向田理髪店のレビュー・感想・評価
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小さな物語の連続の中に浮彫になる田舎の情緒とリアル
この作品は一件小さな物語が別個に存在していて、脈絡もなく新たな物語が始まるように見えるが、それこそが変化の乏しい田舎街に住まう人々のリアルを映し出していると思う。
登場人物達がそれぞれ自分達の育った田舎町についての思いを口にしていて、印象的である。
ほっこりとした映画です
映画の中に触れた問題もっと深掘りして欲しかったですし、映画の中の映画『赤い海』もちょっと謎感というのは否めません。
が、後々来る感ある映画です。
そもそもこういう人間味描く映画ほぼ全般好きです。
今回高橋さんと板尾さんのシーン大好きです。
お二人の演技力沁みます。
初めてレビュー書きますがほぼ内容なしのは申し訳ございませんが以後頑張ります。
クスッと笑えて最後はホロっと泣きそうになる そんな映画です
高橋克実がピッタリ!…⭐︎
原作は、北海道の夕張市あたりをモデルにした物語だったが、さすがに雪深い街でのロケは難しいと思ったのか、
九州の大牟田あたりが舞台となっていた。
奥田英朗は、本当に日本中どこにでもありそうな田舎(地方都市も含めて)の情景を描くのが上手い。
街に一軒ある理髪店に息子が帰って来たところから始まり、原作にある幾つかのエピソードを
絡ませて物語は進んでいく。
主役の理髪店店主・向田康彦があまりに高橋克実にピッタリで、ポスターを見た時から絶対に
見にいこうと思っていた。
かれの幼なじみ役の板尾創路や近藤芳正も役に馴染ん良い味を出しているし、富田靖子と根岸季衣は
さすがに年期の入った演技でみせる。
過疎の街の未来がどうこうとか、こんなに良い人ばかりじゃないとか声高に言わなくても、
都会からはなくなってしまったものが、まだ残っている世界。
わずらしいことはいっぱいあっても、まだ何かあるような…そんな暖かい気持ちに
させてくれる。
メッセージ性などないかもしれないが、鑑賞して良かったとホッとさせられた映画だった。
若者が実家にかえってきた、と思いきや
肩ひじ張らずに見れるホームコメディ
キャストの布陣を見て想像した通りの内容。
刺激が無いとも言えるが、逆に言えば安心して観られる。
介護、結婚難、後継者不足、財政難など過疎が進む全国の地方都市が共通して抱える多くの問題を深刻にならずにサラっと、且つ漏れ無くなぞっているのが好印象。
劇中劇の安っぽさも作品全体のバランスを考えたら、丁度いいし、何故この街がロケ地に選ばれたのかという必然性や国際映画祭でグランプリを取るほどの深みを何処にも感じさせないのが、かえっていい。
(売れっ子俳優役の本宮泰風がサインを求める本人の目の前でマネージャーに代筆させるというのは、やり過ぎ感があったが・・・)
余談。
どうでもいいことかもしれないが、物語は「筑沢」という福岡県の架空の町を題材にしていて、登場人物達も自分たちのまちを「筑沢」と口にしているのにも関わらず、途中、街の庁舎が映る場面で、「大牟田市」と書かれた垂れ幕が・・・
最初は編集ミス? と思っていたが、後から考えると筑沢という街は衰退に伴って近隣の大牟田市と合併したんだ、ということを表すための演出だったのかな?
