「最後の晩餐が幕を開ける」ザ・メニュー TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の晩餐が幕を開ける
アメリカ北西部・太平洋沖の孤島に存在する世界屈指のレストラン『ホーソン』。そこに招かれた特別なゲストたちとマーゴ(アニャテイラー)。
『シェフのテーブル』の番組クリエイターが監修をしたという料理は、まるで『エル・ブジ』を彷彿とさせる独創的なクオリティ。しかし、初めからどこか気味悪い空気を纏う。
流れの転換点は3品目の「The Mess」。
ここから一気に緊張感に支配されてゆく。
それぞれのコースに込められた意味を堪能したい。
複数の録音部隊で、同時に会話を録音したという本映画。
彼らの会話が自然に聞こえるような工夫は、自分がその場に溶け込むような体感を味わえるだろう。
上流階級たちに対するホーソンの私怨は、一体どういう形で結末を迎えるのか。
支配された人間は、こんなにも従順になってしまうのかと、ある種の怖さを感じずにはいられない。
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