「1秒、1ショットたりとも見逃せない、見逃したくない!」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
1秒、1ショットたりとも見逃せない、見逃したくない!
『トップガン マーヴェリック』で、味を占めた4DX SCREEN。
美しいロケ地が満載の今作もと、4DX SCREEN字幕で観てきましたが、目の前の四角い画面から一瞬たりとも、目が離せず、かぶりつき状態。周りの画面になんか視線を移すどころか気さえ配れず。勿体ないことをしました。
しかも、緊張感あふれるシーンで、水がぴちょっとかかったり、風がふっと吹いてきたり、映画の世界をさらに膨らます演出が邪魔!!!4DX SCREENで観ていることさえ忘れるくらい没入しているから「え?!何?!あ、4DX SCREENで観ているんだった」となること数回。ええい!画面から目が・気持ちが離せないんだってば!!!
初回、IMAXとかで観て、2回目以降に4DX SCREENにすればよかったです。
それほどまでに、次から次にと繰り出される緊迫感溢れるシーンの数々。
このシリーズでは『ローグ・ネイション』から毎回同じことを書いていますが、予告編なんて序の口。あのバイクジャンプのシーンの美しさに酔いしれた後、その設定でまさか吹き出すとは(*'▽')。
どう考えても、目玉のアクションが先にあって、それをつなげて脚本が完成していると思うのですが、各エピソードを物語に落とし込む脚本の見事さ。その、ぶっ飛び脚本を、”映画”という芸術に昇華させる役者・監督・スタッフ・コーチ・コーディネーター・技術の力。毎回のことなれど、この映画を世に届けてくれたことに感謝します。
映画は、『MI』の1作目から3作目を彷彿とさせるシークエンスにあふれています。
ホワイトウィドウはもちろん、1作目のマックスの娘。迫力と渋さはマックスに憧れますが、年齢的に仕方がないですね。
列車の中の駆け引き。1作目と違って攻防はオーソドックスですが、カービーさんの演技で引っ張ってくれます。レッドグレーブさんより、カービーさんの方か甘くて抜けている感じがします。それがこのシーンにドキドキハラハラ感を出して素敵です。相手にはったりかますところも、イーサンかましていたなあと懐かしいです。
列車の上での攻防は、皆さんもご指摘の通り。1作目でもレノ氏が好演していましたが、セットじゃない分、今作は迫力満点。ついでに、ベルモンド氏の『大頭脳』も思い出してしまいました。
昔馴染みとの因縁は『Ⅱ』でしょうか。
掏摸のグレースの存在も、泥棒・ナイアを使ってという『Ⅱ』の発展バージョンかしら?『Ⅱ』でも、ナイアが裏切るかどうかというハラハラあったけれど、すぐに恋人の命を助ける話に移行するから、今作の方が振り回されます。
追っているものがなんだかわからない。『Ⅲ』ですね。でも、この映画では「知らんでよろしい」と最初に宣言され、ラストでわかるから、すっきり。『Ⅲ』のもやもや感が吹き飛びました。
ベニスの回廊は、『Ⅱ』のスペインの火祭りを思い出してしまうきらびやかさ。ロマンチックです。
青と白を基調としたインテリア、マッピングも、1作目の水槽をイメージさせました。
事件の真相がわかっていない追手に絡まれるのは『ゴーストプロトコル』?
「守る」という言葉がキーだったのも『ゴーストプロトコル』。「僕の妻を守るのは僕の役目だ」とブラントに言っていましたっけ。そしてそれが、『フォールアウト』につながり、今作に発展し…。『Ⅱ』でもナイアを守るために頑張りました。『Ⅲ』でも、ジュリアを守るために全力疾走していました。
ベンジーの誘導。『Ⅲ』ではうまくいって、他では…。だんだんと、とんでもなさが、スケールアップするぅ( ´艸`)。しかも毎回、ベンジーは現場を目視しておらず、データだけで誘導しているから、かなりの無茶ぶり…。
そして、通信網を通じて偽データーで相手をかく乱するって、『MI』全編を通して、ルーサーの得意技。そのおかげで、いくつのミッションがコンプリートできたのか。頼もしい。けれど、今作では、それをやり返されて、窮地に落ちる('Д')。なんという脚本なのでしょう…。
『MI』以外でも、
砂漠のシーンは「『マミー』の不燃焼を補ってくれてありがとう!」と叫びたくなりました。狙ったのかと思ったら、たまたまだったとは。
列車の中のアクションは『ナイト&デイ』でもありました。コメディ感は『ナイト&デイ』に軍配。『ナイト&デイ』はセットなのかな?
