劇場公開日 2022年11月4日

「二つの見破られた不倫のゆくえ」窓辺にて 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0二つの見破られた不倫のゆくえ

2022年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2022年。今泉力哉監督。かつて将来を嘱望された小説家でありながら長年フリーライターをしている男は編集者の妻と二人暮らしだが、ある悩みを抱えている。新進の女子高生作家と出会い、人間関係の繊細な部分について彼女と通じ合っていくなかで、その悩み(妻の不倫とそれを知りつつなんらショックを受けない自分自身)を周囲に打ち明けていくが、という話。
主人公の友人の男(なんらかのスポーツのプロ選手らしい)も不倫をしていて、こちらも妻に見破られている(しかしこちらは妻はショックを受けていて元に戻りたがっている)。同じような二組の夫婦を並べることで、比較を可能とし、主人公の抱える問題がより鮮明に浮かぶ上がるようになっている。浮気をしている相手に怒りがわかないのは愛がない証拠なのか。愛していることと浮気を許せないこととは別のことではないのか。
密室でかわす二人の人物の対話がいずれもおもしろいので、ずっと見ていられる、そういう映画。

文字読み