ブライアン・ウィルソン 約束の旅路のレビュー・感想・評価
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ビートルズのライバルは、ビーチボーイズだった
見終わって、速攻で「ペット・サウンズ」を聞き直しています。ポール・マッカートニー(この映画にも一瞬だけ登場)とブライアン・ウィルソンは、自分の音楽鑑賞の歴史の中で圧倒的ツートップな存在だって再認識。
映像的には、車のダッシュボードに設置したカメラの映像が半分以上を占める、相当に珍しいドキュメンタリーです。本編中に山ほど語られる、ブライアン・ウィルソンのメンタルヘルスの問題を鑑みるに、この撮り方じゃないと尺が確保できなかったんだなって想像できます。
でも、ハリウッドボウルで満員の観客集めてライブ演った映像とか、エルトン・ジョンとかブルース・スプリングスティーンとか、ドン・ウォズとか、音楽界の重鎮がその才能を認めて止まないインタビュー映像は共感度大です。ビートルズのライバルは、60〜70年代アメリカ人目線では、ビーチボーイズだったってことがよく分かりました。ビーチボーイズのファンはもちろん、洋楽ファン全般にオススメしたい1本。
中々良いドキュメンタリー
不思議なハーモニーがドンピシャだった。
ビートルズのライバルはビーチボーイズ?
そこまで言い切れるか?
フォー・フレッシュメンやレターメンやママス&パパスの存在は?
その時間経過を含めて、ブライアン・ウィルソンの評価をしなければならない。
不思議なハーモニーがドンピシャだった。それが僕がビーチボーイズが好きになった理由。作曲家としての良し悪しは僕にはわからない。同じ海でもカルフォルニアの海には似合うだろうが、ラジャ・アンパット諸島の海で似合うとは思えない。従って、ビートルズのライバルと言い切れるかの真偽は定かでは無い。少なくとも、ビートルズには彼の様な作曲家が三人いたのだから。
もっとも、この映画は彼の『will document』として見れば良し。彼の偉大さはこの映画がなくとも分かるが、一般の人には残念ながらブライアン・ウィルソンの名前はビーチボーイズに重ねられる事は無い。ビーチボーイズは彼なのだと理解すれば良い。他のミュージシャンと比べて、彼が秀でているとかいないとか。そもそも、それが間違い。ビートルズとアレサ・フランクリンどちらが偉大か?なんてどうでも良い。
そもそも、ここに登場して彼を褒めちぎる歌手(ミュージシャン)を僕は知らない。エルトン・ジョンとブルース・プリングスティーンとか出て来るが、褒められたくば、持ち上げる前に自分の頭の蝿を追ってもらいたいと思う。
この年になってもステージにあがるのは凄いと思うが、あの国なら10万円貰ってあの世に行ってねばならぬお年。後を飾れる者がいない。それが問題で、だから、KP●Pなるものが流行るんだ。白人諸君今一度頑張って貰いたい。所詮、白人諸君のモノマネから始まっているんだから。温故知新の時代ではなかろう。
ファルセットとハモりのハーモニーが僕に取ってドンピシャ。大滝詠一さんもクィーンも叶わないかもね。似ているところはあるけど。
ベタ褒め
「ペット・サウンズ」を聴き返す。
雲ひとつない青空の下、海岸沿いを車で走らせる、そんな天国かのようなカリフォルニアのイメージを世界中に拡げた立役者、ビーチボーイズ。その頭脳がブライアン・ウィルソン。
車に同乗しながらゆかりのある場所を訪れ、当時を振り返る姿に、100%ではないものの復活した様子を確認することができ、今やライブを開催するまでに。
自宅内に砂場をつくりそこにピアノを置いて演奏する、その発想には驚かされた。
音楽への情熱は涸れない
ブライアン・ウィルソン本人に密着したドキュメンタリー。
エルトン・ジョン、ブルース・スプリングスティーン、ドン・ウォズといった著名人のコメントも挿まれるが、メインは、編集者であり友人であるジェイソン・ファインによるインタビュー。車内やレストランでの映像が多いので、スケールはテレビ的だが、彼の反応や一言一言がリアルに記録されている。かつての共同制作者が亡くなったことを知ったときとか、弟のデニス・ウィルソンのソロ作を初めて聴いたところとか…
