。
前田敦子は、近年でも一味違った役どころながら安定のバイプレーヤーぶり。
ター坊役の方も作品に素晴らしいアクセントと清涼感を与えてくれていました。
主演の吉田美月喜も「いそう」な雰囲気出しが絶妙。
闘病ものでもなく、安易に解決や結論を出したりもしない。
ただ主人公が、病気と、恋愛と、母と、そして自分に、前を向いて真っ直ぐ向き合えるようになるお話。
個人的にはとても好きな描き方でした。
人生に関わる問題は、結局は本人が結論を出すしかない。
ただ、出来るだけ情報を集め、助言し、何より沢山話すことが、真摯に向き合うってことなんだろうなぁ。
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