オルガの翼

劇場公開日:2022年9月3日

オルガの翼

解説・あらすじ

ウクライナのユーロマイダン革命を背景に、生きるため祖国を去った体操選手の少女が自らの運命を切り拓いていく姿を描いたドラマ。

2013年、キーウ。15歳の体操選手オルガは欧州選手権出場を目指し練習に励んでいたが、ヤヌコービチ大統領の汚職を追及するジャーナリストの母とともに何者かに命を狙われ、ウクライナを離れることに。父の故郷であるスイスのナショナルチームに入った彼女は、変わり果てていく故郷の様子をSNSを通じて目撃する。家族や友人が傷つく姿を遠くから見ることしかできない中、オルガ自身は欧州選手権出場のためウクライナの市民権を手放さなければならず……。

欧州選手権出場歴のある現役アスリートの主演アナスタシア・ブジャシキナをはじめ、選手役のキャストにはプロのアスリートたちを起用。マイダン革命の映像は、実際にデモ参加者がスマートフォンで撮影したものを使用した。スイス出身のエリ・グラップが監督・脚本を手がけ、初長編作品にしてカンヌ国際映画祭SACD賞を受賞。

2021年製作/90分/フランス・スイス・ウクライナ合作
原題または英題:Olga
配給:パンドラ
劇場公開日:2022年9月3日

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(C)2021 POINT PROD - CINEMA DEFACTO

映画レビュー

3.5 【市民革命勃発によりウクライナからスイス体操選手団へ移った15歳の少女の決断をドキュメンタリータッチで描いた作品。内紛、戦争で傷つくのは兵士だけでなく、一般市民もなのである・・。】

2025年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

幸せ

■2013年、ユーロマイダン革命直前のキーウ。
 15歳の体操選手・オルガはジャーナリストの母と共に車に乗車中に何者かに命を狙われる。
 オルガは亡き父の故郷・スイスのナショナル・チームに移籍するが、欧州選手権に出場するためにはウクライナの市民権を手放さなければならず、彼女はスイス人となり大会に出場する。
 だが、大会中、ウクライナチームの主要選手でオルガの友人サーシャは競技を止め”ウクライナに自由を‼”と叫び退場し、又、母が大怪我をしたという連絡が彼女に入る。

◆感想

・ウクライナという国は、第二次世界大戦時から周辺諸国に脅かされ、漸く安寧の時を迎えたと思ったら、新ロシア派の腐敗した政治家ヤヌコビッチが大統領になったために市民運動・ユーロマイダン革命が起き、政情不安になり、今またウクライナ紛争に晒されている。

・今作はユーロマイダン革命により、ジャーナリストの母の判断でスイスに亡命した15歳の体操選手・オルガの姿をドキュメンタリータッチで追った映画である。

・劇中、オルガには笑顔はない。見知らぬ国スイスで、一人体操の練習をするオルガ。祖父の家族の元に身を寄せても、居場所はない。

・彼女はスイスのナショナル・チームの選手となり、欧州選手権に出場し高得点を出しても笑顔はない。

・そして、足に疲労骨折が見つかった彼女は、大きな決断をするのである・・。

<2020年。キーウに戻った子供達に体操を教える彼女は、少しふっくらとして笑顔である。だが、そのすぐ後にウクライナ紛争が起きるのだが・・。
 今作は、市民革命勃発によりウクライナからスイス体操選手団へ移った15歳の少女の決断をドキュメンタリータッチで描いた作品なのである。スポーツ選手には何の罪も無いのに・・。>

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NOBU

4.0 現役アスリートでなければ出来ない演技の数々と、2013年のウクライ...

2024年8月21日
スマートフォンから投稿

現役アスリートでなければ出来ない演技の数々と、2013年のウクライナの事情が作品の見応えである。他にもスイスの人達とキーウから来た15歳の体操選手オルガとのギャップの描き方が良い。
観る前に作品解説を読んでてもいいし、観た後に調べるのも良い。
説明台詞が少なくて所々後から理解出来る作りになってるので集中して鑑賞すれば結構心に響く。映画館で観ればよかった。

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ナイン・わんわん

5.0 見応えありました

2023年2月19日
PCから投稿

上映時間は1時間半でしたが
見応えありました。

望もうと望むまいと
一市民の生活は
その時代に左右されます。
最たるものが戦争で
夢も生活も命さえも巻き込まれていきます。

なぜ戦争を止められないのかと
忸怩たる思いでいっぱいです。

2020年のキーウは
平和が戻ってきたかのようです。
でも,その2年後には再び戦火が勃発。
平安な日常を謳歌していたオルガたちは
どうしているのだろうと
平和のはかなさを感じずにはいられませんでした。
戦争が早く終わってほしい。

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アツコ

3.0 おほけなく憂くライナの民におもふかな

2022年10月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

今となってはロシアとウクライナは、非道の専制国家とそれに蹂躙される民主国家というイメージだが、2014年のマイダン革命まではウクライナもどちらかと言えば前者の側に与していたようだ。現在の状況を知る者から見ると、革命渦中の動乱を背景に描くこの映画には、微妙な認識の揺らぎを感じざるを得ない。
演者本人が体操選手というのは絶対的な強みだ。ボディ・ダブルを使わないので、フラットな演技からいきなり段違い平行棒のトカチェフやイェーガーに入る躍動感が凄い(体操選手としてはやや成長しすぎているようにも思うが)。
前政権の弾圧から脱した先に、隣国からの苛烈な侵略というさらなる災禍が襲うとは。ウクライナの人々に一刻も早く平和が訪れることを願って止まない。

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梨剥く侍