金の国 水の国のレビュー・感想・評価
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村でうわさのウワバミの嫁
岩本ナオの同名マンガのアニメ化。
【ストーリー】
壁を隔てて隣接する、砂漠の金の国と緑豊かな水の国。
両国は犬のフンが原因で戦争に発展し、長く不仲の関係だった。
時は流れて、金の国の下位継承権の姫サーラと、水の国の図書館長の息子ナランバヤル。
政治的軋轢により、結婚相手として犬と猫をそれぞれ送られてしまう。
この挑発が表沙汰になればそれぞれの国はまたも騒乱に陥ると、二人はこんな事情をひとまず秘匿してしまう。
だがサーラがルクマンと名付けたその犬が、外出の際に逃げだした。
ルクマンを探すさなか、サーラとナランバヤルは偶然に出会ってしまう。
姉たちから無理な要求を突きつけられて状況に窮していたサーラは、無茶ぶりと知りつつ、ナランバヤルに水の国からの夫を演じることを願いでる。
『町でうわさの天狗の子』の岩本ナオの、設定のわりに平和でかわいいペルシャ絵巻風、ボーイ・ミーツ・ガール。
細かい設定甘々ですけど、二人ののピュアさにまあいいやと絆されてしまいます。
大作ではありませんから不備な点も多々ありますが、少女マンガの映像化として押さえるツボはきちんと押さえてある良作です。
物語は『ロミオとジュリエット』構図ですが、岩本ナオ節で優しい味つけになってます。
甘くておいしい。
スタッフロールにもサービスシーンが多くて、このあたりはコメディ作品ならではですね。
少女マンガファンの方にはぜひぜひ見てもらいたい、受け手のバリエーションを広げてくれる作品です。
観ている私が中だるみ
最初のうちは面白かったけど、ちょっと話がたんたんとしすぎていて、観ている私が途中で中だるみしてしまった。そうなると主人公の二人が美的でないので、なにに夢中になってみればいいのかわからなくなった。
スケールが大きい
謂わゆるすれ違いモノだけど、
スケールが大きく二つの歪み合ってる国を
一つにまとめるところまで持って行き、
恋愛だけに留まらず色んなキャラクターを巻き込んで
大騒動にまで発展させて見応えがありました。
キャラクターも皆愛嬌と優しさがあって
安心感がありました。
ラストもまとまってて良い作品だなと思えました。
私もバンパイアのすれ違いモノを描いておりますが、
銭湯だけで起こるドタバタコメディでスケールの違いに
震えました。
優しい世界の中で
金が溢れる国と水の溢れる国。
お互いのいい部分があるのに仲良く出来ない事で全てを失ってしまうかもしれない。
互いの国に姫と婿がその国の為に出来る事を最大限に尽力している。
お互いを思い連ねる物語がとても良かった。
婿の大丈夫って言葉が浅薄な事かもしれないけど、とても勇気づけられるセリフでした
まぁ、良かったかな
絶賛とか、凄い心に響いたとかでは無いけど普通に楽しめる。
声優、またメインに非声優を起用。賀来賢人は違和感無いけど、浜辺美波はファンだったら直ぐに顔が浮かぶんだろうけど、ファンでは無いので声を聞いて顔が浮かんで鑑賞の邪魔になると言う事は無い。ただ、演技そのものは下手と言う程では無いんだけど、いわゆるプロ声優の演技では無いので、そういう意味では浮いている。
ストーリーに関しては、国力が明らかに違うし、水が枯渇しているのだから、国境の壁をイッキに崩して攻め込むのが普通かなぁと言うのはどうしても引っかかる。まぁ、童話的な話と思えば良いのかなぁ。
平和への導き
商業国家の“金の国”ことアルハミト国と、自然に恵まれた“水の国”ことバイカリ国という敵対する2つの国、架空の隣国の争いと和睦をコミカルに描いたファンタジー・アニメ。
冒頭の両国の諍いの理由が犬のうんちとか猫のおしっことかのナレーション、子供向けなのだろうが、あまりの突飛な理由づけに苦笑、しかし考えてみると諍いの理由の殆どは取るに足らないことだったりするのも事実だから皮肉も込められているのだろう。
アルハミト国の国王ラスタバン3世の好戦的な理由は背後にいる祈祷師のピリパッパなのだがなんとなくロシアの怪僧ラスプーチンを思わせるところが妙にリアルでした。
主人公は敵対する国の姫サーラと土木技師の青年ナランバヤル、設定はまるでロメオとジュリエットにも思えるが美男美女でもなく、いたって純朴、悲恋にならなくて良かった。
ロシアとウクライナの長引く戦争で心が痛むこの頃、本作のように一日も早く平和が訪れるようにと願ってしまいました。
ヒロイン役の滑舌が残念
ヒロイン役の浜辺美波さんの声当てが残念すぎて、それを書きたいがあまりにこのアカウントを作ってしまったほどです。
彼女の演技のせいで個人的にはこの映画の魅力が安く見積もっても3割減したと思っています。
きっと実写本業の俳優女優を起用したのには広報面だったりと事情があるのでしょうし、そこは強く否定をしません。ですが一方で、同じく本業俳優さんの賀来賢人さんの演技は観ていてひっかかりや違和感なく楽しめる、十分役者としての技量を満たしたものだった分、なぜこんなにも浜辺美波さんの演技が半端なままOKを出してしまったのか疑問が残ります。実写女優を起用するにしても、もっと顔だけではなく実力のある方を選んで欲しかったという思いがあります。
そして、せめて滑舌ミスなく言い切れるまで撮り直すこともできなかったのでしょうか?それともあのヒロインはあんな滑舌の悪いキャラなんですか?
