劇場版 荒野に希望の灯をともすのレビュー・感想・評価
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こんな生き方もあるんだと
登山と昆虫が好きなお医者さんが若い頃に無医村で困っている方たちに出会い、その方たちを助けるためにまた戻っていった。やがて病気の根本を絶つために、綺麗な水を求めて井戸を掘り、用水路を作り始める。ご本人は土木の素人どころか実は数学も苦手で、用水路建設にあたり、娘さんの数学の教科書を借りて勉強し直したと、本で知った。すさまじい努力は実り、砂漠が緑豊かな広大な森になり、現地の人の平和な暮らしぶりを映像で見ると、中村哲さんの生き方は本当に見事だと思う。私も少しは習いたいと素直に思える、素晴らしい映画です。
海外の多くの人にも見てほしい大切な支援技術
この映画によって、中村医師の活動が、時系列を追って知ることができ、映画を見ながら価値観が変わっていきました。
新しい土地で、人々の信頼を得ていくにはどうしたらいいか。
命を支えるものは、水、緑が育つ環境、食糧・・・そして、映画で、中村医師も、福岡県の川の堰を見に行っていますが、日本の祖先も、昔は同じような思いをして、自然と対峙してきたであろうこと。
そして、アフガニスタンの広大な砂漠が緑化していく経過には、驚きました。
また、医療でも、灌漑建設でも、子どもでも、中村医師は、人も育てたのだと思いました。
灌漑用水路を、現地の人々が自分たちで、維持補修できるような技術で作っていった点も知恵だと思いました。通常の海外支援のように、お金持ち国の都合で、お金や備品をばらまき、建設をしても、時がたって風化してしまうようなものは、税金の無駄遣いです。
また、アフガニスタンが、かつてのソ連、アメリカ軍による攻撃に巻き込まれてきた歴史は、今のウクライナの戦争を彷彿とさせます。そして、アフガンの問題で、当時、中村医師が、国会で参考人として、意見を述べたにもかかわらず、米軍支援に回ってしまう日本政府の態度も。
ぜひ、外国語の字幕翻訳をつけて、海外の多くの人に見ていただきたいと思います。
アメリカ、ロシアなど、軍隊を海外に派兵する国々の人。
そして、砂漠化によって農業の危機に瀕している国の人々にも、自分たちでできそうなヒントが詰まっているのではないでしょうか?
中村哲先生は私達日本人の誇りであり、誰も超える事が出来無い偉人です!!!
中村哲先生の本を数冊読ませて頂きましたので、内容は全て知っている事ではありましたが、本では伝わら無い臨場感溢れる内容が胸に響渡りました。
本来であれば、怒りが溢れかえりそうな国会招致の発言でも、
哲さんの穏やで丁寧な話し方が更に哲さんの神の様な人間性を描写しておりました。
人を責め無い、馬鹿にしない、裏切られても裏切り返さない・・・本当に神の様な思想の方。
アメリカとの関係、政治的圧力等々で大きく語り継ごうとしないのが非常に残念でなりません。
ノーベル平和賞、国葬に値する功績を残している事を1人でも多くの人に知って頂きたいと心から願います。
そして、今の日本の私利私欲に翻弄する政治家達にこの映画をしっかり見ていただいて、
恥を知って頂き、本当に人の為に何かをしたい人が日本の中枢に立って頂きたいと心から願います。
中村哲先生のご冥福をお祈りすると共に、今後の日本、世界が本当の意味で平和になる事を祈るばかりです。
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