手のレビュー・感想・評価
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ぎこちない父と娘
この映画を観終わったばかりは、自分の中では低かった評価が、1日経って色々と反芻している内に、どんどん高まってしまった不思議な映画。
はじめは「娘が“父”をどう理解して受け止めていくかという物語」かと思っていた。
でも、主人公の振る舞いは、そこを出発点にはしていない。
20才の頃、飲み屋でおじさんに声をかけられて、きっとそれで引いてしまう人も多いだろう中、彼女はおじさん観察へと突き進む。
側から見ると「何してるの?何が目的なの?」と怪しまれそうなところを、彼女は平気でおじさんと付き合ったりする。世間からどう見えているかではなく、自分発信の価値観が行動基準なんだろう。
きっと彼女は、様々な人(おじさんが多かったけど)と関わることで、自分を知ろうとしていたつもりだったんだと思う。けれど、そのうちに「ああ、私がおじさんに興味を持っていたのって、お父さんを知りたかったからなんだ」と気がついたのだ。たぶん。
途中で「手は嘘をつく」という言葉が出てくる。
主人公の最初の記憶である父親の抱っこ。あの手に感じた父の愛情は嘘だったのか…。そんな思いから出てきた言葉なのではと思わされた。
それにしても、「この父娘の間に過去何があったのだろう」といぶかしく思うくらい、ぎこちない2人。でも、きっと特別な何かがあったわけじゃないんだろうなとも思う。
思春期になると、娘は父親に嫌悪感を抱くと一般的に言われているが、そういう「一般的な父娘関係」を意識し過ぎて(しかもどちらも人間関係が苦手という意識があるので)、傷つき傷つけるのを避けようとして近寄れなくなった2人に見えた。
ロマンポルノナウというくくりの中で作られた映画らしく、エロいシーンも盛りだくさん。けれど、しっかり人間が描かれている。
初恋の彼も、元同僚の彼も、出てくるおっさんたちも、みんなしょうもない。けど、そのしょうもなさに少しホッとする。
そんなところが、やっぱり松居大悟らしいなぁと思った。
ストーリーも主演女優も熱意も、みんな物足りないです。
日活ロマンポルノ50周年を記念した作品。
R 18+
裸とエロは違うと思う。
裸は確かにたくさんのシーンがありました。
でもでもですよ、全然エロを感じなかった。
「手」ってなんですかね?
嘘をつく手?とか、
ストーリーがもう少しなんとかなりませんかね。
裸は物語のついでで良いです。
オジサンが好きな25歳のさわ子(福永朱梨)。
20歳の時からオジサンとばかり付き合っている。
そりゃあ、楽チンですよ。
オジサンにとって若い女はそれだけで価値があるもの。
お金出してくれて、野球観戦とか、知らない世界を教えてくれる。
スケジュールも立てなくて良い。
すべてお任せ。
そんなさわ子が同世代の若い男と付き合った。
会社の同僚で辞めることを決意している森(金子大地)
辞めると決めてから接近してくる。
辞める前に気になる女の子と記念に・・・、
(ちょっと好きだったし、)
しかし森には本命の彼女が居るんですよ。
結果として、遊ばれてますね。
松居大吾監督作品では「アズミ・ハルコは行方不明」
良かったです。
これって多分蒼井優が超絶良かったってこと?ですね!!
