ケンタウロスのレビュー・感想・評価
全2件を表示
誰からも必要とされる男…
レーシングチームからチームの一員として、日中働く海上コンテナドライバーの夜勤として、麻薬密売組織から運び屋として、一度は信頼を失った家族から大黒柱として、そして最後は警察から麻薬密売業者を捕まえるケンタウロス部隊の一員として。。ストーリーは単純明快、展開も早く、とても見やすく内容もまとまっていた。バイクの疾走感が最高に格好良い。眠気覚ましに渡された変な薬に体が蝕まれて無くてよかった。警察に引き込まれ、レーシングチームの夢は諦めたのか、続編があれば見たい。
バイク版『トランスポーター』かと思ったらバイク版『家族を想うとき』でした
ということで昨日は何観ようかなと悩んでいたんですが、カミさんと娘が外出するので自宅に一人・・・こんなチャンスは滅多にない!ということで大音量で山下達郎の新譜『ソフトリー』を聴き倒した後でシネコンには行かずにこちら、ちょっと前にネタにしたスペイン映画の『ケンタウロス』。
バイク版『トランスポーター』みたいな話だと勝手に思っていたのですが、ちょっと違いました。なんせ主人公のラファは底抜けの頭が悪いクズ野郎。一応テクニックを買われてレースチームにスカウトされるレベルのライダーではあるものの、前妻ナタリアに未練タラタラなので、頼まれてもいないのにナタリアが抱えた借金を帳消しにしてもらおうとして2ヶ月間マルセイユからバルセロナまで麻薬密輸のバイク便を引き受けることになるという悲惨な話。ということで朝は港でフォークリフトオペレーター、昼はサーキットでレースチームと合同練習、夜はドラックの荷台に乗せられてマルセイユからバイク便というトリプルワークはそりゃあ大変なわけで荷主から渡されたドラッグを服用しながら寿命をガリガリ削っていくわけですけどそれは自業自得だからなぁ・・・。そしてついにラファ君はブチキレるわけですけど『トランスポーター』のフランク・マーティンみたいな格闘スキルを持っているわけではないので、想像の斜め下を行く目も当てられない行き当たりばったりがトップギアに入って意外にも程があるオチでチェッカーフラッグ。何やこのいかにもラテンなヤケクソ感は?と呆気に取られてるとエンドロールに意外な情報が流れてきました。本作は『バーン・アウト』というフランス映画のリメイクだそうです。
途中でこりゃ期待してたやつじゃないぞと身構えたのでダメージゼロというか、バイク版『家族を想うとき』と考えると結構しんみりさせられました。というか脳裏に“働けど働けど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る“というテロップが浮かんできましたので、非正規雇用者が苛まれている過酷な労働環境をリアルに描いたプロレタリアート映画として捉えるべき作品かも知れません、知らんけど。
全2件を表示