ザ・メニューのレビュー・感想・評価
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究極且つ至高のフルコース、その名は"復讐"... 料理に人生を捧げた人々が仇敵達を"料理"する断罪スリラーコメディー映画
今や引く手あまたでいろんな映画でお見掛けする若手人気女優アニャ・テイラー=ジョイや英国重鎮男優のレイフ・ファインズら豪華キャストが一堂に介した料理を題材とするハリウッド大作。
その味わいは意外にもジャンクフード的というか、気取った上流階級の人たちが彼らにコケにされた人々に不気味な逆襲をされるいわば『世にも奇妙な物語』ないし『ブラック・ミラー』の如きシニカルな見せ場と解り易い教訓に満ちており、登場する癖のあるキャラクターたちが七転八倒する様に驚き楽しむ、万人向けの小気味良いブラックコメディ―に仕上がっています。
何も見目麗しいカッコいい姿を見るだけがキャスト目当てということではなし、主要キャストの中にお好きな方がいればそれぞれがドイヒーな目に遭って四苦八苦する姿を是非とも劇場でご照覧あれ、ということで。
これはゾクゾクした
予告編で面白そうだったので観たら期待通り面白かったし、R15+はダテじゃないくらいに衝撃的でスパイシーな作品だった。
画がよくて料理も美味しそうだったのとストーリーも最後まで飽きず観れた。フルコースご馳走様でした。
わりと最初で最後の帰結が予想できたけど、途中途中の味付けがよいのとショッキングな映像が差し込まれて、しっかりレストランの中に居続けられ
ラストカットはそうくるかぁ
「ブニュエル」 meets 「エル・ブリ」! これぞ、バーガーとポテトでもむさぼりながら観る映画(笑)。
なんかサスペンスのふりしてるけど、明らかに笑かしにかかってるよね。
こういうときのレイフ・ファインズって、マジ楽しそうで最高。
アメリカで、この手のモンティ・パイソンとかジャン・ピエール・ジュネみたいなテイストのハイセンス・お馬鹿映画が作られるのって、意外と珍しいような。
孤島に集められた12人。
予約のとれない超高級フレンチに招待されたディナー客だ。
そこに一人だけ混じる「招かれざる客」。
まあ誰でも考えることだろうから、別に書いてもいいと思うけど、
冒頭はまごうことなき『そして誰もいなくなった』のパロディでスタートする。
で、どこまでパロってるかは、最後まで観てのお楽しみというわけ。
映画としては、いろいろ真面目に考えだすと理不尽きわまりない内容だが、
●物語の先を読ませない。
●話はひたすらエスカレートする。
この二点だけは徹底して押さえて作られているので、正直観ていて不満はいっさい感じなかった。
映画が終わる頃、右手に置いてあるお茶がぜんぜん減っていないことに気づく。
惹き込まれていた証拠、時間を忘れて没入していた証拠だ。
ジャンルとしては、いちおう「グルメ映画」の系統に属する。
ただ、まっとうな晩餐会映画の極北に名作『バベットの晩餐会』があるとするならば(祇園会館で『八月の鯨』と併映。懐かしい!)、よりミステリー寄りという意味では『シェフ殿、ご用心』や『ディナーラッシュ』に近いし、より頭がおかしいという意味では平山夢明の『DINER』(映画もあるはず)やマルコ・フェレーリの怪作『最後の晩餐』に近いといえるのかもしれない。
何より、(本人たちの望むような)ディナーに「なかなかありつけない」という意味では、ルイス・ブニュエルの『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』を、同じくディナーから「帰りたくても帰れない」という意味では、同じ監督の『皆殺しの天使』を、強く意識した映画であることは間違いない(実際、本作は『皆殺しの天使』から扉の意匠を借りている)。
そもそも、やっていることの一連の不条理性や、ブルジョワジー批判の風刺劇というコンセプト自体、まんまブニュエルなわけだし。ああ、それと今気づいたけど、自慰行為を観ていてほしいとか、親子のふりしてやってほしいとか頼む変態性欲のオヤジってのも、思い切りブニュエルの『昼顔』へのオマージュだよね……。
でも、今まで観たグルメ映画のなかで、何に一番似ているかというと、この映画は『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』に、とても似ている。
てか、料理をひとめ見りゃわかるけど、これ、まんま『エル・ブリ(エル・ブジ)』ですから。
入江に面する立地も。超予約困難店という設定も。
