「原作の魅力をより引き出す脚本家と俳優の力」カラオケ行こ! plumさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の魅力をより引き出す脚本家と俳優の力
原作者の和山やまさんの別の作品が好きで、カラオケ〜は未読で見に行来ましたが、見事にどハマリました。
綾野剛さんの演技力には本当に驚かされます。
鑑賞後に原作漫画を購入し読みました。
単行本一冊の決してボリュームがあるとは言えない話を、原作の大切な部分上手く切り貼りし、順番を組み換え、会話を膨らませ、オリジナルキャラを足し、2時間の映画にする。でもストーリーの本筋は変えないし、蛇足的な部分もない。脚本家と監督の力のすごさを感じました。
そして狂児なんて見た目は全然似ていない。なのに完全に狂児でしかない綾野剛。強すぎる。
全編を通して、聡実と聡実を演じる斉藤潤くん自身の成長が重なる部分が強くあり、綾野剛さんと同じく「尊い瞬間に立ち会うことが出来る」素晴らしい作品。
そして中川さん和田くん、オリキャラの栗山くんも、「中学の時こういう子いたな〜」という絶妙なキャラクターの個性がよかった。
中学生の心の揺らぎがよく表現されている。中学生って自分の知ってる世界が全てだから、和田みたいにこじらせちゃうんだよねぇ。
大きな盛り上がりはラストシーンのみなので、刺激的な映画が好きな人には物足りないかもしれないが、あくまでファンタジーなブロマンス映画として、日々の生活の癒やしみたいになるような作品だと思う。女性向け。
もう一度観たいなと思っていたら、最寄りの映画館は夕方の一回上映になってしまい、もうみに行けなさそうで残念。
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