「くれなずめ」も好き。
「ちょっと思い出しただけ」
これは岸井ゆきのが超絶良かった。
せっかく思い切って脱いで下さるなら、
色気のあるヌード、
拝みたくなるようなぬーど、
お礼を言いたくなるようなヌード、
とっておきの、すこぶるつきに美しいヌードが見たいものです。
年老いてゆくお父さんとやっと仲良くして行く手立てを見つけたさわ子。
彼女のファザー・コンプレックスも説明不足で、
よく分かりませんでした。
若干、性描写が過剰なのはご愛敬。
日活作品なので性描写は日活映画の根幹だがもうちょっと整理しても良かった。ただ若い女性とおじさんの関係に父性への枯渇さを重ねたシナリオは秀逸であるし、さわ子役の福永朱梨の演技は中々見応えがあった。全体として映画としての完成度も高いと言うのが率直なところだ。
ポルノ映画だけどなぜか爽やかな風を感じた
初鑑賞
原作未読
原作は『人のセックスを笑うな』の山崎ナオコーラ
監督は『アフロ田中』『スイートプールサイド』『アズミ・ハルコは行方不明』『#ハンド全力』『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』『くれなずめ』『ちょっと思い出しただけ』の松井大悟
舘そらみ脚本作品初鑑賞
日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」
R18
福永朱梨がバンバン脱いで何度も何度も何度も濡れ場をしている
ビューティフォー
ナイスなファイトでした
原作はたぶんおじさん好きだけどお父さんとうまく喋れないと言う設定がメインだと思う
でも映画の方はせいぜい冒頭と最後の方でさわりのはずが全体の印象としてはさわりじゃない感じ
さわ子の喋り方好き
シタあとに回数と感想をメモるの好き
妹が初体験の最中に姉に電話をかけるシーン好き
面白い
森にとってさわ子は本命じゃなくてカノジョがいて結婚するという
男の自分でもこれはショックで悲しい
なぜかさわ子の立場になって観ていたから
森は別れ話を持ちかけながらもう一回しようという
女の方から別れ話を持ちかけたらまだわかるけど
明石家さんま曰く男ってセックス貧乏性だから仕方がないのかもしれない
自分が女なら「なにいってんの」と天を仰いで呆れ顔だろう
それでも最後の日にいちゃいちゃするさわ子
日本の成人映画は本来日本人男性が観るもの
それなのに世界に発信したり女性にも観てほしいと宣伝する
映画会社や広告代理店なら当然の行動だがはっきりいって迷惑だ
女性がエッチな映画のレビューを読むのもお断りだ
削除依頼するよりブロックしてほしい
ネタバレ表示で内容偽りなくそのまま書いたら削除だもんな変だよ映画com
エッチな映画が嫌いならレビュー読むなよ
配役
おじさんフェチの寅井さわ子に福永朱梨
さわ子の同世代の同僚の森に金子大地
さわ子の上司の大河内に津田寛治
妹の寅井リカに大渕夏子
リカの彼氏のユウスケに岩本晟夢
さわ子とリカの母に宮田早苗
さわ子とリカの父に金田明夫
R15でいいんでね?
おじさんがそんな目で見られていたなんて
偏見だ!
でもおじさんは実はそう思っているぞ!
福永朱梨ちゃん 清楚そうで実はやり手。
でも妹の大渕夏子ちゃんの方が見どころあり。
60点
4
京都みなみ会館 20220929
"性"と"存在意義"を描く
2022年劇場鑑賞70本目 優秀作 73点
先生私の隣に座っていただけませんかや猿楽町で会いましょうなど一捻りある恋愛映画に抜擢される金子大地主演のロマンスポルノ映画
今企画は三監督による三作品にわたる企画もので、想像よりもポルノシーンやテーマがそっちよりだったが、個人的にはその三作品で一番良かったです
ヒロイン役のキャラクター性がよく描かれており、終始感じるのは平凡な会社勤めや家族との間柄も相まって存在意義を自問自答する描写が多く、妹と違い親からの愛を十分に受けていなかったりしてそのギャップか親世代のおじさんからの身体を求められるその優越感で保っている感じがすごく悲しい。