ハッキリ言えば今作で浜辺美波さんには悪印象がつきました。2度と声優なんてやってほしくないです。観ていて何度も浜辺美波さんの演技の下手さが鼻につく作品でした。
観たかったのと違った
原作は何度読んでも面白いのですが、映画は余計な描写がとにかく多くて、退屈になってしまった。
原作のテンポの良さを『説明』で消してしまった感じ。
もっとブラッシュアップして、原作にないこぼれ話的な部分を入れれば良かったのにと思いました。
美人って言うのはな...
こういう者達のことを言うんだ!!(感涙)
将来の子どもの教育用に是非ブルーレイ購入を!!
起承転結の転が弱めだが、幼年者視聴用と考えればむしろ良い。
p.s.子供? あ、嫁もまだです...
子供に安心して観せられる作品
原作知ってたのでストーリーに関しては岩本先生流石です。
特殊で面白いファンタジー舞台をナチュラルに描いてくださいます。アニメでも同様でした。
近年のアニメは不安を煽るようなシーンも多いですしアニメ=子供が見るものと言う概念もなくなりましたが、この作品はどの世代の方でも安心して楽しめる作品です。
声優さんも戸田恵子さん、沢城みゆきさん素敵でした。
ぽっちゃり系ヒロイン誕生
原作未読。とても良かった。
絵柄からもっと甘い物語を予想してたが、政治色が強く血生臭い展開もあり何気にヘビーな話だった。
原作の「このマンガがすごい!」1位は伊達じゃなかった。
クライマックスのシチュエーションがまさに「逃げたら一つ、進めば二つ」で胸が熱くなった。
良いおとぎ話
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裕福だが水源がないアルハミト国と、水と緑は豊かだが貧乏なバイカリ国。
隣国同士だが長年争いが絶えず、壁を築いて国交断絶してた。
そんな時、古の昔に約束していたことが実行された。
バイカリで最も賢い男、アルハミトで最も美しい女を互いに贈り合う。
ところが両国とも犬や猫を送った。
「賢い男」は、アルハミトの93番目の王女・サーラの婿となったが、
それが犬だと国王が知ったら戦争になりそうなので、黙っておいた。
サーラは太ってて冴えなかったが、心根がやさしかった。
「美しい女」は、バイカリの建築士・ナランバヤルの嫁となった。
そんなある日、偶然がきっかけでサーラが国境を越えてしまった。
そこでナランバヤルと出会い、親しくなる。
そんな折にサーラは姉から、結婚相手を見せろと言われる。
でナランバヤルにその役をしてもらい、それで親しくなる。
こうしてナランバヤルはサーラの屋敷でしばらく世話になることに。
ナランバヤルは平和主義者で、両国の国境を開くよう尽力する。
そのためにバイカリ国から水を送る水路を作るよう計画する。
アルハミト国の王女・左大臣らは平和主義で、力を貸してくれた。
王・右大臣は戦争でバイカリ国から水を奪い取ろうとしてた。
そして王女・左大臣とナランバヤルが手を組んだことを右大臣が知る。
こうしてナランバヤルとサーラは命を狙われる存在となる。
でも平和主義側の多くの仲間達の協力で生きながらえることができ、
ついにサーラとナランバヤルは王を直接説得、成功!国交回復。
サーラとナランバヤルは結婚、めでたしめでたし。
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なかなか練られたシナリオやったな。
全編を通じて色んな所で泣いてもた。変なところで泣く癖あるわ。
まあナランバヤルがホンマに賢かったのが、この物語の全てよな。
物事を多角的に見たうえで、解決策を考えられる男だった。
あれがそのへんにいるふつーの男なら、何も起きてないw
片方の国は超裕福で水がない、もう片方の国は資源が豊富・・・。
これなら国交を開くのが最善の解決策ってことくらい明らかやけどな。
それをナランバヤルがしただけ。参謀や政治家は一体何やってたの?w
ファンタジーとはいえ
私はレビューを書く際に、どの作品も1行レビューを書くのですが、それすら書けない不思議な作品です。
