「物語の流れや感想、見どころ」手 夏のオルカさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の流れや感想、見どころ
森と出会うまでは「若さ」「外面的な要素(若い・女性)で相手をしてくれるおじさんと関係を持ってきたさわ子がとある別れから過去に関係を持った相手と再会し、そして新しい恋愛を通して物語は進んでいく。
周りの人との会話が苦手で父親と距離を取っていたさわ子が森と出会い、手を介して性のコミュニケーションを取る。
相手は自分の中の奥深いところに入ってきて、さわ子は自分も知らない面、新境地を知る羽目にもなった。
二人は関係を深めていくのだった。
さわ子はおじさんから「相手にされるから相手をする」のではなく、自ら相手と接していくことで関係を築いていけることを覚える。
少し勇気を出して父親と接することができこれが映画のもう一つのテーマだったと最後に納得のいく仕上がり。
さわ子は「処世術」と言ったが、今までも色んなおじさんと出会って接し方を取り入れてさわ子が出来てきたのかもしれない。
捨ててしまった出会いが無駄な人生だった訳でもないし、これまで色んなおじさんと接してきたからこそ今の、最後のさわ子がいるとも思える。
一つ一つのきっかけを自分に取り入れて、何者でもない一人のさわ子としての存在が強くなっていく。
そんなさわ子を羨ましい思った。
森との関係は終わりを迎えたが、さわ子はこの先の人生で幸せになれる人だと感じた。
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ポルノ映画を見るのは初めてでしたが、不快感無く見られます。
人を愛する物語の中に性的な場面が含まれている程度です。
松居監督は女性向けに作られたと言っていて、女性一人でも見られるおしゃれな映画です。
カップル、友達と見に行っても変な空気にはなりません。
ポルノ映画として刺激が欲しい場合は物足りないかもしれません。
個人的な映画の見所、注目のポイント
・画角が好き
森に誘いを受ける2人だけの内緒のやりとりを覗き見られる撮り方。ベランダ越しに1人座るさわ子、孤独な感じがする。
・色合いがきれい。
・大河内(津田寛治さん)がジビエ料理店でさわ子の手の触り方(福永朱梨さんより)
・最後の主題歌の入り
その他、何度か見るとちょっとした小細工が仕掛けられていて子美術品、内容的にも見れば見るほど気付きを得られる映画です。
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