世界は僕らに気づかないのレビュー・感想・評価
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変わる日本の姿
芸能事務所レプロエンタテインメントが主体となって、こういう社会派的的とも言える映画を製作していることに驚いた。群馬県を舞台にフィリピン人の母親とそのゲイの息子の葛藤を描く本作は、日本の今を活写している点で非常に貴重な作品だ。舞台となる群馬県太田市が外国人労働者が多いことで知られる。工場労働者の多くが外国人で、この映画の主人公の母親のようにスナックで働くフィリピン人女性も多数いる町らしい。主人公は日本で生まれ育ち、父親は日本人らしいが会ったことがない。フィリピン人のカルチャーと日本人のカルチャーの狭間で自分は何者かと悩む主人公のリアルな実像を見事に捉えている。
ジェンダーとカルチャー、経済など様々なマイノリティの問題が交錯する本作だが、すでに日本でも多くの人がそういう現実を生きている。本作はそれらを特別視することなく、当然のようにそこにあるものとして見せることに徹している。この作品は、日本社会の一側面を確かに捉えている作品だ。役所広司主演の『ファミリア』と合わせて観るといいかもしれない。
どうせ幸せになれない
2023年劇場鑑賞8本目 優秀作 70点
凄く良い作品には変わりないですが、いまいち乗りきれなかった作品
物語として何が言いたいのかはよくわかるけど、恐らく脚色?が少し違和感あったかも
終始親子のにらみ合いとすれ違いを、父についてや母の職場での素行について、新たな恋人との再婚、彼の同姓の恋人についてなどを交えて描いていきますが、ヒューマンドラマでそれもリアル系なのに何処かズドンと来ないというか、迫真のぶつかり合いや悲壮感も魅せているを表現してる感というか、逆に演技演技してる風に感じました
まあでも彼と母の心境はよく理解できるなあ、多分こういう感想は実際のおふたりがたに対して失礼というか冒涜かもしれませんが、それでも僕の母は一人しかいないし母は母なんだけどと思う彼と、自分が息子からどう写っているかある程度想像できながらもそういった側面も含めても私を認めて愛し合いたいと思う母の構図なんだなと思います
配信来たらまた見返して理解を深めたいです
是非
それでもこの国で生きてゆく母と子。
日本で生まれ育ったフィリピン国籍の純悟。フィリピンパブで働く母親のレイナ。恋人は同級生の優助。父親のことは何も知らない。純悟が多くの問題を抱えながらこの国で生きてゆくということ。
重いテーマですが笑えるシーンもあってとてもテンポが良かった。森下さんは無職だよはめっちゃパワーワード。ちょっと無神経でパワフルなレイナと思ったことを口にしない純悟のギャップ。お互いの気持ちがぶつかった時に初めて漏れる本音。レイナの苦労を純悟だって分かっていない訳ではない。
そしてラストシーン。ほっこりしそうになったけど突然始まったエピローグに胸を締めつけられた。純悟の心の孤独を少し理解できたような気がした。
メッセージ性が高く、素晴らしい。今後の世界を変える映画。ガオさん美しい!堀家くんの目が力つよい!
LGBT、差別の問題について触れながらも監督自身トランスジェンダーと言うだけあり、35歳の若さで老成した作品で驚かされました。パートナー制度あるべきだし、できるなら育てたくても産めない家庭(カップル)に子供が育てられた方が良いだろうし、今の社会システムが本当に私達のいく世界と合っているのかさえ疑問視したくなる作品です。多くの人に見て欲しいので満点です!!!
日本人こそ観て知るべき
彼が抱えている生き辛さを少し体験させてもらます。
自分とはまた違った生き辛さがあるなと、、。
ほんとタイトル通り気づかない世界。でも笑えるシーンもあってバランスよい!
エンドロールでガウさんの歌が終わった後、小学生の時の授業参観のシーンが流れます。絶対に途中で離席してはいけません!
最後の最後に彼の生きてる世界はどう見え、成長した彼は母親に対して何を思うのか観てる側に問いかけられます。
当事者でしか分からない感情を伝えられるって、映画ってやっぱすごいなと思いました。
主演の堀家くんの目の鋭さと笑顔の演技が良すぎてビックリしました。他の方も素晴らしかったです!
他の方のレビューで何でお母さんの写真撮ってるのってありましたが、個人的には口で喧嘩し合っていても母親の事を大事に思っているという気持ちの表現なのかなと感じました。大好きな彼のことも写真に撮っていたし。
子供の頃誰かに甘えられず、感情を抑えて生きてきた彼にとって、写真を撮ることは1つの愛情表現だったのかな。
親子愛が刺さった
2つのマイノリティを抱えて生きる主人公の、イライラややりきれなさ、怒り、苦しみ、いろんな感情が溢れていた。特に親子で言い合うシーンは毎回毎回泣けて仕方なかった。おしゃれをして、時々知らない言葉の歌をうたう母親。母親の明るさ、強さと弱さ。それと、それらにカメラを向ける主人公の描写が好きだった。何故撮っているのか、説明はなかったけれど、それでいいんだと思う。
2つのマイノリティ、つまり出自についてと、セクシャリティについて。2つのままならなさと思春期に同時に襲われる主人公は、ある時は必要以上に大人びて見えて、ある時は小学生のようにも見えて、俳優さんって凄いなと感じた。母親の少しカタコトな喋りも、演技で作ってるのかな?だとしたらすごくすごい。
出自についての落とし所が、過去の出来事についての本音を母親に吐露して、たった一言、フィリピンの言葉を喋る、というのが良かった。この辺り、鮭のとこらへんからは本当に、マスクがべしゃべしゃになる程泣いた。
ただ、これは好みの問題だと思うけど、セクシャリティについてのオチが…。幸せになれて良かったと思う反面、出自には無かったご都合主義的なものを感じてしまった。和解のシーンくらいで終わってれば丁度良かったかな〜。本当に、好みの問題だと思いますが。アセクシャルの同級生の話もよくわからなかった、いや、言ってることはわかるんだけど、このくだりいるかなって。
親子愛と性愛を対比させたら、まあこの話運びが順当なのかな?あとちょっと画面酔いしそうになった。
親子の描写が凄く良かったな。良すぎて、胸に迫り過ぎて、もう一度観たいと思えないほどに。良かった。
彼らの叫びを聞け!
「だからブラジル人は嫌いなんだよ!」
「ブラジル人じゃないよ、うちらフィリピン人だよ」
というセリフがあった。
国籍すら関係なく、「外人」と偏見を持たれる在日外国人の彼ら。
やり場のない怒りの中で、フィリピン人の母親の明るさだけが救いだった。
親子の日々の喧嘩のやり取りは、まるでドキュメンタリーのようにリアルだ。
中年の日本人俳優たちも、実にいい味を出していた。
爽快感が残るおすすめの映画。
学校の先生には特に見てもらいたい。
彼らの気持ちを、少しでも分かってもらいたいと願うから。
詳しいことはわからないけど、 脚本が良かった気がする 多様性を扱う...
詳しいことはわからないけど、
脚本が良かった気がする
多様性を扱う作品はうざくなりがちだけど
これはうまくまとまっていた
堀家さんと飯塚さんにとっては
代表作になりそうな気がする
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