要するに、これって『エル・ブリ』にたかっていたブルジョワジーの食通(フーディ)と、伝説のシェフ、フェラン・アドリアみたいになりたい自意識過剰のコンセプト系創作フレンチのシェフどもを、徹底的に小馬鹿にして、愚弄して、貶めるために作られた、じつに志の低い映画なんだよね(笑)。
『エル・ブリ』は、約50席しかないシートに世界中から年間200万件もの予約希望が殺到し、「世界一予約が取れないレストラン」と呼ばれていた、スペインに実在した伝説のレストランである。
「実在した」というのは、2011年に閉店したからで、それでもフェラン・アドリアの遺伝子は、そこで学んだ多数の弟子たち(常時60人以上のシェフが働いていた)によって、全世界に広まっている。
映画に出てくる「人工イクラ(アルギン酸カプセル)」などを用いた「分子ガストロノミー」は、まさに『エル・ブリ』の代名詞といっていい手法だ。和の素材(本作だと梅干し)の利用も、『エル・ブリ』の十八番だった。厨房見学がコース料理の一部を成していたという『エル・ブリ』の特色も、映画ではそのまま援用されている。
製作陣がどれくらい『エル・ブリ』を元ネタにしているかというと、観たらだれでも「似ている」ことはわかるのに、その名が「パンフに一カ所しか出てこないこと」にも表れている。
パクリ方がヒドすぎて、もはや、おいそれと名前を出せないくらいなのだ。
『ザ・メニュー』では、『エル・ブリ』のような、コンセプト重視のフレンチを志向するシェフ(およびその弟子たち)と、それを称揚してやまない特権階級のフーディ(食通)が、まとめて徹底的に小馬鹿にされている。
そのやり口は、高尚なブルジョワジー批判というよりは、ある意味子供がやるような品性下劣な貶めようであり、「こんな連中ムカつくからみんなまとめて●●ばいいのに」を地で行く、「貧乏人のやっかみ」を全力で充足させる、じつに底意地の悪いものだ。
みんな観ていて不思議に思うだろう。
この映画で、なぜ客たちは連帯して戦わないのか。
それは、彼らが「ブルジョワジー」だからだ。
『皆殺しの天使』と一緒で、彼らはそもそも先験的に「ここから出られない」存在なのだ。
あるいは、見習いシェフたちが、なんでスローヴェクに唯々諾々と従っているのか、不思議に思う観客もいるだろう。
それは、本作がバカな小金持ちをぶった切る返す刀で、料理業界のオーナーシェフと見習いたちの示す異様な「カルト性」(=「グル」と「信者」の関係性)をもぶった切ることを、「そもそもの目的」とした映画だからだ。
要するに、客側も料理人側も、「なんでこんなことになってるのか観客には皆目理解できない」イロジカルさにこそ、作り手の本当の意図がこめられているということだ。
こんな悪意に満ちた映画を撮りながら、「レストラン業界を槍玉に挙げるのは実は綱渡りの連続で、本当に慎重に物事を進めていきました。料理に携わる人々への敬意と、芸術性に対するリスペクトは忘れないように心がけたのです」とか、しゃあしゃあとインタビューで答えている監督のマーク・マイロッドは、まあまあ筋金入りのろくでなしだと思う(誉め言葉)。
実際に彼は、サンフランシスコの3つ星レストランの有名シェフ、ドミニク・クレンに料理監修を依頼することで、ある意味での「正統性」と「リスペクト」を本当に実現しているわけだが、逆に言えば、ドミニク・クレンにここまで協力させておいてこの映画の内容ってのは、マジで性格が悪いと僕は思う。
この監督さん、テレビ畑の人らしいけど、これまで撮ってたのが『ゲーム・オブ・スローンズ』と『メディア王~華麗なる一族』らしい。
つまり彼は、テレビでも徹底してブルジョワジー批判を主題にしながら、それを「真剣に描き出す」ことで題材に対するリスペクトも忘れないという芸風で、延々と風刺劇を作ってきた監督なのだ。やはり筋金入りである。
出演陣は総じて、素晴らしかった。
『ムカデ人間』のハイター博士のように、頭のおかしな理屈を並べながら、熱く料理を語りつづけるスローヴィク役のレイフ・ファインズは、まさにあて書きのようなはまり役。
対するヒロイン、アニャ・テイラー=ジョイ(『クイーンズ・ギャンビッド』の人)は、生身の人間なのに、キャメロンの『アバター』みたいに見える超個性的な美貌が、インパクト&説得力十分だ。
あと、東洋系の得体の知れない給仕長エルサを演じるホン・チャウが、凄い存在感を発揮していた(今日び、ハリウッド映画でステロタイプの「ミステリアス・チャイニーズ」が出てくるのはむしろ珍しいから、ちょっとドキドキした)。
で、観終わって、思った。
これは、むしろ場末の映画館で、バーガーとポテトでもがつがつ喰いながら観てるような貧乏なアメリカ人こそが、いちばん溜飲を下げながら楽しめる映画なんだな、と。
終演23時半。
僕は残念なことに食べながらの鑑賞はしなかったので、