基本設定が奇をてらい過ぎていて、しかもそれが複数積み重ねているので、戸惑いしか感じません。
そして物語自体も面白くない。
キャラの設定が中途半端なのが大きな要因なのだと思います。ラスボスの設定もそうなのですが、主人公・・・特にナランバヤルの設定が中途半端なのも勿体ない。例え『建前』であったとしても「一番賢い」として選ばれた若者。序盤では、それを補完する描写も入れられています。冷静さと洞察力を兼ね備えた有能な青年。ですから、どうしても彼の知力に期待が膨らんでしまうのですが、結局序盤のエピソード以上のものを見ることはありませんでした。
そしてクライマックスも中途半端。いつの間にかクライマックスが始まって、いつの間にか終わっていた印象。上述の通り、ラスボスが力不足なのが大きいのですが、、物語の芯(水路建設)に係る描写が不十分だったので、クライマックスへの盛り上がりを感じ難かったのも大きな要因のように思えました。
声優の力量のなさも目に付き、良いところを探すのに苦労していまう・・・そんな作品でした。
私的評価は極めて厳しめです。
敵対する国同士の二人が出会い、国交となる水路を築くまでのお話。 二...
敵対する国同士の二人が出会い、国交となる水路を築くまでのお話。
二人の純粋な恋心がとっても微笑ましく、可愛らしい。心温まる映画です。
賀来賢人と浜辺美波も合っていて良かったです。
美しい心、美しい国の将来
昨今の日本のアニメ、殊に恋愛要素絡む作品はイケメンや美少女が絶対条件。
イケメンに恋をし、美少女に一目惚れをし、夢物語を見る。
だから本作のキャラデザインは驚いた。
好青年ではあるが超絶イケメンではない。
何よりヒロイン。異例のぽっちゃり体型。
しかし、これが良かった。
見た目より心。本当に心が温かく優しくなる作品であった。
原作コミックでは“A国”と“B国”とされているらしいが、この映画化では“アルハミド”と“バイカリ”。
隣接する国同士だが、非常に仲悪く、争いが絶えない。それも雑草がはみ出てるとかゴミが入ったとか、犬のフンや猫のおしっこが…とか下らない些細な理由で。ここら辺、世の戦争を風刺。
両国、長所と短所がある。
アルハミドは商業国家で栄えている。が、人口過多で天然資源が枯渇している。特に水不足が深刻。“金の国”。
バイカリは豊かな水や自然に恵まれている。が、争いでルートが絶たれ、貧しい。“水の国”。
先代王時代に一旦停戦。ある約束が交わされる。
アルハミドはバイカリへ、国一番の美女を嫁がせる。
バイカリはアルハミドへ、国一番の賢者を婿入りさせる。
だがそれぞれに送られたのは、因縁の犬と猫。
再び火花バチバチ。きっかけさえあればまた争いに…。
そんな時、国境の近くで…。
送られた犬猫をたまたま引き取ったのは…
アルハミドの王女、サーラ。
バイカリの建築士、ナランバヤル。
サーラが引き取った犬がバイカリへ。森の中の穴に落ち、救出に困っていた時…
引き取った猫を連れて散歩していたナランバヤルが通り掛かり、救出。
恋愛ものあるあるの“運命の出会い”。
定番なら胸キュンポイントなのだが、先住の通りのキャラデザイン。
超絶イケメンではない青年とぽっちゃり体型のヒロイン。
サーラは王女ではあるが、アルハミドには王女がたくさん居て、第93王女。容姿端麗な姉たちがおり、自身の姿にコンプレックスを抱いている。非常におっとりとした性格。
ナランバヤルはお調子者で口が達者。でも、気持ちがいいくらい気前のいい性格。
お互い初めて会った時、容姿に関して気になる所は一つもナシ。寧ろ、中身。
第一印象だけで分かる。サーラの汚れ一つない純真無垢さ。一見いい加減そうに見えて芯がしっかりしているナランバヤル。
異色のキャラデザインと思ったのもほんの最初だけ。見ていく内にどんどんどんどん、サーラが堪らなく愛おしく、ナランバヤルがカッコよく見えてくる。
“婿”を迎えたサーラ。今度姉たちに紹介しなければならない。でも、“犬”だし…。
そこでお願い。お婿さんのフリをして頂けませんか…?