にも関わらず、作中では「大牟田」というセリフは一度も出てこず、全て「筑沢」で通したあたりに郷土愛を示す地元民の矜持を感じることができた。
「帰るから」か「帰れるから」か
福岡県の田舎町で暮らす年配の人達と、帰って来た若者達の話。
むか~し東京で仕事に就いたことのある町の出身の理髪店店主の息子が、実家を継ぐと言い出して、就職して1年足らずで仕事を辞めて帰って来るところから始まって行くストーリー。
地方あるある的な浮き足立つ住人達のエピソードを面白おかしく盛り込みつつ、若者が格好つけて偉そうなことを言っても見透かしている親世代。
しかも主人公は自分にはにも経験のあることだしね。
恥を隠して生きるのか、晒して過去に出来るのか。
自分は産まれも育ちも東京で、郷土愛みたいなものはないけれど、アイデンティティとかプライドとか親の懐の深さとか、そんなものを含めて言っていることは良くわかるし、良い話しだった。
レオンのパクりで日本統一ってどんな話しだよ!w
地域の風景の静止画カットは好み
高橋克実、初主演ということで、観るからにいい人。表情すべてがいい人。なので、最初から最後までずっとほのぼのした感触なんだろうなと安心感がある。
テーマは、世代間対立と融和。理髪店を継いだ父親と、さらに継ごうとしてUターンしてきた息子。だが、理髪店を継ぐことだけが継承ではないような、その精神なり生き方、仲間を大切にする生き方は継承されていると感じた。
地域を少々美化しているところは否めない。あのような塩梅よく友達が複数いればたのしいだろうけれど、現実には孤独な世帯の方が多いような感覚がする。この映画を見ると、地方のバーや飲み屋って友達つくりに役に立っているんだろうなと思ってしまうけれど、そういうところでたのしめるおじさん、おばさんは一握り。昔ながら、小中高時代の友達が近くにいて、その友達とうまくやっているひとにとっては、地方は居心地がいいかもしれない。
確かに、東京、大阪等の都会に出てしまうと、地域の絆を感じるのは難しい(何かしらの行事等に参加している人は別だけどそういう人はまれだろうし)。
とにかく、ほのぼのとした脚本と映像でした。ところどころに風景の静止画カットがはさまるのもいい感じだったし、好みだった。サントラはもう少し生音ギターを効かしたような感じのフォーク系も合っていたようにも思う。
あと、この映画の観たいと思ったひとつは板尾創路が友達役で出ているから。ちょいワル親父な感じで、実際あんな感じのおっさんが居そうでリアル。
息子に親として残してやれるもの
笑えて泣ける、温かい映画。
人生、1度の失敗くらい、どってこたない!
田舎町で起こる色々な出来事をつなぎ合わせた「連続TVドラマ」風の展開ですが、どの出来事もリアリティがあって、引き込まれます。
でも通しテーマは、父子の成長物語でした。
・息子は新たな旅立ちへの決意ができた。
・父は自身のコンプレックス(負け犬)を解放できた。
息子にとっての父親は、この町の理髪店で家庭を守り自分をを育ててくれた立派な人なのです。
作者の伝えたいことは「一度の失敗くらいは、自分の人生全体の失敗じゃないよ。」
ということでしょう。
昔、富田靖子の大ファンでした。今回、久々に見られてうれしかったです♪
普通の主婦の役だったので、まるで自分の高校の同級生(マドンナ)に30年ぶりの同窓会で会ったかのような自然な感じでした。今でも素敵な女優さんです。
この規模でいいのか?
主演が高橋克実さん、妻役に富田靖子さん、息子役に白洲迅さん。そして脇を板尾創路さんに近藤芳正さん!!
それに筧美和子さんに本宮泰風さん!?さらに
矢吹奈子さんまで!!
何だこのメンバー。凄いじゃないか笑
ストーリーも地方から上京した人なら必ず感じたことのある感覚や想いをとてもわかりやすく、いい意味で何も考えず観られる映画。家族の温かさ、ご近所さんとのお付き合いなど、良き時代の日本人らしい世界。
また、若者が自分の好きな街を大切にしたいという想いも素敵でした。板尾創路さんの息子役の鈴木大輝さんがイケメン過ぎて、、。筑沢という町は
白洲さんに鈴木さんに、、イケメンの町か?笑
とにかく最近観た映画の中ではとても印象に残る作品。
もっと注目してあげてほしい一作です。
【デレートできない。くどくてすみません】さびれゆく地方の小都市の切実さ、田舎故の暖かさはわかります。平均点。【劇中劇みたいなのもう少し精度が必要】
書いてるワシ自身。
大した功績もない名もなき平凡な人生だ。
数少ない自慢は「日本国内に限って言えば、北海道から四国まで勤務で在住歴があること、東京は勿論」
「旅行も含めれば沖縄県と、石川県以外は行ったことあること」しかない。
そういうワシ的に、地方都市の疲弊と閉塞感はよくわかる。
息子がいきなり1年で東京の会社辞めて、理容室継ぐといいながら、結局・・は
平成まではあり得ない【普通、福岡県の大都市、福岡か北九州市に収まる】
だがZ世代ではあり得るかもね。