精神障害を抱え、一時は廃人同然となった彼が、その後復活して、念願の「スマイル」を作り上げ、コンサートを開く。そして年老いた今も、レコーディングで見せる音作りへのこだわり。彼の涸れない音楽への情熱に、深く感銘を受ける。
弟たちが亡くなり、彼もいつまで音楽活動を続けられるかわからないが、今のうちにこうした映像が作品として残されて、本当に良かった。
欲を言えば、全盛期のライブシーンと、未完成に終わった当時の伝説の「スマイル」レコーディング風景が残っているのであれば、観たかった。
泣いた
私は、元気です
ラブ&マーシーとの比較
「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」(2014)
も観ましたが、ブライアンの人生をドラマ形式かドキュメンタリー形式のどちらがイイのかは比較にならない不毛な議論だが、演出、ヤラセ無しでブライアンの本人の生の声で
栄枯盛衰を聴けたのが感動的かつ涙を誘った。
ダイナーでバニラシェイク?をストローでちゅーっと飲む
大きなお爺ちゃんがいかにもアメリカンな日常で微笑ましかった。
ただ、マイクや他のメンバーとの確執にも迫って欲しかったが、それに触れるとブライアンが辛くなったのか?編集上カットされたのか?が惜しかったです。
お元気なうちにまた来日して欲しい!
喜びの音楽
幸せになる努力
中学の頃、トムクルーズ人気に乗ってカクテルを見に行き、トム以上にビーチボーイズの曲に心を奪われた。父の古びたタイプライターを引っ張り出して、古いレコードの歌詞カードを得意満面で写し打った。
見たことのないカリフォルニアの夏を、音楽から疑似体験できる不思議さ。
それから30年の時が経ち、友達に薦められるままに、事前情報なく映画館でこの映画を観た。
ビーチボーイズの曲を作った人の自伝か。
爽やかな曲調で気づかなかったけど、言われてみれば確かに歌詞に寂しさや切なさを感じる。
ウィルソンフィリップスのお父さん!
こんなにも謙虚で誠実なまま生きられているのか、、、!
と、話が進むにつれ、点が線で繋がっていくような感覚。
繊細なブライアンの心の中は、運転する親友のかけてくれる音楽に反映されているような不思議なやりとり。
心に不安を抱えながらも、「いつでも僕に頼ってね」と声をかける友達に、「君もいつでも僕に頼ってね」と返せるまでになるには、相当な努力があっただろう。
サーフィンしたことのないブライアンの曲を、いつか生で聞けたらと思った。
ガラス細工のように無垢で繊細なブライアン
ロック、ポップミュージックの名盤と言えば、必ず上位に挙げられる「ペットサウンズ」。これを一番に挙げ、ロックを芸術に押し上げた"金字塔"であると言う評論家さえいる。この素晴らしいアルバムを事実上一人で作り上げた天才ミュージシャン、ブライアン・ウィルソンの今を取り上げたドキュメンタリーである。彼は人気絶頂の1964年にライブ活動をビーチボーイズの他のメンバーに任せ、自分はスタジオに籠り、それまでの底抜けに明るく楽しいサーフロックとは一線を画する内省的な音楽を追求した。その結晶と言えるのが「ペットサウンズ」(1966年)である。おそらくこの頃には精神疾患(統合失調症)の症状もあったのではないだろうか。
彼は80近くなった今も、この病と戦いながら音楽を続けている。病と折り合いをつけながら音楽をやるというよりも、病と折り合いをつけるために音楽をやっていると言う風に見えた。風貌や物腰はどこにでもいるおじいさんである。天才ミュージシャンの面影などない。話の端々に、そして表情からも繊細さが滲み出てくる。ガラス細工のようだ。かつての仲間や兄弟の話になると涙ぐみ、言葉を詰まらせる。インタビュアーも古くからの友人なので、そこは心得たもので彼の心にづかづかと踏み込んだりはしない。だからこのインタビューは少々物足りないとも言えるのだが、そうしないとインタビューは続かないのだろう。それがまたブライアン・ウィルソンなのだ。我々も多かれ少なかれ彼と同じように古い傷を抱えながら生きている(歳を重ねているならば尚更)。そして彼の無垢で繊細な心の有り様が我々の弱い部分、繊細な部分に共鳴する。昔のヒット曲も素晴らしく懐かしいが、今のブライアンの内面から出てくる歌と歌声に共鳴し癒され胸を打たれるのだ。
鬱な天才ブライアン・ウィルソン
これはブライアン・ウィルソンのドキュメンタリー。