同僚の金子大地は特別親しくはないけど、同世代で踏み込めば距離が縮まるとお互いが意識しているよくある関係で、結局のところ本当の部分で愛し合っていない若い関係で終始描かれる彼で、最後の別れのシーンの涙は本気そうでひとときの涙感がよく伝わりすごく印象的です。
映画は主人公の成長を描くものですから、そういった意味ではヒロインの起承転結がわかりやすく、よく纏まっていました。
是非
何気に良作
なんとなく観てみたが、良作でした。
おじさん、お父さん、若者、それぞれとの交流。
なんとなく、疎外感。
つながりと別れ。
なんで別れるのか、共感出来なかった。
「手」を使って心の動きを表現してほしかった。
【実の父親からの愛を渇望するを25歳の女性の心の機微と、恋の遍歴を描いた作品。オジサンたちの様々な姿を優しい視点で描いた作品でもある。】
ー 良い子ぶる積りはないが、人生初ロマンポルノ作品鑑賞である。ー
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・ポルノ映画だから、SEXシーンは随所で描かれるのだが、主人公さわ子を演じた福永朱梨さんのさわ子の微妙な心の機微の表現の仕方が巧い。
・不倫相手の上司の部長(津田寛治)さんとの会話も”部長ったら、ヒドインです・・。あたしの股間を・・”なんて、一昔前の宇野鴻一郎の文体の様な感じではもちろんなく、父(金田明夫)からの愛情を得られていない(と勝手に思い込んでいる。)事の反動故か、部長に時に甘えたり、時に厳しい言葉を言ったり・・。
・オジサンたちの様々な姿を撮って、コレクションし、可愛い写真帖に貼っているのも何だかオカシイ。ついでに言えば、さわ子のオジサンを見る眼は優しい。
・そんな、さわ子が同じ会社の年の近い森(金子大地)と付き合うようになって、彼女の生活に変化が訪れる。
ー それにしても、さわ子は三股、森も二股・・。ウーム。けれど、さわ子と金子との会話は、丁寧語で成り立っており、聴いていて心地よい。けれど、森の婚約者がいながら、さわ子に執着する気持ちは分かりにくかったな・・。婚約者とは違った魅力に惹かれたんだと思うことにする。-
<さわ子は父が耳が遠くなった事で、一緒に病院へ行った帰りに思い切って父に旅行をする事を申し出る。知らんふりをしている父のように見えたが実は”耳が遠いだけじゃない!”、で旅行の約束をする。
そして、森とも別れたさわ子は家族の中での疎外感を解消していく。
男女の(性交中も含めて、)会話が心地よい作品である。
<2022年12月10日 刈谷日劇にて鑑賞>
40年ぶりに映画館で日活ロマンポルノを見た
映画館で日活ロマンポルノを見るのは多分、40年ぶりです。
直感的で申し訳ないのですが、父親と娘さんの葛藤を描いた普通の映画です。非日常的、非現実的な世界を描いたロマンポルノとは違うように感じました。
でも、これはこれで良いのだと思います。
日活ロマンポルノ50周年と言うことですから、50年間前とは感覚が違って当然です。
それにしても虚無的な福永さんが良かった。
映画館にはけっこう若い人が多かったのはちょっと意外だったかも
女性の心情を丁寧に描いた良作
制服を卒業した途端、父親と同年代ほどの男性からから異性(性的な)として扱われるようになり、彼らとの付き合い方を模索し始めるさわ子。
恋人としての関係性に囚われない、さわ子のような女性は現実には少し珍しいタイプだと思います。しかし、同年代の同僚にアプローチされ、少しづつ変化していきます。
*
ロマンポルノなので性的シーンは多いですが、イヤラシイものでも、ファンタジックなものでもなく、女性が不快に思うようなシーンでもないと思います。
*
しかし、徐々に明らかになっていく、主人公の「女の子」というファンタジーではなく、ひとりの人として向き合って欲しいという考えは、多くの女性が共感できるのではないでしょうか。
*
主人公の心情が丁寧に描かれており、ラストは泣いてしまいました。
*
父親、初めての彼氏、同僚の男性、年上の男性など、あらゆる世代やタイプの男性が登場します。
主人公目線で観る人も多いと思いますが、男性側でさわ子という人物に触れて、どう思ったのかも気になりました。
*
映画館で鑑賞しましたが、観客は男性と女性が半々くらいでした。
