劇場公開日 2024年7月26日

「時代劇が生き残るには…」劇場版モノノ怪 唐傘 777さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0時代劇が生き残るには…

2024年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

何の予備知識も無く観た…
まず、この映画を語るに、時代劇について説明せねばならない。
かつての時代劇「印籠」「銭投げ」「桜吹雪」という物が見られなくなった…
理由は、そういう「マンネリの必殺技」が好みの老人達も、それに飽きて
しまったから…
だが、そういった記号的手法の勧善懲悪を描くのでなく「業」、つまり
人間の「良い部分」「悪い部分」全て描くとなると、今の時代は敬遠される。
現代劇のドラマで生々しい物を描くと視聴率が取れない時代、
それが時代劇だったら、なおさらだ…
人間関係・派閥抗争なんかを複雑に描くと、より嫌われる。
それが許されるNHK大河ドラマは「戦国」と「幕末」ばかり描いて
皆が全て知っている内容だから受け入れられる。
「時代劇」「演歌」「落語」の伝統的な日本文化は、今は風前の灯だ…
ショー・コスギが米映画で「忍者」として出た時は、誰もアレを「アメリカ人が
時代劇をリメイクした」なんて言わなかっただろ?
日本人が描くから「時代劇」が日本文化であるのに、何故か現代の
日本人は「クジラやイルカの肉を食う」という文化は強く守ろうとして
「時代劇」「演歌」「落語」は守ろうとしていない…
結局、時代劇を描くにはアニメでやるしかリアリティーが無く
マンガやアニメの内容と同じ物を実写の俳優がやると「大帝の剣」の様な
おバカ映画になる…
この映画が時代劇の生き残る手段ではないと言い切るのなら、それは
この作品のスタッフより、もっと上の世代の「時代劇・黄金期」を知る
者達が作らなければいけないモノだ…
今回の作品は「大奥」というのを舞台にしたフィクションであり、それは
アニメだから、これだけ美しい虚構の物語として完成する事が出来た。
繰り返すが、この映画が時代劇としてイカン!というなら、時代劇・
黄金期を知っている世代が、今の時代の時代劇を作れ!!

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