劇場公開日 2022年12月9日

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「松本まりかの熱演でR15になっちゃった」夜、鳥たちが啼く 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0松本まりかの熱演でR15になっちゃった

2023年6月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

幸せ

監督は『アルプススタンドのはしの方』『愛なのに』『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』の城定秀夫
脚本は『まともじゃないのは君も一緒』『ボクたちはみんな大人になれなかった』『さがす』『死刑にいたる病』『グッバイ・クルエル・ワールド』の高田亮

かつて華々しく新人賞を獲得したがその後は鳴かず飛ばずの売れない小説家岡田慎一
自身の嫉妬深い性格が原因で支えてくれた恋人と別れるハメになり生活のためコピー機メンテナンスの作業員として働き始めた
そんな折に以前クラブハウスでバイトをしていた時の上司と離婚した裕子が息子アキラを連れて慎一を頼ってやって来た
離婚原因は元夫邦博が慎一の元恋人文子と浮気をしていたから
慎一が住んでいた自宅一軒家には裕子親子が住み慎一は隣の仕事場であるプレハブ小屋で寝泊まりし風呂と冷蔵庫は共同という変則的な生活が始まった
結婚してもないのに家庭内別居

裕子の息子アキラは7歳だが大人の慎一を「慎一くん」と呼ぶ
離婚した裕子は心の隙間を埋めるためか毎晩のように男と飲み歩き夜遅く帰ってくる
裕子アキラには穏やかだが今でもピリピリしてる慎一
文子と暮らしていた頃はもっと荒れていた

主人公が野球観戦するうえで独立リーグっていうのがちょうどいい
高校や大学や社会人とは全く違う
一応プロでもNPBとはまるで違う
もちろん草野球などという純粋に趣味でやっているわけじゃない
この独特の雰囲気がマッチしてる
映画やテレビドラマで扱うのに予算的にも気軽に描ける利点がある
せっかくのナイトゲームなのに全くのガラガラでまばらな応援でも全く違和感がない

沢山の子供たちと無精髭のあんちゃんがやっている「だるまさんがころんだ」はなぜか痛々しく見てられない
だけど慎一裕子アキラの戯けた「だるまさんがころんだ」は好き

なぜかR15
全国の平凡な男性諸君には残念なお知らせ
松本まりかも中村ゆりかも藤田朋子もヌードを披露することはない
山田と松本の激しい濡れ場はあるがこの程度でR15っておかしくない?
まさかスーパーでの暴力シーン?いやいやそれはないわ
それとも映倫の人たちって監督が城定ってだけでろくに観もしないで適当にR15にしちゃったのかな
松本まりかと松本まりなって名前だけはよく似てるし
いやたしかにエロかったよ煽情的な芝居だよ
あっぱれ松本まりか
要するに俳優がしっかりと魂のこもったカラミのシーンをやるとたとえ胸や尻を露出しなくてもR15になってしまうのだ
だから『ちひろさん』はR15じゃなくてPG12なんだ
くだらない
「でもそう考えただけで素晴らしいじゃないか」

配役
パッとしない小説家の岡田慎一に山田裕貴
歓楽街で夜遊びがちなシングルマザーの裕子に松本まりか
裕子の息子のアキラに森優理斗
慎一の元恋人でスーパーで働いていた文子に中村ゆりか
裕子の元夫でクラブハウス経営者の邦博にカトウシンスケ
慎一の隣人の大谷静子に藤田朋子
慎一の作家仲間で先輩の武井徹に宇野祥平
慎一の作家仲間で先輩の三宅隼人に吉田浩太
慎一の作家仲間で先輩の小野田しずくに縄田カノン
独立リーグのプロ野球選手の滝沢に加治将樹

野川新栄