「ちょっと思い出しただけ」など、若い方にも人気がある松居大悟監督なので、気になるけどポルノ映画だから…と迷ってる方にもオススメしたい作品です。
父親を思い出す
年上男性に心惹かれる女性の多くは
父親との関係性に何かしら問題があったりするのでは。と
勝手な印象を持っている。
もう少し「手」に関する表現が分かりやすいものであれば
もっと共感できたかもしれない。
手淫なり、愛撫なりが「手」で行われるものだけとか。
日活ロマンポルノ50周年㊗️
普通の劇場で鑑賞出来ることで女性には敷居が下がって
良かったとは思うけど、それだからかR18+にしては
物足りなさがある。
せっかくだからもっとそれらしさを全面的に出して欲しかった。女性を欲情させるほどに…。綺麗すぎました。
そう期待して来場した女性客も多かったと思う。
そんな中のひとりでもある笑
普通の恋愛映画で、それはそれで良かったけれど
ラストの父親とのシーンになぜか自分の父親を思い出して涙が止まらなかった。
無性に父親に会いたくなった。
そんな映画でした。
文句なしの名作‼︎
これは松居大悟監督の代表作となる珠玉の名作‼︎
そして何より好きな作品。
福永朱梨さん演じる二十代中盤の女性・さわ子の人生の転機を実に丁寧に、そして繊細に捉えた。
ぎくしゃくとした父親との関係の反動か、中年男性の写真を撮って写真帳を作るのが趣味。付き合うのも歳の離れたおじさんばかり。
金子大地くん演じる同年代の同僚との距離が縮まっていくなかで変わっていくさわ子の心境。
さわ子から「好き」という言葉がもれた。
本気の恋を知った。
辛口ながらも温かなエンディングに
新たなスタートラインが見えた気がした。
だけど「恋が永遠に続けばいいのに」といつも思う。
繋ぎたい手、男らしい手、嘘つきな手
今年ベスト3である「ちょっと思い出しただけ」の松居大悟監督最新作。深くて、染みそうだなあと思い、ちょっと期待していた本作。ロマンスポルノ50周年記念として制作されたらしい。実はロマンスポルノ作品は初鑑賞だし、R18の映画を劇場で見るのも初めて。作品と言うよりも、この新境地に足を踏み入れることに胸をふくらませていました。そして中身はと言うと、想像通りの質感で噛みごたえ(?)のある映画でした。
今年公開された性と恋愛を上手く掛け合わせた作品と言えば、今泉力哉監督×城定秀夫監督の「愛なのに」。あの作品を頭に浮かべながら見たのですが、本作の方がよりドラマティックでリアリティのある演出が多いです。R18の恋愛映画って、どんくらい描写がキツイんだろうかと思っていたけど、案外キツくなくて、というか全くキツくなく、ロマンスポルノ初挑戦の私でもすごく見やすかった。両作を比べて思ったのが、R15とR18の違いわかんねぇ...って笑
恋愛映画としてだったら圧倒的に「愛なのに」の方が面白いし、質も高い。正直、人物やストーリーの描き不足は否めない。あと一歩ってところ。でも、性描写は流石に本作の方が美しい。ああいったシーンを見てこんな感情を抱いたのは初めて。あの映画の方がストーリーとの掛け合いは上手いんだけど、この映画はそのシーンだけ切りとってもすごく綺麗。松居大悟監督らしい演出も見られ、「ちょっと思い出しただけ」が大好きな自分にとっては結構満足。
さわ子(福永朱梨)というキャラクター。
おじさん図鑑を作るという変な趣味の持ち主であり、おじさんとばかり交際するという地味目な女性なのだけど、抱える問題やら性格やらはかなりリアル。吐く言葉は詩的で共感。魅力があるとかではないんだけど、福永朱梨の演技力があってか、なぜか引き込まれる人物だった。森(金子大地)と関わる時の笑顔や悲しみの表情も、上手く言葉に言い表せないけど、良い。
さわ子と森の描き方はなんか足りなかったけど、家族との描きはよく出来てる。妹とその彼氏のホテルでのシーンは、主人公を含めてピュアな心を失ってしまった全ての人間に直球で伝えるような、そんな意味深な場面だった。主人公と妹の違いを決定的に伝えるシーンで、複雑な気持ちに。ラストはグッとくるものがあり、どんな家族映画よりも、家族を大事にしようと思えました。
惜しい!めちゃくちゃ惜しい!
