「自立・共生・多様性」遠いところ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
自立・共生・多様性
方言混じりだからという以前に、ボソボソと、実に現実的に喋るから、台詞の7割が聞き取れない。
それでも、何故か7割がた内容にアタリがつく。
画作りから想像させることも踏まえてこのバランスなら、凄まじい。
さて内容はというと、正直あまり同情できない。
ダメ男と、後先考えずに子をなし、生み、「金がない」と言いながら将来を狭めてまでタトゥーを入れ、酒は飲む。
生まれに不幸があったにせよ、それ以上の不幸を次の子に背負わせようとしている。
知識も余裕もなく視野が狭いのは分かるし、安穏とした立場からは理解できないと言われれば返す言葉もない。
しかし、アオイたちに責任がないとは言いたくない。
ドレスに裸足の女の子に警察が撒かれるのは、定番ながら意味が分からない。
(しかもその後すぐ捕まるなら逃げ切る必要すらない)
そのようなフィクション臭さがいくつか目についたのは、こういった作品では致命的。
役者陣の演技は素晴らしいものがあっただけに、惜しい。
“現実”を描きたいならドキュメンタリーでよくて、映画にされるとある程度“つくりもの”として見てしまう。
“リアリティ”はあくまでリアリティで、現実ではない。
「映画としてやる意義」、という面で見ると少々疑問符が付く。
穀潰しや、他人に迷惑しかかけない人間を救うのは、厳しいようだが正しくない。
ある程度自立してはじめて他者と共生できるし、多様性なんてその先の話だ。
遠いところへ行く前に、目の前の誰かの役に立つことから始めなくてはならないと思う。
同情も出来ないし イライラさせらるし
最後まで最悪な展開なので面白いとか
そういうのじゃないですね。
結局こういう現状を知れたって事に意味のある作品なので 面白いとか面白くないとではないので!