「家族の物語が欠けたインディ」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル Hironori Skywslkerさんの映画レビュー(感想・評価)
家族の物語が欠けたインディ
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教授職を引退した70歳のインディが挑んだ
世界を股にかける最後の大冒険。
緻密に練られた脚本はインディ作品に相応しく
今回も知的好奇心と少年心を同時にくすぐられた。
過去シリーズがただのアクション映画ではなく
心に残る作品として語り継がれる理由の一つに
家族を形成、或いは取り戻す物語であったことが
挙げられると思う。
失われたアークで妻と出会い
魔宮の伝説では擬似家族を描き、
最後の聖戦では父との確執と和解、
クリスタルスカルで父になる、
しかし本作では家族の物語は描かれていない。
息子は戦死して妻は悲しみにくれて離婚した、
というシャイアラブーフの穴を埋める設定は
ベストな解決策だと思ったが
残念ながら過去作のような奥深さを
生み出すには至らなかった。
ちなみに好みとしては
マッツミケルセン演じるナチの残党考古学者は
マッドサイエンティストであって欲しかったとか
ショウは一貫したキャラで通して欲しかったとか
細かい点は幾つかあるが
インディの冒険がマリオンの元で終わるラストは
シリーズを締めくくるに相応しいと思えた。
(ディズニーが続編を作らないことを切に願う)
内容はそれとして、
現在80歳のハリソンフォードに
76歳のスピルバーグと78歳のジョージルーカスが
カムバックしてくれたことについては
感謝の思いでいっぱいである。
最後の聖戦に多大な影響を受けて
ヨルダンのエルハズネを訪れたりもした。
小学生だった私は大好きなインディと共に
歳をとり今では父親になった。
映画ファンにとって最高の幸せではないか。
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