「目的性なきアクションのためのアクション」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE とうきさんの映画レビュー(感想・評価)
目的性なきアクションのためのアクション
人気シリーズx名俳優x名監督、いくつものデカい肩書きを持つ作品ですが、近年観たアメリカンアクション映画の中でかなり話の完成度が低いほうでびっくりした。完全にアクションで内容薄さの穴を埋めてるって感じでした。
人類と全知全能のAIとの戦い。そのAIはどこでも存在し誰の行動でも予測できるというぐらい凄い物、設定を聞いただけでも結構面白い脚本ができるじゃないかと思ったけど、まさかそのAIをコントロールできる鍵を手に入るため人間同士の追いかけっこだけでぼぼ3時間全部の内容でした。
そんな凄いAIですが、主人公を欺き一回全く逃げ場がない道まで誘導できたのに、何故かその手下の人間を主人公と一緒に閉じられた状態で素手とパイプで戦わせることになってる。いや、普通に檻の外から銃を撃つほうが確実で効率的なのに。。。。みたいなbugが結構あった。
例えばその肝心な鍵、クラブでグレースが自分の分の鍵を取り戻した後、橋でガブリエルに遭遇し、襲われた同時に鍵もガブリエルに取られたはずなのに、何故か次の日列車の中でグレースは2本揃って持ってる。。。じゃガブリエルとの戦いは何の意味がある?そして新ヒロインを売りたいからとは言え、同じくガブリエルと正面衝突して、明らかに武闘派の旧ヒロインがあっけなく殺されたのに、明らかに戦えない新ヒロインはほぼ無傷のシナリオは無理がある。またその長い長いカーチェイスシーンですが、途中一回わざわざ車を変えに行ったけど、乗り換えの時誰一人見つからなかったのに、変えた後すぐカーチェイスシーンに戻るって違和感しかなかったし、乗り換えの意味がない!
話のペースは決して遅くないが、次から次まで新しい展開が広がるというより次から次へと同じ展開を繰り返してることと、話の厳密性の足りなさからどんどん観るの疲れてきた。
個人的に空港のシーンまでは結構面白くてよくできた。もし映画全体が同じ精度でできたらいいですが、残念ながらそこはピークだった。シリーズ初見のため今までの映画もこんな感じなのか、もしやPart2のほうがもっと面白くて新しい展開になるか分からないが、少なくともこれを観てPart2観なきゃ!過去作観なきゃ!の気持ちはないです。