『ナイト&デイ』で、ボストンとセビリアでチェイス。『ローグ・ネイション』でモロッコ、『フォールアウト』でパリでチェイス。首都高でもやってくれないかしらって、二日も封鎖されたら、日本経済麻痺しますね。
『トップガン マーヴェリック』に出演されていた役者さんも出演しています。ああ、懐かしい(*^-^*)。
他にも他にも、書ききれない。既視感あふれるけれど、こういう展開になって、こういうテイストになって…。
北極圏の氷の下。不気味なのに、きれいなシーン。
潜入のシークエンス。物語の始まりを説明するシーン。唯一安心して笑えるシーン。
空港のきれいなこと。
走るトム様。編集で切ってもよいシーンなのだけれど、残しておいてくれてありがとう。眼福です。
情報操作。今回のミッションの怖さを表すシーン。幾つものことが進行していて、ー日々の仕事・生活ってこんな感じなのですがー、ルーサー・ベンジーの活躍が見られるシーンなのですが、鑑賞している私としては、楽しい反面、落ち着かないです。
ローマのチェイスは、正直ちょっと長いかなとも思います。今までのシリーズだったら、もうちょっと短く編集しているような。
『アウトロー』のようなカーチェイスが好きな私にとって、黄色の車がくるくる回るのはうれしいのだけれど、ガタイの大きな車で、力づくというのは今一つです。特に乳母車とかは止めて!という感じです。
でも、ではどこを切ってと考えると、どこも切れません…。ああ、これでは前編・後編になるはずだわと思いました。
そして、特別映像とかを見ると、「あんなの、前につけて走っているの?前見えないじゃん!」と驚愕!!!改めて、その技術の高さにしびれてしまいます。
ベニスでは、キツネとタヌキと蛇の化かしあい。もとい、腹の探り合い。
そして、汽車。
頭の片隅で「ああ、環境破壊…」とも思うのだけれど、でも手に汗握る。見ごたえあるシーンです。トンネルに入るところで、ぶつからないように手助けしてもらったことで、相手に恩義を感じたり。いいシーンです。
突っ込みどころもあります。
冒頭、IMFに入るための試験。あれで合格なら、私にもできるかもってか(笑)。
でも、手に汗握るアクションの連発で、『ゴーストプロトコル』~『フォールアウト』のような抜け感が足りない。クスっとするシーンは用意されているのですが、クスっとできません。
空港での爆発物処理も、コントのような展開。でも、緊迫感ありまくりの上に、いろいろな状況を詰め込みすぎて、楽しむ余裕がありませんでした。
ローマのチェイスなんて、コンテ的には、コントが溢れかえっているんです。イーサンとグレースのやり取りとか。片手運転。タイヤの滑り具合とか。そもそもの車のチョイスとか。でも、同乗者が安定のベンジーではなく、お互いけん制しあっているイーサンとグレーズだからか、非常事態の方が先に立ってしまって、ここも余裕がありません。
橋の上での戦いも、優雅なはずなのに…。
列車の中の出来事も、詰め込みすぎ。あっちでも、こっちでも。フーガかハーモニーのようなアンサンブルにはなっていません。アクションは美しかったですが…。
それぐらい、緊迫状況が続きます。情報処理能力が試されます。一瞬たりとも気が抜けません。
ベンジーが妙に老けていたのも、ショックでした。
イーサンやルーサーは”老けた”というより、年齢を重ねられたという表現の方が合います。けれど、ベンジーはしわくちゃに見えて…。髭面だったのも老けて見えた要因でしょうか?
そして、前編後編だから当たり前ですが、いつものような「ミッション、コンプリート」というカタルシスが得られません。
そして、そして、何より〇〇ロス…。
だから、鑑賞後もやもや、ぐずぐず…。
公開初日に鑑賞したのに、立ち直るのに、1か月近くかかってしまいました。
でも、思い返すたびに、この映画のすごさがよみがえります。なので、☆5つ。
後編が楽しみです。
監督が予告する、もっとすごいアクションて、北極圏の氷の下で、また素潜りするのかしら?”それ”を壊すために。それとも、噂の”宇宙”?
〇〇ロス。でも、実は生きているって、すごい場面で再登場という、どんでん返しを期待しています。だって、誰も「死んだ」って言っていません。死んだマネして敵を欺こうとしたりとか、●●だって、死んだと思わせておいて「まだ脈あります!」って展開になったのですもの。『Ⅲ』でだって、無理くりの蘇生を果たしているし。ダメかしら。ロスが受け入れられない妄想炸裂?
それにしても、〇〇ロスも大きいですが、ブラントがいないのも、やっぱり悲しい。
『クランクイン』によると、レナー氏は、2度の手術、ICUで治療を受けていたけれど、今(2023.3/30の記事)では、自宅で療養していて、SNSで回復過程をシェアしたとか。TVのインタビューにも出演されたとか。
ご存命なのが何よりうれしい。神様に感謝します。
復帰を待っています。最後の大円団に、ちょこっと顔見世してくれないかしら。
そして、トム様、スタッフの無事を祈願します。
また、役者やスタッフをはじめ、映画にかかわる人々が、思う存分、その力を映画に注ぎ込める環境になりますように。
とみいじょんさん、こんにちは。
MIシリーズ愛あふれる素晴らしいレビューですね。やっぱりPART TWO観ないとデッドレコニングの評価は出来ないと思います。PART TWOの撮影も半分くらいは終わってるみたいですね。ちょっとストライキの影響が心配ですが。でもIMDbを覗いていたらPART TWOのキャスト一覧にレベッカの名前はありましたよ、一応。
おはようございます。
別作品のとみいじょんさんのレビューにコメントをさせていただき、丁寧な返信を有難うございます。
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このシリーズを観ていると、トム・クルーズさんや製作陣のプロフェッショナル根性をいつも感じます。
観客を思いっきり楽しませて、結果(興行成績)も出して。
予想を超えたアクション。トム・クルーズさんの鍛えていないと、出来ない身体の切れ。凄いモノだなあ、と素直に思います。
私がトムさんの年齢になっても(それなりに、身体は鍛えていますが)あれだけ走れるかなあといつも思います。では。