劇場公開日 2022年12月9日

  • 予告編を見る

「趣旨は伝わるけど…。R18に近いR15なので注意。」夜、鳥たちが啼く yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5趣旨は伝わるけど…。R18に近いR15なので注意。

2022年12月9日
PCから投稿

今年359本目(合計634本目/今月(2022年12月度)12本目)。

0分差で移動しての映画がこちらです(最初の1分だけ鑑賞が切れてます)。

「結婚はしていないが、限りなく結婚に近い状態で、「ほぼ(距離的に)近い」別居状態」という奇妙な男女関係を描く映画です。
日本では親族相続の関係(民法のその部分)に関係するため、こうした状態が実際に許されるかどうかという議論もありますが(それ以外にも、課税をどうとらえるか等が複雑になってしまう)、それを論じる映画ではないのでそこは飛ばします。

うーん、一言でいうと、「ちょっと何をどうみたらよいか、一見して答えを探しにくい」状態です。
映画の中では何度か鳥類は出ますので、その意味では、この映画のタイトルの趣旨はまったくないわけではありませんが、「何度か出るだけ」であり、具体的にこの映画のタイトルが何を示唆しているのかはわかりにくいところです(まさか、大人の営みで出る「声」というのが正解????)。

さらにこの映画の趣旨のわかりにくさを加速しているのが映画の事情で、いわゆる「大人の営みシーンは10分くらいから20分くらいまで、何度か(確か3回だったはず)出ますが、連続してそこそこの長さで出るので、目のやり場がない方も出てくると思います(一応、R15扱いではあるものの、R18指定されても文句は言えないだろうというレベル)。

こうした点が理解をわかりにくくさせているうえに、それぞれ(元夫、元妻)の発言もところどころわかりにくい点があり(おそらく、原作タイトルを理解すればわかるのかな?)、これに加えてさらに理解しようにも「大人の営みのシーン」がどんどん飛んでくるので、結構厳しいかなというところです。

おそらく、原作小説ファン向け映画ではないかな…というところです。他の方も書かれている通り、この映画を見てこの映画のタイトルの「真の趣旨」を理解するのは無理ではないか…というところです(本当に「大人の営みで出る「声」だったらある意味どうしようもないですが…)。

 採点に関しては以下のようにしています。

 ----------------------------------
 (減点0.3/趣旨が理解しがたい)

 ・ 私一人だけならまだしも、多くの方が書かれているので、理解の差はあっても「わかりにくい」映画なのは確かなのだろうと思います。一方で原作を読んでいればわかるのかもしれませんが、そうだとすると事実上「原作小説知っていて読んでるよね?」が前提になってしまいます。もちろんそれを否定はしませんが、そうであれば「原作小説の理解を前提にしています」程度は予告編等に入れてほしかったです。
 ----------------------------------

 (減点なし/参考/人を殴るなどの行為とその相殺)

 ・ お互いにお互いを殴るようないわゆる「けんか」は、民法上は不法行為になりますが、不法行為による債務は、「身体を傷つけるような不法行為の場合」、お互いの同程度の行為であっても相殺ができないのがルールです。よって「どちらも何らかお金を用意してお互いに渡す」という処理になります。

 ※ 改正民法(2020年)前は、「あらゆる不法行為の相殺の禁止」でしたが、たとえば自動車どうしの衝突で、物損事故にとどまるような場合で「身体を傷つけるようなものでない、いわば過失的な積極的悪害のない不法行為」の場合は、相殺ができるようになりました(実際、保険会社等ではこの論点が実際にあったので処理が煩雑だった)。

yukispica