「【あんな優し気な笑顔を浮かべた綾野剛さんは見た事がない!。X JAPANの難曲”紅”を綾野さんが”裏声”で歌う可笑しきシーンや、合唱部部長の聡実君が狂児の為に”紅”を歌うラストは沁みる作品である。】」カラオケ行こ! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【あんな優し気な笑顔を浮かべた綾野剛さんは見た事がない!。X JAPANの難曲”紅”を綾野さんが”裏声”で歌う可笑しきシーンや、合唱部部長の聡実君が狂児の為に”紅”を歌うラストは沁みる作品である。】
■中学校名門合唱部部長の、岡聡実君(斎藤潤)は、或る雨の日に突然コンサート会場に現れたヤクザの成田狂児(綾野剛)に、歌を教えてくれないか、と言われ渋々一緒にカラオケ屋へ行く。
そこで狂児が語った事。
それは、組内カラオケ大会で”歌下手王”になると、絵心の無い組長(北村一輝:ハッキリ言って、現代邦画でヤクザ役を演じたら、綾野剛と双璧である。)にとんでもなく下手なタトゥーを彫られるんだ・・、と狂児は聡実君に切々と訴え、歌を教えて貰う事になる。クスクス。
◆感想
・今作は、山下監督ならではの緩いベースの中、面白くストーリー展開されていく。
ー 狂児を演じた綾野剛が、優しくもやや影のある関西弁で話す姿は、流石である。あの声でお願いされては、岡聡実君が仕方なく歌の指導を引き受けるのも、分かるなあ・・。-
・狂児はいつも、”歌下手王”になり身体中に組長の下手なタトゥーを入れられるハイエナの兄貴(橋本じゅん)が、”たんぽぽ音楽教室”に通う姿を見て、自分も危ないと思うシーン。
ー 全くさあ、雨がガンガン降る中、階段をハイエナの兄貴が昇って行くシーンは、どう見ても鉄砲玉の討ち入りでしょう。それが、”たんぽぽ音楽教室”に行く姿というのはどーなのよ。クスクス。-
・狂児が、カラオケ屋で披露した十八番の「X JAPANの”紅”」を歌うシーン。冒頭のリリカルな英語の歌詞を結構上手く歌っていたと思うのだが、”紅だーーーー!!”と叫んだあと一気にロックテイストに流れ込んでいく中、聡実君の講評は”裏声が気持ち悪いです!”とバッサリ。そして”手を上げる必要はないです。”とサラにバッサリ。
ー 可笑しいなあ。クスクス。-
・だが、聡実君自身も変声期に入りボーイソプラノが出なくなって来ている事に密かに悩んでいたのである。
ー きっと、聡実君から見ると、狂児は何だかんだ言って、歌を楽しんでいるように見えたのではないかな。優勝を目指す聡実が所属する合唱団ではなく、ビリの”歌下手王”にならない様に頑張る姿が。
そして、聡実君は狂児に”音叉”をプレゼントし音程を保つ事や、彼の声域に合った曲を数曲書き出してくるのである。
それにしても、綾野剛の歌が映画で聞けるだけで嬉しいのだが、「ルビーの指輪」や「タイガー&ドラゴン」などはナカナカ上手かったのではないかな。けれど「タイガー&ドラゴン」は組長の十八番なのでNG・・。-
■沁みたシーン
・狂児が乗った車が、シャブ中の男にカラオケ屋の前で横っ腹に突っ込まれ、担架で運ばれる”男”の姿を見た聡実君が、合唱コンクールをすっぽかして、狂児の代わりにスナックで行われていた組内カラオケ大会に参加するシーン。
組長に狂児の安否を聞いた聡実君に対し、組長が言った言葉。
”アイツは地獄に行きよった。俺の誕生日に難儀な事やで。”
それを聞いた聡実君は、烈火の如く怒り”お前ら、ヤクザは皆、地獄行きだ!”と叫び、狂児の十八番「X JAPANの”紅”」を高音域では声を掠れさせつつも、見事に歌いきるのである。このシーンは、ハッキリ言って沁みたよ!!。
組長を始め、皆が涙する中、ひょっこり現れた血だらけの狂児。
拍子抜けするが、良かった良かったである。
<今作の見所は、矢張り綾野剛の今までに見せた事がない優し気で人懐っこい笑顔と優しくもやや影のある関西弁である。
そして、彼の為に変声期である事を悩みつつ、狂児のために色々と助力する言葉はキツイが、ハートウォーミングな心を持つ聡実君の姿が心に響いた作品である。
ラストを観ると、狂児と聡実君の交流は続くのだろうな、と思った作品でもある。>
私も初日に「閉ざされた」と「カラオケ行こ」観に行ったんですよ!
朝一の回で!そしたら劇場側の機材トラブルで途中止まってしまって…2作目の作品も同部屋だったので機材の復旧が厳しいかもで別の劇場に足を運んだ次第です(笑)
なので時間が中途半端になってしまって金曜は1作のみって感じでした。
NOBUさん、こんばんは。新しい方のアカウントにして初めてのレビューで初めて頂いた共感がNOBUさんで縁起がいい!ありがとうございます。アカウント変更は特に何か問題があった訳ではありません。今後ともよろしくお願いいたします