「さようならインディ、お疲れ様インディ、そして------ありがとうインディ ※追記」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 木神さんの映画レビュー(感想・評価)
さようならインディ、お疲れ様インディ、そして------ありがとうインディ ※追記
最初に、本作はハリソン・フォードと彼が42年間演じたインディアナ・ジョーンズに対し最大級の敬意をもって作られた花道的映画だ、内向的で暗い雰囲気もあるがインディとして考えうる最高のエンドを迎えてくれた・・・ただ、ただ感謝です、ありがとうございます、ラストもう涙目でした。
“一人の俳優が最後まで演じた創作人物”においてこれほど制作側から敬愛を込めて見送られたキャラはインディが初じゃなかろうか、CGの力でナチス相手に全盛期の顔で全盛期の暴れぶりをたっぷり見せつつ、前作から更に老いて世間からも自分自身も時代に取り残された寂しさを醸しつつも内にはいまだ考古学と冒険の熱意が失われてないなど、酸いも甘いも経験しきった理想の老境インディがしっかりといた、利益やら新規ファンやらシリーズ拡張の犠牲となったSWのハンソロとは雲泥の好待遇ぶりだ---生みの親が最後まで関わるってマージで大事、マジで。
※ここから追記
8/5時点で3回鑑賞後の最終的評価は【インディアナ・ジョーンズ=ハリソン・フォードは最高だがそれ以外は微妙】に落ち着いた。黒人給仕の世知辛い身の上話、時代的にありえん黒人女性のCIA捜査官、老インディに代わって暴れるヒロインは高飛車で男に反発、魔宮以来の少年役は可愛かったショート・ラウンドとは違いむさくパッとせず、敵はナチスの残党と小規模でマッツ演じる元ナチス科学者は僅かに存在を出していたがどうにも小者、配給先のディズニーの意向なのか、話がそうじて面白みに貢献してない多様性という名のポリコレに侵食され、シリーズ屈指の地味で起伏の少ない展開のまま進んでしまう。一本の映画としては正直ひどい有様だが、ぶっちゃけハリソンが演じるインディの若い頃と老いてなお健在な姿が見れ、終盤でマリオンが出てからのレイダースの船での一幕を再現してくれたんで全部許しちゃう。何を犠牲にし何を残し何を見せれば良いのか---さすが生みの親、かなめを理解してる。
以上、情勢・主義に物語が振り回されても肝心の“インディはインディらしく”を守り通して描き切ったスピルバーグとルーカス両者には改めて深い感謝の気持ちを表したい。