かわりに映画館を出たその脚で、歌舞伎町のど真ん中にある「ショーグンバーガー」へと向かったのだった……。
まあ、2500円もする和牛100%の食べログ百名店にわざわざ選んで行ってる時点で、むしろスローヴェクからすれば僕も「あちら側の人間」に入っちゃうんだろうけど(笑)。
アーニャのとても個性的な美型はとても素敵
食材や料理の画はとても魅力的に描けてる。
スタッフの統率と客の無力化従順化の経緯を丁寧に描けば良かったのになあ。と思った。
アーニャのとても個性的な美型はとても素敵。でもグッドキャスティングではない。
結果として、映画のリアリティが足りない。
PIGも合わせて観て欲しい
やー。鑑賞中の大半を半笑いで過ごしていた気がします。オレが狂ってるのか作品が狂ってるのか。気持ちの良い時間だった。
色んな事への皮肉とかメッセージとかどーでも良い。不穏で気持ちの悪い時間を過ごしたい人(居る?そんな人)にはうってつけでございました。奇しくも今現在、方向の違う不穏で気持ちの悪い「ドントウォーリーダーリン」もやっているので、「PIG」と合わせて更に美味しく頂いて欲しい逸品達でしたねッ♪
一つ疑問が残ったけれどもそれは野暮ってもんなのかな。どーだろ。誰よりも「タイラー」の気持ち悪さが際立っていて最高でした。
逃走中
レイフ・ファインズに対抗するアニャ・テイラー・ジョイの存在感(アニャ・テイラー・ジョイは美人だが独特の顔をしていると思う 少し鼻が上を向いていたら研○○コだと思う)
アニャ・テイラー・ジョイのパートナーがマッドマックス怒りのデスロードのニュークス!
アニャ・テイラー・ジョイのチーズバーガー食いてー
意図が理解出来ればかなぁ・・・
サーチライトの作品って、個性的なのが多いいので好きなんだけど・・・
食通か高級食材を使った料理に対する皮肉なんだろうけどなぁ・・・
結末は悪くないんだけど、そこまで持っていくプロセスかな。
変な謎が残ってしまう。
耳打ちした後に、「何で?」と思えるシーンがあるけど、「結局どう捉えればいいのか?」が後のシーン見てても消化不良になるんだよねぇ…
他にもあるんだけど。
結局、制作サイドの意図が、鑑賞中伝わってこず、頭の中は、『ボーリング・フォ・コロンバイン』の「Why?Why?Why」状態。
モヤモヤ感だけ残り劇場を後にしたのであった・・・
テンポよく直接的に主張する
物語を通してメッセージやテーマを伝える作品の逆をいく代物。
ひたすらテンポよく言語化された主張が展開されます。
キャラクターはその主張を分かりやすく伝えるための具体例といった感じ。主人公をアンチテーゼにすることで、なお分かりやすさが際立っており、ぼーっと見てても内容が分かります。
なので、物語としてはずさん。主人公のキャラ描写も浅い。シェフのキャラ造形も浅い。
でも、演出が美しく、とにかくテンポがいいのでそこまで退屈はしません。
食いしん坊、万歳…
飽食な人達を巻き込んだ心中レストランで、ヒロインが命拾いをした理由を考えてみた。唯一リクエストしたチーズバーガーがシェフの原点を思い出させ、生きる希望を託したのではないか。あぁ言い過ぎた。
今度チーズバーガーを食べながら、「注文の多い料理店」を読んでみよう。結末はどんなんだったけ。顔にバターを塗りたくるのは覚えているのだが。でも、塗りたくったのも定かではないし。登場人物は助かったのだろうか…
狂気のフルコース ミッドサマー風味
まずは、料理を見てるだけで楽しい。
メニュー名を読んでまた楽しめる。
なんてゴージャスな時間なんでしょう。
……なんていいつつ
とんでもないホラーバイオレス。
そりゃR15だな(^_^;)
納得いかない!とか
何故?とか
そんな理由?とか分析無用。
所詮、人間は狂気なのだ。
理由がない事を楽しむのだ。
「ミッドサマー」にも通じる頭のおかしい名作ですね。
変態ほど楽しめる。私は大満足。相当変態らしい(^_^;)
そして大満腹。ごちそうさまでした。
R15である。とある疑問。
タイラーの別れた彼女は、どんな人だったのでしょうか??
タイラーは、最後には全員が死ぬのを知っていたわけで。
タイラー自身は、死んでもいいと思っていたということ。
すべての人が、スローヴィグの何らかの接点があった人達なわけですが、タイラーの元彼女はどんな接点だったのでしょうか??
それとも、タイラーは「同伴で」と言われて架空の名前をあげたのか??
しかし、船への案内役の人の最初の驚きの表情からすると、「予定してた人と違う」といった感じだった。
だとすると、ますますタイラーはもともとは、どんな女性と来るはずだったのか。
非常に気になるところです。
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