子供の頃からビーチ・ボーイズ、そしてソロとなり現在に至るまでの軌跡をアーカイブ映像とブライアン自身の言葉でたどった。
ブライアンが唯一心を許すという元ローリング・ストーン誌の編集者ジェイソン・ファインがゆかりの地をドライブしながらインタビューするスタイル。リラックスしたブライアンの言葉は赤裸々だった。
父との確執、音楽に対するプレッシャー、薬物中毒、自由と金を奪った精神科医、愛する弟たちの死など負の部分に圧倒されるが、ブルース・スプリングスティーン、エルトン・ジョン、リンダ・ペリーなど後進のアーティストによる賛辞に救われた。
特にスプリングスティーンの具体的かつ的確なコメントに感動する。二人は対岸にいると思っていたのだが、、、
てか、ドン・ウォズがレコーディング・スタジオで聴くマスターテープの音がホントやばかった。勝手に涙が噴き出した。”God Only Knows”のバックコーラスのトラックに嗚咽を漏らした。ここに音楽の桃源郷が在った。
そう、ブライアンは天才だった。
明るいビーチサウンドの裏に隠された天才の苦悩
中学生の時にサーフィンを少しだけかじって以来のファンで聴いていたのは60年代の明るいビーチサウンドのみだったが、作曲したブライアン・ウィルソンがあれほど純粋で繊細で非常に脆くいつも壊れるギリギリのところに居続けている人だったとは思ってもみなかった。(精神科医に洗脳されたり、ドラッグやアルコール依存性だったという事は映画「ラブ&マーシー 終わらないメロディー 」観て知っていたが)
インタビュアーの気の使い方が如実にそれを物語っているように思う。
劇場で左右の席に座られたのは奇しくも両方とも自分より5、6才上の白髪のロン毛おじさん達で如何にも元サーファーという感じだった。(右側のおじさんはずっと奥さんと会話しておりちょっと迷惑だったけど)
幾つになってもあのエレキサウンドとハイトーンのコーラスワークは聖書やゴスペルのように感じ大切な存在なのではなかろうか。
ブライアンはビートルズをライバル視していたとあるが「天才集団」対「一人の天才」、また米国以外ではビーチサウンドという限定的な世界観のイメージが強いビーチボーイズではビートルズと比肩するほどの世界的成功はなかなか難しかったのだろうとは思う。
映画はエルトン・ジョンやブルース・スプリングスティーンなど有名ミュージシャンのインタビューが所々に差し込まれるのだが、同じロックではあるが音楽性が全く異なるように思えるスプリングスティーンがブライアン・ウィルソンのサウンドにあれほどの敬意と強い思い入れを持っているというのには少し驚いた。
大筋としてはインタビュアーと車に乗り思い出の地を音楽をかけながら巡って行くといったドキュメンタリーになっているが、自分も2000年前後に5年ほど南カリフォルニアで生活をした事があり、エルセグンド、ホーソン、マリブ、パロスバルデスなどの地名に懐かしく感じた。
個人的にはもう少し当時のライブ映像を見せてもらえたら良かったのにと思ってる。特にFun Fun FunとかHelp Me, Rhondaとかは観てみたかった。
常々ビーチボーイズを神と公言して憚らない萩原健太が翻訳を監修しているのも作品に厚みが出て良かったと思う。
僕が生まれた年にデビューした ビーチボーイズ
1964年に発表された「ペットサウンズ」は永久不滅の傑作アルバム。当時は早すぎる天才のエポックにファンの多くはついてこれず、世界中のミュージシャンたちが衝撃を受け、絶賛
し続け、半世紀を越えた現在もなお、その輝きを失わないどころか度々、再評価される歴史的名盤
銀河系の彼方にいるはずのおっかない宇宙人👽たちにもぜひ聴かせたい、これを聴いたら仲良くなれるはず、宇宙戦争は回避だ(笑)
ああ〜素晴らしいフィルム🎞でした、こんなに愛に溢れた密着ドキュメントも珍しいよね
ごめんなさい、長い間、ブライアンの大ファンなので感想は今すぐ、ひと言では到底無理です
公開日を待ち焦がれておりました。帰宅しながらペットサウンズを聴き、ひたすら余韻に浸っております
天才ブライアンの心の闇からの帰還、魂の再生と音楽への愛をいささかも恥じることなく正直に、本人が友と語る、秀逸なドキュメンタリーフィルム
人は皆、悩みの中を生きている・・・
この映画を観て、少なくともボクは本当に救われた!
