「【若き女性にとっての第二次性徴期の身体の発達の悩みを、母娘関係や初期乳癌問題を絡めて描いた作品。常盤貴子さんの魅力は勿論の事、前田敦子さんの屹立した存在感は偉大であると思った作品でもある。】」あつい胸さわぎ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【若き女性にとっての第二次性徴期の身体の発達の悩みを、母娘関係や初期乳癌問題を絡めて描いた作品。常盤貴子さんの魅力は勿論の事、前田敦子さんの屹立した存在感は偉大であると思った作品でもある。】
<感想>
・映画初出演という、千夏を演じた初見の吉田美月喜さんと、お母さんの昭子を演じた常盤貴子さんとの母娘関係が面白く。
- 部屋を片付けない娘と、ズカズカと娘の部屋に入って勝手に掃除をする母。
二人の会話も前半は何だか可笑しい。
だが、後半になって千夏の初期乳癌が見つかった時の母の方が落ち込む姿。
私は男なので、この辺りの微妙な気持ちの感覚が巧く掴めなかったが(掴めたら逆に怖い・・。)、女性にとって乳房というのは微妙な存在なのかな・・、などと思いながら鑑賞。-
・昭子の勤め先の同僚、トーコを演じた前田敦子さんの存在感が凄い。千夏が密かに恋するコーキと大人の関係になるが、アッサリ捨てちゃったり、かといって嫌な女性ではなく、飄々とした大人の女性を見事に演じている。
- 近年、多数の映画に出演されているが、女優としての存在感がドンドン増している気がする。-
・常盤貴子さんが、不器用な木村係長に、”そういうとこやで!”とイロイロと突っ込みつつ、木村の純朴な性格に惹かれて行くも、撃沈するシーンなどはクスリと笑える。
- ”常盤貴子さんを袖にするなんざあ、いい度胸してるじゃねえか!”等と脳内で突っ込みつつ、木村係長が前職で謂れなきセクハラで自ら退社した件を聞くと、”良い奴じゃないか!木村さん!”とコロリと変わる私の心。ー
(スイマセン。私、常盤貴子さんは”京都人の密かな愉しみ”以来のファンなのです・・。)
■昭子が千夏を背後から抱きしめ、胸を揉むシーンも母娘関係の繋がりを端的に表しているようで良かったな。
・個人的には、精薄君のター坊(佐藤緋美)の存在が今作に、インパクトを与えていたと思う。
ー 彼が、千夏に渡した”好きな女に・・”の絵はクスリと笑ったなあ。-
<今作は、母娘関係の娘が成長する過程での変遷に娘の乳癌問題や、明るい母のそれに対する悩みや仄かな恋の絡ませ方が良かったと思った作品である。
更に言えば、母の仕事仲間のトーコを演じた前田敦子さんの屹立した存在感は、もはやベテランとも言える領域に入ったかのように感じた作品でもある。>