上手くいけば、今月ベスト候補だったんだけど...。3.5ですけど、割かしオススメしやすいR18恋愛映画でした。機会があればぜひ。
追記1
調べてわかったけど、福永朱梨作品2連チャン鑑賞じゃん。注目したい、いい女優さんです。これからの活躍に期待!
追記2
松居大悟監督は福岡出身の方なのに、福岡での上映が遅すぎますぞ!公開日に上映してくれよ!あと、上映館も増やしてくれ!あ、でも中洲大洋で見れたのは良かったかも。ノスタルジックな雰囲気が大好きな映画館ですし、この映画にピッタリ。松居大悟監督、福岡での宣伝活動、よろしくお願いします笑
雑談がしたいです!
レビューではなく、雑談したくて投稿しました。
さわ子が森に対して「ダサいところが好き」って言うシーンは、さわ子の母性愛が感じられ、受け入れられた森の喜びも容易に想像できたので救われたような気持ちになりました。ただ、本筋から少しズレるのですが、あれを観て「慰めから始まる恋愛ってどうなんだろう?」と思いました。森がダサいカテゴリーから抜けられる期待もなくなるし、ダサいカテゴリーから抜け出すとその恋愛は終わってしまうのかな?と、あのシーンを見て思いました。(シナリオはどちらでもない展開でしたが)
後、さわ子が上司のオッサンと最後の一夜を過ごし、迫らないオッサンに「最低」的なことを言っていました。一方で森ともお別れを示す為に会いに行き、こちらはお互いの好意を行為で確かめ合って別れるという対比のシーンとなっていました。あれは所謂「別れ際の大切さ」を示されたような気がしたのですが、そういった解釈で合ってますかね?(オッサンのように守りに入る気持ちもわかりますが、その殻を破り、気持ちを身体に預けてぶつけ合う方が私も良いなと思うし、そうありたいと思いました)
複雑な気持ちが絡み合う映画で、一見理解し難いけど「なんか分かる」とも思う、一筋縄ではいかない恋愛映画だと思いました。
新たな発見もしたいのでコメント頂ければ幸いです!