今朝の93分間は心地良く過ぎ去り、映画館を出ても気分は高揚したままです♪
こんなレビューでアイムソーリー(ᵔᴥᵔ)
拍手?!
これでもか?これでもか?
この映画はディック・クラークのショーにビーチボーイズが出て自己紹介をしているところから始まる。そして、このドキュメンタリーはジェイソン・ファイン(ローリング・ストーンという音楽雑誌の編集者)がブライアン・ウイルソンをインタビューしている。ブライアンの育ったロスのホーソンのまちに行ったり、レストランに行ったりしてカジュアルなインタビューをして、それに、スプリングススティーンや、ジェイコブ・ディランやエルトン・ジョンやロサンジェルス・フィルハーモニックの常任指揮者で
あり、ベネズエラ生まれのグスターボ・ドゥダメルたちがインタビューに答えている。また、グスターボ・ドゥダメルが(わざと?)英語で答えないところに、ロスの民族の多様性をちょっとだけ感じさせる。
ブライアン・ウィルソンはビーチボーイのメンバーで、『エコー・イン・ザ・キャニオン(2018年製作
の映画)Echo In the Canyon』 を観てから気になっていた。 私はビーチ・ボーイズをサーフィンのグループだと思っていたし、あの高いハーモニーに好感がもてず、でも、流れているから耳に入るが、改めて耳も傾けたことがなかった。
しかし、『エコー・イン・ザ・キャニオン(2018年製作の映画)Echo In the Canyon』で、『In My Room』を聞いて、サーインのグループがこんな心の中を歌うんだなと。ブラインと誰か?の作詞だが、当時は男女差が明確だったから、『男!』が自分の淋しいフィーリングを歌にしてメディアに載せるなって信じられなかったかもね。上出来な詩だね。私の心に歌詞がよく伝わって泣けるねえ。。。1966年の『ペット・サウンド』(23歳でプロヂューサー)を聞かなきゃと思ったとき、このドキュメンタリーを見つけた。
There's a world where I can go
Tell my secrets to
In my room
In my room (in my room)
In this world I lock out
All my worries and my fears
In my room
In my room (in my room)
エルトン・ジョンがブライアンの才能を『彼らの音楽の知識はただのバンドじゃない、彼の頭はオーケストラだよ。』 と。 ビートルズにはジョージ・マーティンがいたが、ビーチボーイスはブラインが自分でと。22歳まで、作詞作曲、プロジューサーになったと。グスターボ・ドゥダメルはマーラによる曲の集まりだと。『God Only Knows』に心を打たれたと。
ブライアンは統合失調感情障害(とうごうしっちょうかんじょうしょうがい、英: Schizoaffective Disorder)だとのことだ。彼はパニック症候群になって、ビーチボーイズはコンサートをやめたと。ジェイソンと車の中やレストランでのインタビューでブライアンは『精神的な病気?』を抱えているように感じた。彼だからこそ、In My Roomのような歌詞を作れるんだなとも思った。
2004年に『Heroes and Villans 』で2004年にスマイルのコンサートに戻り、ロンドンでも公演したと。緊張感は2分間ですぐ演奏状態に入れるというが『パニック・アッタク』があり精神的に感情障害を抱えていれば、ステージに上がるのにかなりの緊張を要する。
驚いたことに、ブライアンに嫉妬する父親のDV。三人兄弟、デニス、カール、の中、二人が他界し彼だけが生きている。1983年に39歳で海で溺れ『死んだ弟のことはもう言いたくない』とブライアンが車の中でジェイソンにいった時、思わず嗚咽。