しかし大牟田でロケされた本作、まさにリアル。今後も安泰な福岡市と北九州市、「当落線上」の久留米市
とは違うよねぇ。でもコレはそれはそれで良い点もあるのだというメッセージは良い。
しかし、長年の「映画の不思議」なんだけど、劇中劇的な映画のユルサ
なんとかならんのですかねぇ。意図的だと思うけど、プロなんだから、映画中映画もリアルに作ろうよ・・
だいたい、市民エキストラにセリフは基本ないでしょ。ボロが出るから
人間模様は鬱陶しいけどほっこりする「わかるわかる、あるある」共感作品。
最後の走馬灯はなんかわかるようなわからないような・・・
田舎には田舎の良さ、悪さがある。
どっちかというと北の方の人が閉鎖的、南国の人は開放的に一瞬見えるが、
実は大して変わりは無い、根雪に耐えるか、南国の陽気に触れてるかの違いだけ
勿論、東京とか関西都市圏にも良いところ悪いところがある。
そんな令和の疲弊した想定の地方都市の人間模様。
あったかく、人間臭く、ほっこりする
反面
閉鎖的で、不寛容、保守的
そんな人間模様を高橋克実【初主演とはビックリ】富田靖子【久しぶり・・】
白洲迅【白洲次郎みたいで名前がカッコ良いねぇ】板尾創路【いつじ・・って読むのはじめて知ったよ】
らが好演。
わかるわかる、その感覚、本当の地方の床屋理髪店さん💈【劇中にセリフがあるが、ガソリンスタンド同様
価格カルテルみたいな@1200で済むものを@3000円以上、大都市圏では@3600円では進歩ないよ・・朝起きたら自宅で髭剃ってるから、髭剃り🪒そもそもいらんし、吸い取れば洗髪もいらない】
昔の床屋さんは全国どこでもこんな感じだった。良い意味で・・
地方はなぜか「スナック行くの」当たり前なんだよね。ボトルキープ「山崎」ね、「ヘネシー」とウイスキーとブランデーの違いはあれど🥃、地方に住むと高嶺の花。ワシは「JINRO、スーパで買うと@1000円→スナックボトルキープだと@4000円以上」専属だったけど・・
不思議に都市圏に戻ると「スナック=高すぎて行きたくない」となる。
この感覚は不思議
でも、スナックと床屋さんを中心にこの話は展開、そこに映画制作と若さ故の未熟さが絡むのだけど
セリフの「沈没船、タイタニック」の例えは言い得て妙。
東京から来る官僚も「かき混ぜる」だけで・・
少子高齢化も深刻だけど、地方の結婚難も身につまされる、
中国人妻の夫の気持ちもよくわかる。イイ映画だけど少し冗長で平均点です。
【"大都会から田舎に訳有って戻っても、負け犬ではない。" 今作品は過疎地あるあるをテーマにしたホンワカ、クスクス笑える優しい作品である。故郷があるって、良いよね!。】
- 皆が仲良く暮らせる街。
隣近所の事情も筒抜けだが、イザと言う時には結束し、助け合う。
そんな街に私は住んでいる・・。-
◆感想
・元炭鉱町で小さな理髪店を営む向田(祝、初主演:高橋克実)と明るい妻(富田靖子)を始めとした町の住民達には、悪人はいない。
・お節介焼きで中学生からの付き合いだからか、口は悪いし、様々な"裏情報"も、しっかり把握している。
・過疎化の進む町の行く末を重い、意見を忌憚なく言い合う若者グループとオジサン達。都会から戻って来た向田の息子は、店を継いでカフェを併設する!と息巻くが、向田は否定的な態度を取る。
- けれども、皆が町の行く末を考えているんだよね。-
・向田の同級生達(板尾創路、近藤芳正)との関係性の描き方も良い。
- 今時、中学の同級生と毎晩、飲みに行く関係性はナカナカないんじゃないかな?-
・中学生の時の彼らのマドンナの娘(筧美和子)が戻って来た時も、"裏情報"はきっちり把握しつつ、雁首揃えて彼女が開店したバーのカウンターに、嬉しそうに座る姿。
- ホント、男っておバカだなあ。-
・中国から綺麗なお嫁さんを貰ったみかん農家の男が"皆が金で嫁さんを買った。"と勝手に思い込み、皆で祝福するパーティーから逃げ出した時も、向田達は彼を探しだし、説得し、皆で二人の結婚を祝う姿。
- 人と人との確かな繋がりがあるよね。-
・行き付けのスナックのママ(根岸季衣)の息子が詐欺の疑いで指名手配された時も、向田達は店を閉め寝込んでいたママを心配して、差し入れを持って行く姿。
- チョッと沁みたよ。-
◼️町起こし映画「赤い海」に嬉しそうにエキストラ出演する町の人々。(死体役の人も、いました・・。)あのノワール映画は面白くなさそうだなあ、と思って居たら国際的な賞を獲得して・・。ホントかい!
<今作品は突っ込み所は数々あれど、向田が若い頃、都会から戻っていた・・、と言う事を息子に告白するシーンを含めて、過疎地あるあるを数多く盛り込んだホンワカ、クスクス笑える作品である。富田靖子さん演じる向田の妻の随所で炸裂する台詞も、可笑しかったなあ。>
◼️私の息子は、今春から東京の大企業で働いている。彼は元気にしているかなあ、と少しシンミリしてしまった作品でもある。
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