ハッピーおじさんコレクション
街でおじさんの写真を撮ってはコレクションするのが趣味のさわ子・25歳。
彼女はコミュニケーションが上手くいかない父親との関係に悩み、家族の中でも疎外感を感じていた。
そんな中、おじさんばかりと付き合ってきた彼女は森という同世代の同僚と関係を持つようになり…
松井監督の映画は作品によって相性がだいぶ変わるので今回はどうかと思っていたら、今まで観た中では1番だった。
原作は山崎ナオコーラ。
途中、ロマンポルノであること忘れてしまうほどの恋愛ドラマに胸を打たれる。
というか、そもそもロマンポルノ自体初めてだということに今気がついた。
シンプル過ぎるタイトル。だが、それが良い。
こんなにチケットを買うときに言うのに手間取る映画もそうないけれど…
タイトル通り「手」にフォーカスしているシーンが多く、改めて自分の手を見てみる。
手って面白い。
ある時は会社で資料をめくり、ある時は飲み会でお箸を持ち、またある時は街で恋人の頬に添え、ある時はベッドの上で誰かの陰部を弄る。
いつも裸でいつも正直。
だからその人を物語るし嘘もつく。
おじさんの魅力、分からないようでなんか分かる。
うん10年の人生経験を纏った体、それでいてどこか新鮮さも兼ね備えたかのような可愛さ。
哀愁漂う彼らの後ろ姿を枯れているという一言で片付けたくはない。
帰り道、少しおじさん観察をしてしまった。
とにかく役者が良かった。
主人公さわ子を体当たりで演じた福永朱梨。
聞いたことはあったけれど、こんなに魅力に満ち溢れた女優さんだとは知らなかった。
そして細かい演技が一つ一つ上手い。
そんなさわ子の股の間から顔を出した金子大地がどうしようもないくらい愛おしい。
ただただ金子大地が可愛い。男でも惚れる。相変わらず最低な役だけど。
そして、エンディングまで全く気づかなかったが、津田寛治さんも良かった。
似てるとは思ったが、ずっと無名の俳優だとばかり思っていた。
少しキモくて情けない感じ、俳優さんってすごい。
今回も「直感的に好きな作品ほど上手く言語化できない」現象が…
「今日行っちゃいます」ふたりの声が重なるところが好き。
妹が「おねえ、今エッチしてる!」って電話するところが好き。
森くんの作ったイタい詩が好き。
いろんなセックスをチャレンジするふたりのバカみたいな時間が好き。
さわ子と父親の関係性、そしてその結末が好き。
取り敢えず観て欲しい。
肌を重ね合わせるふたりの姿だからこそ見えてくる素晴らしさがある。
渋谷まで観に行った甲斐があった。
なんか途中ボロボロ泣けてきちゃった🥲
2022.62本目
妹ちゃんが彼氏と初めてラブホテルに行って、お城みたいじゃん!ってはしゃいでるのが、私が初めて彼氏とラブホテルに行ったときの純粋な気持ち思い出して、泣いてしまった笑
部長と旅行で旅館に行ったとき、「大切にしないとな」と言ってくれたシーンが、主人公のそのときのセリフとしては最悪、かもしれないけど私としてはとても良かった
多種多様なおじさんたちとの絡み、男の子とのピュアな性愛、ほんと色々な要素やシーンがあったけど、最初から最後まで一貫して、「お父さん」の映画なんだよなぁ
若い女性には、刺さる人多いと思います。
原作読んでみたい。
ロマンポルノでも松居大悟
ロマンポルノといえば「10分に1回の性行為シーンを入れる」という制約が有名だ。そして上映時間も70分程度。それらさえ守れば表現はかなりの自由度を与えられていたという。そんなロマンポルノの様式を踏襲して現代の監督がロマンポルノを撮影する試みは面白い。
そこに松居大悟監督が参加するとなるとソワソワしてしまった。松居大悟監督の「ちょっと思い出しただけ」が個人的にめちゃめちゃ刺さったからだ。
ロマンポルノ的な制約のために唐突な濡れ場シーンもあったりしたが、総じて松居大悟作品だったという印象。切ないシーンもありつつ、妙におかしな雰囲気を醸し出すのはさすがだ。エロさよりも恋愛、しかもさらに父親との関係が絡むというお話で意外と深い。エロさを出しつつ、監督が好きなものを作るというロマンポルノのあるべき姿を示してもらった感じがする。