Dennis Wilson - Farewell My Friend
Dennis Wilson - River Song
シンプルな歌詞の中に、訴えかけるものがある。。。わあ、初めて聞いたけど、名曲だね、、いいねえ。
こういう歌詞を私は授業で使いたいが、日本語では見つからない。
ブライアンは九年間もドラッグ、メンタル ヘルスで治療に入ったわけだが、、金銭的にも医者、ランディーにマインド・コントロールされたと。ランディーはライセンスを剥奪されたと。
最近他界したテイラー・ハウキンスがブライアンのことをセンサティブな人にはクリエイティブな人が多いと。
1998年もう一人の弟カールは肺ガンで59歳で他界。 Beach Boys - God Only Knows
ジェイソン・ファインのようにブライアンのような『人間遺産』を追ってインタビューして、ローリング・ストーン紙に記録として残すことも大事だと思った。それに、このドキュメンタリーも貴重だ。世界遺産と言われるものが人間でもいいわけだから。日本語でも国宝という言葉があるが、世界の遺産になれる人もいる。小澤征爾、仲代達矢、すきやばし次郎(このドキュメンタリーはある)などプロとして大成している人や人間として多大な影響を与えている人の足跡を追って、私たちに生きる見本を記録にとっておいてほしい。日本ももっと人間に焦点を当ててほしい。日本のミーハーな芸能人は世界的な受けになるかというと別問題だが、でも、自分の哲学を持っているミーハーだったらこの映画のようにインタビューをして残せれば、またそれで、人々の生きる指針になるかもしれない。このドキュメンタリーから私は力をもらった。79歳の(映画は78歳)のブライアンはこれでもこれでもかといって人生をやり直してる。
誰かが言ってた。 『苦境を心の中に閉じ込めないで、言葉にあらわせたか。だから、続けられた。』と。
ドキュメンタリーの難しさ
ザ・ビーチ・ボーイズは『サーフィンU.S.A』と『グッド・バイブレーション』の曲ぐらいしか知らず、メンバーに関する知識は全くもって皆無。そのためバンドの中枢を担っていたというブライアン・ウィルソンの事も、本作を観るまで未知数だった。
いきなり結論めいた事を言うが、バンドもしくはブライアンを知っている者でないとかなり辛いかもしれない。内容こそ被写体の半生を自ら綴るというドキュメンタリーの定石パターンだが、インタビュアーがブライアンの信頼を得ているという人物が務めているせいか、終始気を遣って接している感が拭えず。
薬物中毒や怪しき精神科医との関係、亡き兄弟との確執といったドキュメンタリーでは欠かせない辛い過去にも触れてはいるものの、どれも表面的にサラリとしていて、どこか淡泊。大のインタビュー嫌いで、今もメンタル面に不安を抱えているという本人が喋っているだけで良しとすべきかもしれないが、どうにも物足りない。
ドキュメンタリー映画は、被写体となる人物を全く知らない状態で観るケースが大半。最初は知らなくても、その人物がいかに壮絶な人生を歩んできたのかが伝われば作品に没入できるし、感情移入もできる。ただでさえドキュメンタリーは観る人を選ぶジャンルなので、そういう点で本作はいろいろと惜しい。
ただ、今年80歳になるブライアンが、今もなおステージにこだわる姿は素直に感服。というか、むしろそちらの方に重きを置いて密着して欲しかった気も。
ブライアンについては、伝記映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』がある。こちらを先に観ていたら、本作にもより没入出来ていたかもしれなかったのが悔やまれる。
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