「M.I.らしさが足りない」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE 映画.ffffさんの映画レビュー(感想・評価)
M.I.らしさが足りない
正直言って本シリーズ中で一番つまらなかったです。
以下、その理由ををいくつかあげると
①二部作にもかかわらずストーリーが雑で、作品に全く引き込まれない。絵的にはドタバタしているので複雑に見えるが中身は空っぽ。もっと丁寧に作り込んでほしかったです。
②M.I.本来の頭脳戦やトリックのようなものが殆ど無く、終始ドタバタ追っかけっこしているだけで何をやっているのかよく分からない。「何でそこに登場できたの?」とか「いつすり替えたの?」的な観客を驚かせる場面はいくつかあるが、どれも種明かしがないご都合主義。種明かしが不要なら何でもありになってしまい興醒め。
③普段はハイテクを駆使しているのに、いざ対決のシーンになると何故かナイフなどによる肉弾戦ばかり。せめて拳銃とかないのだろうか?
④どういう事情なのか本当のところは分からないが、恐らくキャスト交代のためにイルサ(レベッカ・ファーガソン)はあっさり殺されてしまう。結構重要なキャストの一人だったし、好きな女優さんでもあったので、あんな簡単に殺されてしまって残念。また、その代役のようなポジションで新たに登場した女優に魅力がなくて尚更残念。
⑤本作で最も重要なアイテムとなる「鍵」を、何故が皆さんポケットに入れて無防備に持ち歩くので簡単に掏られてしまう。もっと緻密なトリックによる奪い合いを描いてほしかったです。
⑥今回のアクションの目玉ともいえるトム・クルーズが崖からバイクでダイブするシーンは、展開にかなり無理があり、バイクでダイブしたかったから山に登ったとしか思えない。確かに、あれをスタント無しで本人がやっているのは凄いと思うが、そんな話題作りにばかり労力を使わず、作品自体を面白くする方に力を入れてほしい。
以上、全体的にこういうシーンが撮りたいからこういう展開にしよう、みたいな安易なストーリーな上に、M.I.らしいスカッとするようなトリックも出てこない。そのため、見応えのないドタバタ、アクション映画となってしまっています。