「信長と濃姫の《愛のメモリー》」レジェンド&バタフライ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
信長と濃姫の《愛のメモリー》
私はとても好きな映画でした。
こうだと良いなあ・・・そう思う展開をどんどんしてくれます。
織田信長が1549年美濃国から嫁いで来た濃姫との婚姻にはじまり、
本能寺の変」で亡くなるまでが描かれます。
1549年(信長15歳)濃姫は政略結婚で
わずか14歳で美濃国から嫁いで来ます。
先ず、最初の見所は初夜のシーンですよね。
「肩を揉め、足を揉め!!」と信長に命令されてブチ切れた濃姫は、
信長を組み敷き、今にも殺さんとする勢い。
威勢のいい濃姫を綾瀬はるかが伸び伸びと演じています。
格好良いし美しいし可愛らしく申し分ない魅力。
もうこの映画は、《バタフライ濃姫の綾瀬はるかの映画》
かと思いましたよ。
1500年代って正しい資料なんか殆どなくて、濃姫の生涯は謎に
包まれています。
脚本の古沢良太さんも好き放題って言うと失礼ですけれど、
自由奔放に脚色されてますね。
《信長と濃姫が実は深く愛し合っていた!!》
えーっ、本当に?!
2人が実際に結ばれるシーン。
2人で京の都へお忍びで見物に出かけます。
そこで物乞いの集落へ迷い込んだ2人。
訳あって激怒した濃姫は物乞いを殺してしまう。
濃姫を助けて信長も本気で大立ち回り。
血塗れの2人が廃屋へ。
必死で救ってくれた信長に、愛を感じて、自らも信長へのはじめて感情に
揺さぶられた濃姫は信長に襲いかかるように激しく
唇を奪いに行く。
血塗れのラブシーン。
殺戮の後は燃える・・・みたいな・・野生的で激しい
見せ場でした。
この辺りから、織田信長は残虐な指導者・暴君に変化して行く。
「女も子供も、民衆も皆殺し・・焼き払え!!」
“泣かぬなら殺してしまえホトトギス“
を地で行く狂気の人に。
役者の適所適材が良かった。
先ず一番は綾瀬はるか!
木村拓哉は彼あっての企画だし、
明智光秀の宮沢氷魚は時代劇も行けますね。
絵になると言うか画面映えがすごい。
驚いたのは徳川家康が斎藤工だったこと!!
長身を隠し猫背にかがめ、装束はまるで町民のよう。
化けてましたね!!
誰だかわからなかったもの。
やはり実力派の名優。
ラストなんてファンタジー仕掛けで、信長の「夢」を
映像にしていく。
私も「こうだっら良いよなあ、」と思うし、結局、織田信長の死体って
本能寺でも全く発見されていないらしいです。
異国に行ってたって可笑しくない、あり得るのかも。
まぁそれは「信長の夢」ってことなんですが、
ロマンティックで映像的には美しい。
古色蒼然とした16世紀に生きる武士や民衆の
息づかいが、まるで聞こえるようでした。
いつも、共感をありがとうございます。
コメディ色を全面に出していたからこそ、
赤子ひとりがなんじゃ!
のくだりは、寒気を覚えるほどの場面でした。
戦国もののNewタイプだなと思いました。
共感ありがとうございます。
斎藤工の特殊メイク凄かったですね。
全く別人でしたね。
キムタクも頑張っていたとは思います。
キムタクファンはキムタクらしさを期待する。
本作でいえば、時代劇ファンは織田信長らしいキムタクの役作りを期待する。結果、キムタクファンの期待を尊重するという状況が続いています。
キムタクは演技力はあると思うので、しっかり役作りをすれば凄い信長を観られた思うと残念です。超人気俳優のジレンマですね。
では、また共感作で。
ー以上ー