「ベースとなった人物達が幸せならば救われる」3人のキリスト ちかさんの映画レビュー(感想・評価)
ベースとなった人物達が幸せならば救われる
古い体制の、いわゆる精神病棟での隔離。
…にしては陰湿で暗い重たい感じは無かった。
同様題材でよく描かれる、明らかに言動が突拍子無く"通常"の人間が驚きや恐怖を抱くようなものや、
病院関係者による差別や虐めの描写は無い。
この点では、実態とどれだけ差異があるのか不明だがわりと心穏やかに見られる。
電気ショックや隔離、拘束は、あくまで当時良しとされてきた治療であり、特段過度にセンセーショナルな見せ方をしていない。
そして、そこに静かな恐怖がある。
また、3人の患者とそれ以外の病院関係者にあまり垣根がないように描かれているのが特徴的だと感じた。
皆少なからず衝動性や葛藤やトラウマを持ち、自分の心のキャパシティの中で他人と社会生活を送っている。
先述の際、"通常"とダブルクオテーションで囲ったように、"通常"とは何か?を、主張は強くないながら、メッセージを感じた。
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