「シモン、ずるいくらい可愛かった。それはさておき、、、」1640日の家族 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
シモン、ずるいくらい可愛かった。それはさておき、、、
いろいろ考えさせられた。
まずはフランスって社会的養護が必要な子を施設に入れないで一般家庭にどんどん里子に出すのですね。養子縁組前提じゃなくて。個室与えるとか危険なことはさせないとか条件はあるけど、それなりの報酬付きで。そうなると仕事みたいだけど、情が移るし大変だっていうお話。実子だろうが里子だろうが、いずれ巣立つのに、突然の別れは母性を狂わせる。
何かを引き受ける時、ルールや想定を事前に共有しておくことはとても大切。「里親をママと呼ばせてはいけない」とか「別れは突然やってくる可能性が大いにある」とか。
この映画の最大の功労者は健気で賢いシモン。理屈ではわかっていても「情」をコントロールできないアンナは本当に「正直」な人だった。
日本だと子どものできないカップルが里子と養子縁組するっていう図式が浮かんでしまうけど、欧米では実子と里子をフラットに扱って養育するということが一般的なのかな。そして母親はついつい実子に厳しく当たってしまい恨まれ、里子からも微妙な居心地の悪さを持たれる、みたいな、、、。たまたま最近はまっている「THIS IS US」でも、そのあたりのデリケートな母子関係が人生に影響及ぼしていると感じている。
それにしても、私のステレオタイプの理解だと、フランスってカップル社会、で子どもにそれほど執着する女性がいるってイメージはなかった。
あと邪推だけど、里子があんなシモンみたいに可愛くて健気で賢くなくて、ぶっちゃけ世話のやけるひねくれ小僧だったら、同じ状況でも里親の反応違ってたのかな、とも思った。実の親でも子どもとの相性あるって聞くので。(私は一人しか子どもいないので、その辺がよくわかりませんが)