劇場公開日 2023年3月31日

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「中盤まではかなり苦痛を伴う鑑賞に覚悟してください。」エスター ファースト・キル レントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0中盤まではかなり苦痛を伴う鑑賞に覚悟してください。

2023年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

前作はその落ちが観客の想像の圧倒的上をゆく作品で嬉しい驚きがあるとともに、その落ちを除外しても、セラ監督の巧みな演出に楽しませてもらえる一級のサスペンススリラーだった。
だから正直、続編である本作はかなりハードルを下げての鑑賞だった。一作目を超えるのは不可能だろうと。

B級映画でも楽しむようなテンションで見始めたが、冒頭の掴みの脱走シーン、主役のエスターの怖さを観客に印象づけるほどのインパクトは皆無であり、そこから中盤までの流れは違和感ありまくりで、正直途中退席したくなるほど苦痛だった。

精神病棟から脱走したエスターは行方不明者リストから自分に似た子供を選んでそれに成り済ます。4年間行方不明だった娘が見つかったと言いながら、しかしそれが本当に娘かどうか家族がいかに確証を得たのかということはなんら観客には示されない。
この頃はDNA鑑定などなかったのかもしれないが、例えば本当の娘なら身体のどこどこにほくろがあるはずとかというのもなく、顔が似ているというだけで何の疑いもなくエスターを受け入れる様に違和感を感じ続けて鑑賞することとなる。
中盤のどんでん返しでそれらの違和感は払拭されるが、ただそれまでが長すぎるし、父親に関してはやはり違和感は払拭されない。ここは娘の失踪で心を病んでいるという設定にすればよかったんではないだろうか。

前作ですでにエスターの正体はわかってるので、中盤のどんでん返しは今回続編を作るにあたり良いアイデアをひねり出したものだと感心したが、それが作品全体を引き上げたかというと正直微妙だ。
当然主役のエスターに対する恐怖感はまるでなく、また新たなサイコパスたちの描き方も中途半端で同じく恐怖感は感じられない。総じて中途半端な出来だった。

唯一、紫外線ライトを使ったアートでエスターを表現したのはうまかったが。

ちなみに本日サービスディでの鑑賞、土曜の夕方だったため満席で隣は普段映画など見ないような若い子だったから落ち着きがなく座席は揺れ放題。無料で4DXを楽しめた。

レント