ウクライナから平和を叫ぶ Peace to You All

劇場公開日:

ウクライナから平和を叫ぶ Peace to You All

解説

ウクライナ紛争の背景に迫るドキュメンタリー。

2013年、ウクライナで大衆デモにより親ロシア派のヤヌコービチ大統領が追放となり、親欧米派による政権が樹立。しかし、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州では、親ロシア派の分離主義勢力とウクライナ政府の武力衝突に発展し、分離主義勢力によって14年4月にドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立が宣言される。

15年4月、分離主義勢力が支配する東部のドネツクに向かったスロバキアの写真家ユライ・ムラベツ・Jr.は、人びとに取材を敢行。戦場に参加した人、しなかった人、スパイと間違えられて拘束された人や、「プーチンに助けてほしい」と訴える人など、さまざまな声を拾い集めた。やがて16年2月、入国禁止ジャーナリストとして登録されたことでドネツクへ入れなくなったムラベツは、ウクライナ支配下の村や紛争の最前線マリウポリでウクライナ側の人びとへの取材を開始。ドネツク側とウクライナ側、双方の証言を集め、当時の記憶をたどることで紛争の本質や、人が戦争を繰り返す理由を問いただしていく。

2016年製作/67分/G/スロバキア
原題または英題:Mir Vam
配給:NEGA
劇場公開日:2022年8月6日

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(C)All4films, s.r.o, Punkchart films, s.r.o., RTVS Rozhlas a televizia Slovenska

映画レビュー

4.0ウクライナのリアルが描かれているドキュメンタリー

2022年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「ドンバス」もそうでしたけど、ウクライナ東部は2014年から内戦状態にあった事実がこのドキュメンタリーでも描かれています。スロバキアのTV局のクルーが、2016年に旧ソ連各地を訪ねて番組を作ろうとしたのが発端。旧ソ連の人々に対して、ものすごく好感を抱き、ポジティブな番組がたくさん作れるねえって思って行った最初の国がウクライナのドンバスで、全然思ったのと違って現実はこんなにややこしいのかって頭抱えたたという話。ウクライナ版ヘルズエンジェルスみたいなバイカー集団とか、初めて見る映像多し。

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駒井尚文|映画.com編集長

5.0絶望的な状況下にも希望がうっすら透けて見える67分

2022年9月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

スロバキアのカメラマン、ユライ・ムラベツ・Jrがマイダン革命後のウクライナ紛争地域に暮らす人々に取材したもので、分離主義派の支配地域とウクライナ支配地域双方に足を運び何年にも渡って拾った声には戦争を望む言葉は一つもない。のどかだったはずの農村の玄関先には銃弾が飛び交い、家族や友人を失ってもなお平和を望んでいる。昨日まで鉱夫だった人も鉱山が閉鎖され家族を養うために従軍する。戦火に焼かれボロボロの村に暮らす人々になぜ戦争が繰り返されるのと思うかと問うと即座に返ってくる答えは余りにもシンプル。だからこそ希望もうっすらと透けて見える67分でした。

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よね

3.0特異な地域からの、普遍の願い!

2022年8月10日
iPhoneアプリから投稿

国家、民族、宗教、思想、信条、等々。様々な理由で正当化しようとも、戦いをする権力はどこまでも貪欲である。そしてそれに便乗する輩、権力の末端として暴れる暴力装置。

そんな現実に晒された人々のリアル。その一部を切り取った姿は、一つ一つは些細だが、その姿は普遍の意味を示す。

「立場は異なれど、誰もが願うは平和な日常。」
それを脅かすことはどんな理由で言い訳をしようとも、「悪」である!

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xa

2.5ウクライナ侵攻の火種はすでに燻っていた

2022年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

難しい

紛争が長らく続くウクライナで2015年4月から取材を敢行したスロバキアの写真家ユライ・ムラヴェツ・Jr.が、新ロシア派分離主義勢力が支配する東部のドネツク側と新欧米派のウクライナ側、双方の証言をまとめた。
鑑賞後に知ったのは、新ロシア派の住民達はロシア側によって思想を統制されているという現状。本作の「プーチンの助けが欲しい」「キーウはネオナチだらけ」という市民の声も、「諸悪の根源はウクライナ側」という情報の受け売りによるものと推測できるあたりに、共産主義の名残を感じる。故に、ウクライナ側で暮らす市民の声がシニカルだったり、ウクライナ軍大佐が「誰も過去の歴史を学ばなかったから戦争が起きた」と達観しているのも妙に納得。
おそらくウクライナ紛争についての知識・関心がある日本人は少ないと思う。かく言う自分もその一人だったが、今年勃発したロシアのウクライナ侵攻が突発的に起こったものでなかった事が、本作を観て改めて認識。戦争の火種は2010年代から燻っていたのだ。

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regency

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