それにしてもおじさんってやつは! 卑屈で謙虚なふりして、自分に自信があって押しが強い。そしてところどころでカッコつけたがる。自分にもそんなおじさんが潜んでいるってことを自覚しないと。そんな、変なことを考えさせられた映画だった。
友達やカップルと観れるR18+作品、少し痛くて柔くてずっと観ていたい
ずっと観ていたくなるような暖かさ。濡れ場の多さからして確かにR18+ではあるんだけど、心のはだけた部分がジンと愛で埋められる感覚がする作品。松居大悟監督、やはり凄く良い。
おじさん好きで趣味は観察。元カレという彼は勃つかも怪しい。そんな彼女は家族の中でも孤立しているような気がする。そんな時に先輩と彼氏になり、重ねながら互いに寄り添っていく。序盤はハートフルで優しく、セックスを愛で形容する。その関係や思いが変わっていくとは知る由もなく…。
純粋に良いものを観たような気持ちになる。たまたま濡れ場がある、と言いたくなるほどピュアで優しい。満たされない気持ちをバイブで押さえつけたり、性愛描写が対比のように描かれたり。幸せな2人をいつまでも見たくなるし、そのセックスはどうだったのかとメモを見たくなる。同時に、その手に何が宿っているのか、なんてことを考える。都合が良いだけか、またまた信じて良いものか…。原作が存在するだけあり、装丁された関係性や変化が1つ1つはだけていくようで心地良い。確かに友達、カップルで観て語れるような作品となっている。個人的には、経験的にも大人になってないと楽しみ方が違ってくるとも思った…。笑
主演は福永朱梨さん。『本気のしるし 劇場版』や『彼女はひとり』でも好演を見せた、勢いのある女優さんだ。実際サインを頂いたこともあり、その活躍が楽しみだったが、女の子から女性として生まれ変わるような姿をまっすぐに演じられていて、どこか眩しかった。少し偏った見方だが、程良い肉づきが柔らかくて綺麗。繊細なグラデーションを感じる表情にもドキドキした。また、金子大地さんのキャラクターの雰囲気も堪らない。器用に見えて緊張しい感じがあざとい。そういうズルさが漂ってくる辺り、演出の妙とも取れる。
『愛してる!』が自己愛を駆り立てる作品だとしたら、こちらは他己愛を刺激するような作品だったと思う。幸い自分には今、大切にしたい人がいて、そんな人を抱きしめたくなる。今の感情なら、その手に嘘はない。
手は正直。嘘つきの手。
「父の手に抱かれていたことが、私の最初の記憶だ。」のモノローグではじまるこの映画。やはり、その言葉は、しっかりとラストシーンに意味を見出すことができる。そのラスト、思いがけずも涙が出た。それは、さわ子の気持ちがびんびんと伝わってきたからだ。感情も薄く、貞操に無頓着で、無口でつまらない女かと思わせといて、実はとても繊細な心を持っていた。ずっとセックスシーン。そりゃロマンポルノだもの。だけど、いや、そうやって自分を安売りしてきてしまったからこそ、ラストのさわ子の表情が、痛々しくもあり、嬉しそうでもあり、そこにずっとあった幸せに気付いた喜びの表情が活きてくる、と切に思った。″ハッピーおじさんコレクション"は、ファザコンゆえの歪んだ言動だったのだ。軽薄な嘘泣き男との冷めた別れのあとに、言葉少なで反応も乏しいが愛情の伝わってくる父との、短い対話。自分に興味がないと思っていた父から「行くか?さわちゃん」とかけられた言葉には、子を労わる親の愛情にあふれていた。
主役は・・・・、大渕夏子は可愛かった
中年男性の写真を撮っておじさん写真集を作るという変わった趣味のさわ子は、付き合ってきた男性がおじさんばかりだった。それなのに、なぜか父親とはうまく話せず、ぎくしゃくとした父娘の関係が続いていた。そんな彼女が、同年代の同僚・森と体の関係が出来てから、だんだんとさわ子が変わっていく、という話。
主人公さわ子役の福永朱梨は悪くはないが、イマイチ個人的興味の対象外だった。最初から森役の金子大地に遊ばれてるようにしか見えなかったから、あまり入り込めなかった。
妹リカ役の大渕夏子は可愛かったし、ちゃんと脱いでたから、彼女を主役にした方が良かったように思った。
あくまでも個人的なキャスティングに対する感想です。
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