「エスプリが効いている」ザ・メニュー TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
エスプリが効いている
立場や関係性という構造を背景に、自分の「ホーム」へ招き入れた客人に対してほぼ「一方的な」力関係で恐怖を煽る「ゲーム」は、この手のジャンル映画にありがちなアイディアよりも、よりエスプリが効いていて刺激的です。
そこはやはりレイフ・ファインズの何を考えているかを読ませず、さらに有無を言わせない威圧感のある「無表情演技」が効果的なのだと思います。
そして、それに対するアニヤ・テイラー=ジョイ。彼女が演じるマーゴはアニヤ自身とも印象が重なる、まるで「当て書」されたようなキャラクター。潔い「自分ポリシー」を貫く言動でレイフ演じるジュリアンとの対立するマーゴは、度々揺るがされそうになっても「我に返り、そして開き直る」様がかっこよく、ジュリアンを動揺させるのがなんとも気持ちいいです。アニヤ、素敵過ぎ。
さらに、度々の「水を差す」言動のニコラス・ホルト演じるタイラーが、観ている我々をいい意味で「イラつかせて」くれます。彼はホントに何やらせても巧いわ。
果たして、ここまで書くと「どんだけ面白かったんだ?」と思われるかもしれませんが、これが不思議なことに私の評価は「面白いけど、ま、想定内」な印象。でも、見方を変えればこのジャンルではよく出来た作品と思える分、評価の度合いは「出来云々とではなく私の好み」の問題かと思います。
では、皆さんにお勧めするか?と聞かれれば、サーチライト(ディズニー)が配給なので割と早くDisney+で観られるかもしれませんね。。。ま、先週に続き今週も良作の公開がひしめき合ってますので、皆さんは観たい作品を是非。
ちなみに、本作公開初日のTOHOシネマズ日本橋(19時15分)はまぁまぁの客入りでしたよ!
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