突拍子もないお願いに驚くナランバヤルだが、このままバイカリに居ても仕事や生活に恵まれてる訳じゃないし…。人助けのつもりで引き受ける。サーラの住む家でばあやの作る豪勢な料理に仰天。サーラが“お姫様”である事も知ってさらに仰天。
偽りの関係が次第に…。分かっていても胸キュンツボポイント。
姉たちへの紹介。
ちょっと毒気ある姉たちだが、悪いお姉様方ではない。寧ろ妹や国の将来を案じている。
イケメン役者を愛人にしている長女。一夫多妻のバイカリでは理想の結婚相手とは?…とナランバヤルに問う。
この時のナランバヤルの返答が“イケメン”。
「結婚して他人と家族になる事は夢物語ではありません。その時の美しさや一瞬の楽しさよりも、自分の親兄弟と同じかそれ以上に自分を大切にしてくれる人」
姉たちへの紹介前、サーラはナランバヤルを気遣う。バイカリ人だから偏見で見られるかもしれないと。それに対しナランバヤルは、「あっしは大丈夫です。お嬢さんは大丈夫ですか? バイカリ人を婿にしたと見られますぜ」。
あるシーンでのサーラの台詞。「困った時は困難な方の道を選んで進んで行って下さい」。
胸に響く台詞、ハッと気付かされる言葉も多し。
ナランバヤルは長女の愛人=ムーンライト(実はいい奴だけど、この名前…)とある夢を実現させようとする。即ち、
アルハミドとバイカリの国交。
それぞれ欲しいものは隣の国が持っている。
アルハミドは水。バイカリは物資。
バイカリからアルハミドへ水路を開けば…。
アルハミドには水が流れ、バイカリにもルートが…。
解決策は単純なのだ。世の戦争も案外そうなのかもしれない。
が、複雑にしているのは…。積もり積もった因縁、ほんの一部…国のトップの傲慢さ。
これが全ての戦争の原因だ。
妨害しようとする者も現れるも、協力者のお陰で夢実現の可能性。
それが本当に実現化するには何十年も掛かるだろうが、確かな第一歩。
ナランバヤルは夢に向かって奮闘している。
一方、私は…。
ある時サーラは、いなくなった猫を探しにバイカリへ。とある民家にいた。そこは、ナランバヤルの実家。ナランバヤルの父と会う。
この時バイカリの族長が間もなく訪ね、アルハミドから嫁いできたナランバヤルの嫁を一目見たいという。
どれほどの美女か。美しいものを好む族長。
息子の嫁のフリをして欲しいと頼まれるサーラ。実は“猫”なのだが、ナランバヤルには奥さんがいると勘違い…。
アルハミド一の美女…? 族長はなかなか嫌み。
自分の容姿がどう言われようといい。元々コンプレックス持ってるし。
だけど、自分のせいでナランバヤルが嘲笑われるのだけは嫌。
普段おっとりのサーラに火が点いた。
族長と酒の飲み比べ。
酒好きの族長。一方のサーラ=アルハミド人は水不足故日頃から酒が水代わり。
結果は…。そのシーンがカットされるほど圧勝であった。次のシーンでは何事も無かったようにケロッとしてるし。
おっとりした性格で、ピュアで、美しい言葉使い。浜辺美波の声に癒される。
賀来賢人も好感なほど巧い。
本職声優は言わずもがな。中でも沢城ボイスのあのキャラがナイス。
原作者が西洋文化を専攻していたらしく、モデルにされているであろう国の背景、風俗などリアリティーがある。
“金の国”と“水の国”とされるだけあって、町並みや風景など画も美しい。
音楽も美しい。
でも何より美しいのは、温かな心。
終盤サーラとナランバヤルの前に立ち塞がるは、サーラの父でアルハミドの王。
ヤワな先代王のようになりたくない。バイカリを圧する強き王でいたい。
が、先代王はバイカリと停戦した事もあって一部からは“寛容王”と親しまれている。
それに倣って…いや、それ以上の寛容な王となるか。
それとも変わらずこの不毛な争いを続ける愚行王として後世に名を残すか。
答えは決まってるじゃないか。
こんなにも美しい国で、美しい心を持つ娘がいるのだから。
ナランバヤルの訴えは戦争終結の願い、対立やいがみ合いも無くし、和解と平和へのメッセージ。
それは当人同士も気付かせる。
心。その美しい心を知れば…。
容姿や立場など関係なく、お互い惹かれ合う。思いやる。愛する心が芽生える…。
エキサイティングな面白さだったら『マリオ』や『スパイダーマン』。
ストレートな良さだったら『サンドランド』。
ほっこり度なら今年一番のハートフル・アニメーション。
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